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男性たちが男性問題として語ること。「Don't be Silent #変わる男たち」のその後に向けて

2021年2月6日に配信した「 Don’t Be Silent #わきまえない女 ​ たち」に続き、2月9日に予定していた「変わる男たち」。番組の仕切り直しを決めてから約1ヶ月間、多くの方と番組に関する意見交換をいたしました。「変わる男たち」の配信を企画し仕切り直しした趣旨は前回のnoteで書かせていただいたとおりです。

「わきまえない女たち」に出演いただいた方、「変わる男たち」に出演予定だった方、Twitter等で番組に対してご意見を下さった方を含め、およそ20名の方々一人ひとりにCLPスタッフがお話を聞きました。みなさんお忙しいなか時間を割いて下さったことに心からお礼申し上げます。

「男性優位社会」を変えていくために何ができるのか、私たちもみなさんとともに1ヶ月間考えました。このnoteでは、伺ったご意見を紹介し、私たちがこの間考えたことや今後の予定をお伝えしたいと思います。

タイトルと告知の仕方について

森喜朗氏の女性蔑視発言で、改めて、この社会の問題が炙り出されました。前回のnoteにも書いた通り、私たちは、男性こそがこの問題を「男性の問題」として捉えることが必要だと考えました。(以下は企画の告知です。)

それに対し、こうした場が必要であるというご意見と同時に、企画のたて方について以下のようなご意見をいただきました。

・「問題視したのは、”男性が集合的に集まること”と”変わる男たち”というラベリング。男達がアップデートされたのをご覧くださいというふうに受けとった」

・「連帯した男たちが共同声明を出すように受け取れる告知だった。そういう”群れ”みたいなものの一部にどうやったらならないかということはずっと気をつけてきたことだった」

・「女性たちが自分の話がまだ聞かれていないと思っている状況で”加害者の語りは”となると、女性の声がまだ響いていないのにもう男性の番かとなる」

こうしたご意見から、告知の仕方やタイトル付けに問題があったこと、趣旨に関する私たちの説明が不十分だったこと、そして「既に変わった男たち」が連帯してアピールする場として受け止められたことに気づきました。また、女性の声がまだ十分に聞かれないうちに男性の声を紹介しようとしたことは、時期尚早だったとも反省しました。

仮に男性だけの番組を行うとしても、丁寧な趣旨説明が必要というご意見や、出演者の人数を絞って議論すべきではないかというご意見もいただきました。「わきまえない女たち」の回のように一人あたりの話す時間が短いリレー方式で行ってしまうと、男性たちの安易な反省会になったり、「言いっぱなし」になる恐れがあります。

男性がこの問題を語ることについて

意見交換を通して、改めて、男性がこの問題について話すことの重要性を認識しました。私たちが持つ問い「“男性が変わらないと社会は変わらない”という現実を前に、私たちに何ができるのか?」「男性がこの問題を自身の問題と捉え、それを語ることがいかにして可能か」についてもお話を聞きました。頂いたご意見のなかから一部をご紹介します。

・「相対的にも社会的にも優位性がある人たちの、それでも間違っている部分というのを明らかにすること自体は意義がある」

・「普段本当に腹が立つのが、男性があたかも日本社会全体を代表しているかのごとく話すこと。男性が男性のことを喋っていますという場合であればいいと思います。やっぱり男社会は男が作ってきた。維持してきたのは彼らです」

・「状況を俯瞰して整理するという語りよりも、自分たちが女性たちの問いかけを受け、そこからどう語ればいいのかわからないもどかしさを抱えながら、それでも話してみないかという企画でありたい」

・「こういうことが批判されている、それはこういうことなんですねと要領よく器用にやってしまうこともできると思うが、そういうことなのかなという思いも正直ある。難しいけれど時間をかけてうねうねしながらやっていくことも大事」

・「加害側として語っていくということの難しさに慣れていくべき。『謝ればいいんでしょ』『頭をたれていればいいんでしょ』などそういう話ではなくトレーニングされていくべき。でもそういった場が実はない」

みなさんの言葉を受けて、いま頭のなかをめぐるのは、この問題に対し「すぐに言葉にできなくてもいい」という思いです。俯瞰的に「状況を理解している」姿勢を示せなくても、上手ないいまわしができなくても、時には間違っても、言葉を交わしていくことから始められたらと考えています。

今後の予定

私たちは、まさにそういう場を社会に作っていきたいと考えます。この問題について、定期的に継続的に番組化していく予定です。まずは4月にも、「わきまえない女たち2」を企画し、そこで今回の「変わる男たち」企画の検証を行いつつ、男性優位社会を変えていくためにどんなことができるのかを議論していきたいと考えています。また、その際はジェンダーやフェミニズムの専門家もお呼びし、専門的な知見をお借りできればと思います。

そうした「わきまえない女たち」の回を重ねたうえで、男性たちがこの問題を語る番組を実現したいと思います。専門家に混ざってもらったり、出演者は少人数にしたりして、経験に基づきじっくり話を深められるように工夫できたらと考えています。

そのうえで、私たちは、この問題を「男性 / 女性」の枠組みに押し込める立場や、シスヘテロ(生まれた時に割り当てられた性別に違和感がない、異性愛者)二元論の議論を問い直すことを目指します。

改めてChoose Life Projectとは?

最後に、私たちがどういう団体なのか、お伝えできたらと思います。
中心メンバーは、代表の佐治洋をはじめ、普段は報道現場で働くもの、ドキュメンタリー等を作る映画監督、広報の仕事をしているものなどで8人。告知バナーを制作するデザインチームは2人。そのほかのデザインを手掛けるものが2人です。さらにChoose大学は研究者が担当・監修してくださったり、政治分野の企画をお伝えする際は報道の政治部出身の方がアドバイスをくださったり、プロジェクトごとに多くの協力者に関わってもらっています。

また、コラボ企画と銘打っているもの以外はすべて「Choose Life Project」が企画し責任を負うもので、出演者も私たちが責任をもって決めています。(コラボ企画については、出演者をコラボ団体の案のまま行う時はありますが、もちろん、内容面含めて協議したうえで、私たちが責任を持って発信しております)

これからも「自由で公正な社会をつくるために」、人々が学び合い、議論をしに集まれる”広場”を作っていけたらと思っています。


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