大人の基準


長年私と父の間には深い深い溝があった。

が、最近妙に仲良くなってしまった。

家族なのだから別に仲良くなっていいんだけど、過去の関係性を思い返すと不思議な気分だ。

まあそれは置いといて、今回私が「ああ、私って大人になったんだな」と思った出来事について話していこう。


父と母が離婚して、二度飲みに行ったことがある。

一度目は私が誘って、二度目は父からだった。

どちらも父が全部払ってくれたが、次はお前も出せよ!と笑いながら言っていた。

そのときはまあ飲み代ぐらいは出さなきゃね、と思っていたが、次に実家で飲もうと誘われたときに衝撃的なLINEが来た。

「食べ飲み放題1500円でいい?」

あれ、家で飲むんじゃなかったっけ?と聞いたら、家で飲む料金が1500円だそうだ。

いやいやいや、料理とお酒を用意してくれてるとはいえ宅飲みで娘からお金取る?え??と思っていたら、

「おにぎり3個付きです。」

と返ってきた。私にとっておにぎりの有無はそこまで大事じゃない。

そもそもおにぎり3個も食べきれないのでその旨を伝えると1000円に値下がりした。


昔の私だったらこれを言われて

『いやケチにもほどがあるだろ!実家でごはん食べるのにお金払うなんてことある!?そんな親見たことも聞いたこともない!』

と相当鼻息荒くしていたと思う。というか一瞬はそうなった。

でも落ち着いて考えてみると、母方の祖父母宅に集まるときはたいてい姉弟(母と叔父叔母たち)でお金を徴収してお母さん(おばあちゃん)に払っていた。

私もついに、徴収される年齢になったのか。

そう考えると父に向かってケチ!と怒っていた自分がすごく子供に思えた。


ちなみにこれを母に伝えたら、あり得ない!ケチにもほどがある!と言っていた。

きっと母は私のことをまだ子供だと思っているからだろう。

父は私のことを大人として扱っている。

今まで父のことを親だと思って接したことがあまりなかったから、父親に大人扱いされた!というよりは、知らんうちに友達が増えたような気分だ。



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