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コッキーポップマニアック♪1:さよならの言葉(21/1000)

そもそもコッキーポップってご存知ですか? 1971年から1986年にかけて放送されていたラジオ番組です、なんていっても、1986年なんてソウルやカルガリーオリンピックよりも前なんだから(人生をオリンピックイヤー刻みで考える人)30代以下の人は知りませんよね。ま、知らなくてもいいんだ。今日話したいのはそういうことじゃないんだから。

コッキーポップは音楽番組なんですが、いわゆる歌謡曲、ヒット曲はまったくかからないんですよ。もちろん邦楽だけじゃなくて洋楽も。それではなにが音楽供給源かというと、ポプコンです。正式名称はポピュラーソングコンテストといい、1969年(50年前!)から1986年にかけて催されたアマチュア音楽の祭典でした。つまりポプコンにエントリーした曲はコッキーポップでしか聞けない。ほかのラジオでもテレビでも流れないわけです。

小学校高学年からこっそり深夜放送を聞いていた良い子の私が、オールナイトニッポンが始まる前のこの番組に気づかないはずがありません。クラスメートが知らない音楽。人とは違うこと=かっちょいい時代の男子にはぴったりな番組ですよね。
郷ひろみ? ちっちっち、わかってないねえ、今は自分で作った曲を自分で歌う時代さ。NSPも知らないで、ふふっ。と脳内オレ様妄想システムが爆音を上げて回転していきます。(当時、郷ひろみはデビューしたばかりの超人気アイドルだったんですよ、と歴史の勉強)
と、そんな優越感満足機能を満たしていると、あるときふと気づくのです。「あれ、これいい曲じゃん」。
ばかっちゃあばかだけど、素直っちゃあ素直な心のきれいな少年は、人との差異化などとは関係なく、純粋にどんどんコッキーポップの曲に魅了されていくのでありました。

高校生になり、乏しいお小遣いをあれこれしながらレコードを集め始めると、どうやらポプコンのライブレコードがあるらしいぞと気づきます。街のレコード屋に無いのは当然、ヤマハのショップでしか取り扱ってなかったから。高校に通った街にはヤマハがあり、ヨロコビながら眺めているうちにいつしか店員さんと仲良くなって、非売品のレコードをいただいたりするようになれば、はい、コッキーポップマニアのできあがり! そうして集めたライブアルバムが見出しの写真でございます。

1977年5月の第13回ポピュラーソングコンテスト。さっそくライブアルバムを入手し、友人とトランプする間ヘビロテしていると、きれいなメロディーとさびしげな歌詞が知らぬ間に染み入ってきます。なにしろ心のきれいな高校2年生ですからね。
それが小野香代子の歌う「さよならの言葉」。なんとグランプリです。同じ年の秋のポプコンのグランプリが「あんたのバラード」ですから、その落差にびっくりさ。

それ以来いつもいつも聴いていました。
大学で軽音のサークルに入り、歌が上手できれいなY理さんに私がギターを弾いて歌ってもらったりもして。そのときも周囲に知っている人はいなくて、ああ、ぼくのためだけにある曲。なんて思ったものでした。

無事会社員となって1998年。とある個人サイトに出会って記事を楽しく読んでいたら、なんと。「さよならの言葉」が好き。と書いてあるんです。ところがそれは八神純子がカバーしたバージョン。
まあ曲がいいからそれでもいいんだけど、やはりオリジナルのはかなさを知って欲しい。記事を書いたSとなおさんも聴いてみたいって書いてある。(書いてあったと思います)だったら聴かせてあげよう!

世界で初めて「さよならの言葉」が好きって人を見つけたうれしさで、どこのどなたかは存じませんがワタクシこの曲のコレクター(といっても2バージョンしかなかったけど)をしておりまして、オリジナルを聞きたいというあなたにお送りしようじゃありませんか。つきましてはカセットテープとMDとどちらがいいですか? とメールを出したのです。
これが1998年の話だから、曲が世に出て21年後ですよ。(そしてこのやりとりは今から21年前の話でもあります)
カセット希望、と返信がきたので、たった2曲じゃもったいない、とコッキーポップで聴いたオススメ曲をむりやり加えて差し上げました。

そうこうするうちにいつのまにやら17年後の2015年9月6日。
なんとカセットテープを差し上げたSとなおさんが、FBで私からもらった手紙を限定した場でとはいえ公開したんです。
テープを送ったことは覚えてたけど、手紙を添えていたとはね。

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CD周りの整理をしていたら、「THE POPCON」という5枚組箱入りCDの中から1998年当時に長老からもらっていた手紙が出てきた。
この当時はまだお互い会ってもおらず、長老が◯◯社勤めということも知らず(ボクが◇◇ということも彼は知らず)、のちにこうして会うようになるともまったく思わず。
1995年に個人サイトを始めて、食中心だったけど、音楽のこともちょこちょこ書いていたんですね。
で、八神純子の「さよならの言葉」のことを書き、その元歌の小野香代子の話題になってメールをもらい、「佐藤さんにあげたいテープがあるから住所教えて」という流れだったかな。
ちなみにその数年後、小野香代子の妹からメールをもらい「姉は元気です」と教えてもらって感激したんだけど、それはまた別のお話。
手紙に長老の親切さ(おせっかいさ)と話の長さがよく出てる逸品ですw(長老に無断でここ限定公開しちゃいます)
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無断公開返し!
実はこの時点でSとなおさんとはいくつかの接点で実際にお会いしていたのでした。そして今、note書いてるのもそのおかげというかなんというか。
いや実にありがたい出会いなんですけどね。
でもまあ偶然とはいえ(意図して保存していたとは思えない)こうして自分が書いた手紙を再び読めるとは驚きましたね。

今日の教訓:いろいろなことが長い時間かけてひょんなことから繋がったりするので、自分で制限しないでいろいろなことをやってみると面白いよ。
だって42年前好きだった曲を21年前に教えてあげた人といつの間にか昨日の夜も飲んでたりするんですよ。心がきれいな少年にはそんな未来は予想すべくもなかったことです。

今日のおまけ:読みたいかどうかはあなた次第ですが、その、21年前の手紙です。

さらにおまけ。
小野香代子が歌う「さよならの言葉」
https://www.youtube.com/watch?v=QpsZ2J-oHVE










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