仲間ログ#310:あをによし奈良の言葉はやわらかく(1742/1000)
万葉集が作られた1300年ほど前、日本の首都は奈良だった。
万葉集を現代語に訳するのだったら、東京ではなく奈良の言葉でするべし!
と主張するのが「愛するよりも愛されたい」のはじめの言葉。
おお、その発想は無かった。
というかむしろよく思いつきましたね、コロンブスの卵だ。
というわけで、今月の読書会は奈良の言葉の万葉集を読みました。
冒頭に曰く。
「万葉集のおよそ半数を占めるのが恋歌です。本書は、その中からいくつかをセレクトし、現代の奈良の言葉=奈良弁で訳しました。それも令和の今まさに恋をしている若い世代が、実際に使っている若者言葉で訳しています」
おお、そいつは面白そうだ。
ちなみに奈良弁とは「まろやかな関西弁という感じ」だそうで、「大阪弁のようなコテコテでもなく、京都弁や神戸弁のような独特の表現は少ない印象」なのだとか。
では例を一つ。
くんのかい?
こんのかい!
こんの?
くんの?
いや こんのかい!
これは万葉集巻四 527番歌の
来むと言ふも 来ぬ時あるを
来じと言ふを 来むとは待たじ
来じと言ふものを
を訳したもの。
う~ん、面白いねぇ~。
でも今回はさらに楽しい趣向がありましてな。
我らの友人で奈良出身のナイスガイ、タカを召喚して、奈良弁で読んでもらおうという算段。
これがね、やっぱりいいんですよ。
本奈良人じゃないと醸し出せない奈良弁グルーヴ。まったりというかゆったりというか、悠久の時を越えて万葉の言葉がよみがえるような。
みんな本の感想そっちのけで、アレも読んでこれはどうなるもっともっととおねだりを繰り返す。
そのたびにきちんとリクエストに応えてくれる素晴らしきひと。
そのあと、うっちーfrom京都に女性から男性へ送った歌を読んでもらったところ、これがまたぐっとくるんだな。
厳密に言うと奈良と京都ではイントネーションや言葉が異なるのでしょうけど、あづまをとこには差異は分からないので、それもまたつきづきし。
と、ふしぎな展開を迎えた読書会でした。
こういうのも本の読み方としていいもんですなら。
みんなのこの楽しそうな表情をご覧あれ。
万葉集よ永遠に!
あ、見出し写真は読書会前の腹ごしらえ前飲みでいただいたホワイトアスパラです。(って説明しないと意味不明だよね)
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