見出し画像

続きのない話#55:ヒゲとボこう(264/1000)

パリジェンヌのシュークリームとシベリアとマイスタームラカミの唐揚げとラムメンチと牛スジ煮込み。駅を出て歩く道々で差し入れ仕入れた。

どこに向かっているのかというと、娘の部屋へへへっ。
10日ほど前に独り暮らし(弊社校閲規定による破壊力ある表記)を始めた娘の元へ。
これから買い物にも不自由するかもしれないので、とにかく食べ物を。
といってもすぐに食べなきゃいけないものばかりだから、長期対応ではないのが残念なところ。まあでもおいしければいいんだよ。

大学の後輩で娘にとってはセンパイとなるS楽くんが「ソフトボールとひげに興味があれば、ご連絡下さい、とお伝えください」と言ってくれたので、さっそく興味があるよ、で、いつ行く? という話になったのです。娘そっちのけで決めちゃった。

娘に食糧を渡し、二人で歩いて母校前を通ります。

画像2

桜、満開だなあ。
ホントなら明日は入学式だったんだなあ。
きっときみたちはわくわくしながら桜並木を通ったことだろう。
なんて感傷にふけっていたら。
「花見は来年友だちとやるよ」
そうだね、きみたちには洋々とした未来があるもんね。
がんばれマイドーター!(G藤さんのまねっこ)

おっと、もう着いたぞ。

画像6

おそるおそる店内を見回すと客はS楽くんだけ。
ほら、見て下さい。

画像3

これなら安心。(結局この日は我々3人の貸し切りだった。お店が心配だよ)
ちょっと広めのテーブルをお借りして、間隔をあけて着席!
そしてルービーでパイカン!

画像7

ひげは大学に通っていたころ、数回来たことがあるなあ。
38年ぶりくらいになるんだろうなあ。
当時はカウンターだけの小さなお店だった(という記憶。ホントにそうだったかはI井くんに聞いてみないとわからないけど)。

慣れない日本酒を飲んで酔っ払った友だちもいたし、好きな子に冷たくされて涙をこぼした人もいた。
ああ、青春。
見果てぬ夢に破れ、酔いつぶれ夜風と躍る街、ってなもんですよ。
燃える陽炎とまではいわないけど、それなりにアツかったんだ(たぶん)。

それがねえ、後輩どころか実の子ども(飲酒可な年齢)とひげることになろうとは。
感慨もひとしお。
昔の記憶と今の感慨とが、こう、ないまぜになって味わい深い。長く生きてきたことがヨロコビとなるのはこういう瞬間だよなあ、ああ日本酒が旨い(いつの間にか冷酒を飲んでいる)。

S楽くんとはメロディーユニオンつながりなので、共通の友人のあれやこれやを話したり、お店のマスターはS楽くんの一つ後輩なのでいっしょに昔の学校の話、娘とはこれからの学校生活の話などしているうちに、どうやら酩酊沼にずぶずぶと。

画像4

手作りふきみそなどいただいたりすると、これがまた日本酒がススムくん。
なんとかお勘定をして娘を家まで送り届け、バスに乗ったのが21:30。(というのはグーグルマップのタイムラインで知った事実)

電車でふと気づくと妙な駅にいる。
いや駅が妙なんじゃなくて、私の帰宅動線からまったく逆の駅という意味で、妙なのは自身の行動です。行動ったってただ寝てただけなんだけど。

画像5

一気に目が覚めて帰り道を検討している23:30。
尋常な方法では最寄駅まで行けないことが判明。
さあどうする?

といってもどうしようもないので、なんとかなるべく近く(といったってかなりだけど)の駅まで行って、泣きながらタクシーで帰ったのでした。
I井くんが大好きなタイムラインで昨夜の軌跡と奇跡の帰宅ぶりをお見せしましょう。

画像1

親の小言と冷酒はあとで効く、って身をもって知った夜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?