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偏愛食品#18:サンマーの話再び(105/1000)

昨日サンマーメンの話を書いたら、石神井公園に住む姉妹から
「おいしいサンマーがあるよ」とお誘いを受けました。

というのは脚色、あるいはフィクション、もしくはウソ。

食事の約束をした日、とくに深い考えもなくサンマーメンの話を書いたら、その夜に印象的なサンマーに出会ってしまった! 
ということをなんとか印象づけようとこのような手練手管を弄したのは、単純にめちゃ旨かったから!

じらさないでさっそくサンマーをご紹介しましょう。

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これですよ、これ。
秋刀魚のコンフィ。
そう、今日は正真正銘秋刀魚の話です。

周りの衣はカダイフって言うんだって。大佐じゃないよ。
ご覧のとおり、麺状の生地です。これがまず口の中に入ってきて、さくさくとおいしくいただきます。
そうしておもむろに秋刀魚をぱくり、と。

ちょっと待って。

なにこのコンフィ。

さくっと軽い食感で、秋刀魚のアタマも骨も尻尾まで丸ごと食べられます。
カダイフと秋刀魚の共演による饗宴。衣のあるコンフィって初めて食べた気がするけど、脂が乗った秋刀魚のしっとりした身の味をカダイフがさくりと受け止めて、過大な旨みが押し寄せてくるよ。カダイフだけに。

さらに!

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秋刀魚のはらわたのソースをつけて食べればほろ苦旨くて、オトナの階段昇る味。もうこれだけで想い出がいっぱいだよ。
ああ、ワインが進むこと進むこと。

4年ほど前、お店ができた直後に、このあたりを歩いていた姉が吸い寄せられるように入って以来、姉妹そろってなじみなんだそう。お店の人や常連さんと楽しそうに会話する様子を見ていると、あっという間になごやかな雰囲気に。
インティメイトでコージーな店内もいい感じ。

牡蠣好きだよね、頼もう。
ってなにげなくチョイスした牡蠣が!

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ごく普通の牡蠣なのに必要以上に旨い。
いや必要以上って言い方はどうかと思うけど、牡蠣としてのまとまりがいいんですよ。身全体に均一に旨みがあるといえばいいのか。
ああ、牡蠣食べてるという満足がここにある。

一事が万事この調子で、素材からイメージする味がぴたりとはまってブレがない。安心してあれもこれも食べることができて、とっても満足。

ビストロに絶品つくねがあってもいいじゃないか!

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見事につくねです。
つくねという言葉を具現化した味。イメージとしてのつくねが実体化したというか。味も焼き加減もミンチの細かさも。
そうか、「理想のつくね」なんだな。
お店も絶品と称しているくらいだからね。

鱧のフリッターがあってもいいじゃないか。

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あ、これはべつにあっても不思議じゃないか。

さくり。
衣に閉じ込められたものが「鱧ですよ」と顔を出す瞬間。
かすかな湯気がほわりと立ち上り、もうそれだけでうれしくなっちゃう。

鴨胸肉ロースト チーズリゾット添えなどという心躍る一品もありますよ。

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これは鴨の胸肉をローストして、チーズリゾットを添えたもの。
って、まんまやないかー!
これも文字通り、イメージ通りの味わいでほんとうにしみじみとおいしい。

ラタトゥイユやフレンチフライって、箸休めというかなんというか、ちょっとつまむと飲む気力が沸いてきますよね。
きませんか? くるでしょう?

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ほらね。

なんだろう、どの料理も、その料理の標準原器みたいな感じなんですよね。
でしゃばるところも控えめ過ぎるところもなく、思った通りにおいしい。料理に対して構える必要がないので、会話に集中できるのが美点だなー。

ちょっとほの暗い店内。
4人でワインを3本、ハイボールとアマレットジンジャーも嗜んで。
思い起こせば30年以上もの長きつきあい。
家族のことも知っているので話は尽きない。(韻ふんでます)
最近のことは忘れてるけど、昔のことなら些事に至るまで覚えてるし、なによりこうして何度も同じ話題で笑っているので、記憶は強化されてるし。


気分がいいのでちょっと歌おうかと話がまとまり、洋風居酒屋ファンタジーに流れて夜は更けていくのでありました。

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ああ楽しかった。





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