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仲間ログ#64:春の句会(221/1000)

まだまださぶい日が続いておりますが、暦の上ではもう春になってはる。
というわけで、俳句を詠むときは、もちろん春の季語を使いますよ。

わたしたちの句会は「うすらひ」というネーミング。漢字だと「薄氷」。
文字通り、薄く張った氷を意味します。
句会を始めた11年前の2月、会の名前を決めなくちゃという話になったそのときの句会で「うすらひ」が兼題だったんですよね。
「だったら、これからも薄氷(はくひょう)を踏む思いで俳句を作るんだろうから、うすらひがいいんじゃない?」といういたって適当な意見が取り入れられて決まった次第です。

今回の兼題は「鶯餅」「猫柳」「描」です。
「鶯餅」と「猫柳」は季語なのでそれを使って句を詠み、「描」はなにか季語を加えて「描」という漢字を使って句を作る、ということですね。さらに制約なしにもう1句、都合4句を事前に作っておきます。

今回参加した9人は、同じ会社にいた人、いる人、関係している人。
会場に先に来た人たち(含む自分)が、病気の話、最近亡くなった人たちの話をしています。みんなが知っている人なので、驚きと悲しみと思い出話を口々に。
私が平均年齢を下げているくらいだから、メンバーは、こっちよりあっちの方が近い人が多くなっていると言えましょう(おそらく)。つまりそんな話題は日常茶飯事なんですね。
こういうやりとりが頻繁にあることで、徐々にハードルが下がっていくのかもしれません。年寄りが死をあっけらかんと取り扱う理由がわかってくるのは、オソロシイけど興味深いことでもあります。
まさに薄氷。

とか言ってる場合じゃありませんね。
句会句会。

宗匠から「長」という席題が出され、その場でもう1句。
全5句を短冊に記して提出し、全員の句をまとめたうえで、それぞれがいいと思う句を選ぶ、と。(このあたりの手順は既に書いた気がするけど、書いちゃえ)

句を提出した人から飲んでいいことになっている自由な句会なので、ハートランドを飲みつつ、食べ物を吟味する我ら。
句を作るのも楽しいけど、みんなの句を詠み、選び、なぜ選んだのかを披露しあうのも超絶面白い。それぞれの考えや体験や気持ちが反映して、自分と同じ句が選ばれたり、一顧だにしなかったものが高得点になったり。
たった十七文字の組み合わせなのに、無限に句ができるのが不思議で興味深いところですね。決まった兼題でも、同じ趣向の句なんてないんだから。

ビールを飲んで白ワイン、赤ワインも飲み、牛肉のタタキやチーズを焼いたもの、サラダとかてんでばらばらに発注したものを食べ、酔いが回ると口も回る。回る回るよ時代は回る。

とまあ、そんな風に句会も酩酊の度も進む夜でありました。

今回点をいただいたのはこの句でした。
「その先は善き事ばかり山笑ふ」
「戯れにピカソが描く猫の恋」
おそまつさまでした~。

今回の参加者
鬼奴多宗匠、フラスコ、歩足、友緒素、悠遊亭、邨沢、冬羊、ぼた山、多可凡










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