ピザとペンネ
クリスマスになるとピザとペンネが食べたくなる。
うちの弟は謎のこだわりを強く持つタイプで、毎年クリスマスにはピザとペンネを食べないといけないマイルールがあった。
私と弟が小学生の頃はクリスマスが一大イベントだったし、いつもは食べない豪華そうな料理やケーキがテーブルに並ぶと「クリスマスだなぁ!」と喜んでいた。
でも高校生にもなると、家族でのクリスマスというよりは恋人や友達とのクリスマスに楽しみを覚え、家での料理は私1人だけ次の日に温めて食べることが増えた。
大学の頃から去年までも同じように、クリスマスは恋人と、家族との時間は年末年始、というようにはっきり分かれ、ピザとペンネではなくレストランでの食事や恋人からのプレゼントがメイン。
今年もクリスマスは恋人と過ごすことになりそうだけど、久しぶりにお母さんのピザとペンネが食べたい今日この頃だ。
自分が成人して、社会人になって、恋人とも真剣に付き合うようになって、結婚やら妊娠を周りの友達がちらほらし始めると、無性に「母親」というものが恋しくなる。
学生時代にカラオケオールやら馬鹿な飲み方をしてた友達も、みんな仕事の話や結婚の話が多くなった。
私はまだ子供のままでいたい。
仕事をして、お金をもらって、恋人を作り、結婚し、家庭を持つ。
自分1人分ではなく、仕事や家族という責任を負わなければならない。
きっと大人になるってそういうこと。
まだまだピザとペンネが恋しい私が、ちゃんと大人になれる日はくるのだろうか。
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