いろいろあってバッサリ髪を切った話。
美容室に行くのは半年ぶりだ。
もともと髪質が強いのもあって、セットしなくてもそれなりに見える髪型を伸ばしっぱなしにしがちな私。
最近は前髪を伸ばし始めてから余計に美容室へ足を運ぶ回数が減った。
昔は前髪を自分でチョキチョキ切ってたせいで、ある程度の長さになると野暮ったくなった。
それに我慢できなくなってパーマをかけたりちょこっと髪を切ってみたりしていたが、前髪が流せるようになるとそれも不要になる。
だいたい前髪をわっしゃーとかきあげればいい感じのお姉さんになるから(と信じてる)。
そんな美容室に縁遠い私が今回足を運んだ理由は、ミルボンが主催している「#私が美容室に行く理由」のコンテスト企画のためだ。
優秀賞のヘアケア商品狙いが半分、半分は最近仕事がマンネリ気味な自分を変えたかった。
きっと女の子という生き物は、服装やメイク、アクセサリーによってカメレオンのごとく変われる。
見た目はもちろん変わるけれど、そういうことじゃなくて性格や口調も見た目に合わせて変わっちゃうような生き物なんだと思う。
少なくとも私はそのタイプ。
分かりやすく服で例えてみよう。
七五三のお着物、卒業式のちょっと良いとこの服、成人式の振袖、などなど、「いつもと違う自分」になれる服って誰しも1着はあるんじゃなかろうか。
でも髪型って服やメイクを変えるのとは違ってかなり勇気がいる。
それこそ私は向こう半年、下手したら1年間髪型を変えない女の子だったからガッツリ髪型を変えることに抵抗がある。
だから今まで自分を変える手段として髪型を変えることはしてきたことがない。
だからこそ、今回はがらりと変えてみた。
最近ほーんとに仕事をしてて楽しくない。
なにがどう嫌だ!みたいなものはないが、なんとなく楽しくない。
髪型を変えただけで急に仕事ができるようになることはないって分かってる。
分かってるけど、髪型が変わると見える世界も変わると信じて。
今まで髪を染めたことがほとんどなかったので、今回は毛先にハイライトを入れることにした。
美容室の席に通されるまでの数歩も緊張する。
↑黒髪バイバイ記念に1枚撮った。
緊張でちょっと顔付きが強張ってる(笑)
美容師さんに「この髪色で!」と画像を見せ、いろいろ施されながら待つこと2時間弱。
鏡の中にいた私は、
いや画像と全然ちゃうやんけ!!!
理想の色とかけ離れた毛先が出来上がった。
シルバーに近いグレーを希望したのに、鏡の中にいる私はくすんだ金髪の毛先をしていたのだ。
↑煙草も相まってガラが悪い。
こんなことならいっそ染めなければ…と思いながら美容室をあとにした。
今の停滞気味な自分を変えたくて、普段あんまり行かない美容室に足を運んだのにこんな仕打ちはあんまりだ。
だけどきっと難しい髪色だし、染めたことがない私の髪質だと尚難しいことは予想できたから美容師さんを責める気にもなれない。
ちょうどそのあとにお茶をする約束があったので、友達に慰めてもらった。
「その髪色もかわいいじゃん!」と優しい友達は言ってくれたが、私が可愛いと思えない髪色ならそれは可愛くないのだ。
友達と解散した後、仕事中で外回りをしていた彼氏とバッタリ会ってしまった。
実は髪を染めることを彼氏には反対されていた。
反対というか、「本当に染めるの?自分が思ってる通りにいかない可能性も考えて染めなよ?」と諭されていたので、とてもとても会いたくなかった。
だけどエンカウントしてしまったので仕方ない。
彼は仕事中だったので職場の先輩と一緒だった。
はじめまして、と挨拶をしながらも考えることは自分が惨めで情けないということばかり。
こんな髪色でスミマセン、いや〜ちょっと失敗しちゃって、へへへ。
そんな自虐ネタを言う元気も勇気もないし、なにより「先輩の前で“彼氏の可愛い彼女”を演じ切れなかった自分」に落ち込んでしまった。
彼は彼で「結構明るくなったね〜でもまあいいんじゃない?かわいいよ」と言ってくれた。
だけど私が可愛いと思えない髪色は可愛くないし、自分自身に失望してるし、うまく笑えない。
職場に戻る彼らと別れ、私はある決心をした。
もう全部切っちゃおう。
幸い毛先しか染めていなかったので、もういっそのこと切ってしまいたくなってきた。
1000円前後でカットだけしてもらえる美容室を適当に選ぶ。
ちょうど歩いていける距離にあったので、羊文学の「変身」を聴きながら向かった。
さすがに染める前に聴いてたような気分では聴けなかったが、少し楽しくなってきた。
だってショートなんて3年ぶりだし、今までロングやセミロングばかりだったもの。
羊文学が歌うように、正真正銘の大変身だ。
本日2軒目の美容室(というか床屋?)に着くと、事の顛末を話し、バッサリ切ってもらうことになった。
紫頭の優しそうなおじさんが私の髪にハサミを入れていく。
髪を染めたときとは違って、緊張というより「どうなっちゃうんだろう!?」というワクワク感で待つこと1時間。
この判断は正解だった。
↑髪を切った直後に意気揚々と撮った自撮り。
若干金髪部分は残るものの、ほとんど全部切ってしまった。
そして人生初のワンレンボブ。
自分で言うのもアレだが、人生初にしては似合ってるんじゃないかな。
1日のうちに全く違う自分に2回も出会えたのでちょっとおもしろい。
しかもワンレンボブのお姉さんって仕事が出来そうに見える。
次の出勤が楽しみになった。
ここまで長々と私が髪をバッサリ切った話をしてきたけれど、美容室選びは大事だよ!なんて薄っぺらいことが言いたいんじゃない。
なんならショートにしたところは美容室かどうか怪しいし。
今まで頻繁に美容室通いをしなかったから分からなかったけど、髪って思ってた以上に自分の中身まで変えてしまうんだな、と気付いたのだ。
思った通りの髪色にならなかっただけでうまく笑えなくなったり、逆に自分に似合う髪型を見つけたらただの日常が楽しみになる。
そして服やメイクを変えるよりも、大胆に変わった(気がする)。
なかなか変えられないくせに大きく印象を変えることが出来る「髪」だからなんだろうな。
今まではなんとなくで行ってた美容室だけど、これからは「自分を大変身させるため」に行くことになりそうだ。
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