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編集者 小林えみさんによる選書 「Don’t Be Silent #わきまえない女​ たち2」

4月24日(土)に、配信を行った「わきまえない女たち2」。哲学研究者の永井玲衣さん、政治思想研究者の岡野八代さん、編集者の小林えみさんにご出演いただき、2月9日に配信予定だった「変わる男たち」についての問題点を検証したうえで、男性中心社会をどうしたら変えていけるのかを考えました。

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小林さんは何冊かの本に触れながらお話してくださいましたが、このnoteでは、それ以外のものも含めた小林さんからのお勧めの17冊をご紹介します。

男性にもまず読んでほしいフェミニズム本ならこの1冊!

1.  栗田隆子『ぼそぼそ声のフェミニズム』作品社 2019年
小林さんからの一言「声にならない声もあることを知ってほしい」

現状を知る

2. 雑誌『エトセトラ』vol.4 エトセトラブックス 2020年
小林さんからの一言「女性が声をあげたときに起こるバックラッシュの特集号」

3. 南川文里『未完の多文化主義 アメリカにおける人種、国家、多様性』
東京大学出版会 2021年2月
小林さんからの一言「この本はジェンダーが主題ではありませんが、多文化主義の(アメリカにおける)歴史と今後の展望について学ぶことで”多様なあり方”を考える一助となる」


4. レベッカ・ソルニット著 渡辺由香里訳『それを、真の名で呼ぶならば 危機の時代と言葉の力』岩波書店 2020年
小林さんからの一言「声なき声に力を与えるのも、また言葉。きちんと見て、聞いて、それを拾い上げて言葉にすることの大切さを知る」

5.  鈴木彩加『女性たちの保守運動 右傾化する日本社会のジェンダー』
人文書院 2019年

小林さんからの一言「ジェンダー・フェミニズムの話はリベラル界隈の意見を中心に考えがちだけれど、保守からみるジェンダーを丁寧に追った好著」

フェミニズムを学ぶ

6. ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』エトセトラブックス 2020年
小林さんからの一言「フェミニズムを学ぶ基本書としてどうぞ!」

7. レベッカ・ソルニット『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』
左右社 2021年1月

小林さんからの一言「こういうことが女性に起きていること。女性がいかに口をふさがれているか、堪えたくない問いを日々受けているか」

多様なジェンダーを考える

8. 井手上漠『nomal?』講談社 2021年4月
小林さんからの一言「はっきりと意見を述べるZ世代のひとり。オピニオン編と井手上さんが呼んでいるパートをしっかり読んでみてほしい」

9. 青弓社編集部(編)『「テレビは見ない」というけれど エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読む』青弓社 2021年4月
小林さんからの一言「ジェンダーについて周囲とどのように話したらよいか。この本に登場するような共通コンテンツの感想戦からだとお互い話しやすい」

男性性について学ぶ

10.  田中俊之『男性学の新展開』青弓社 2016年
小林さんからの一言「2009年の本なので、研究や著者の知見はまた進化しておられると思うが、男性学の研究についてコンパクトに知るにはオススメ」

 11.熊谷謙介 編著『男性性を可視化する』青弓社 2020年
小林さんからの一言「少し学術書寄りだが、さまざまなアートにおける男性性が分析されており、男性性の概観と表象についてしっかり知ることができる」

私たちは他者とどう生きていくか

12. 岩淵功一『多様性との対話』青弓社 2021年3月
小林さんからの一言「ジェンダー、社会問題の多様性とどのようにつきあっていくか。”多様性”が謳われる中で逆に見えにくくなる問題についても検討されている」

13.奥田知志『「逃げおくれた」伴走者 分断された社会で人とつながる』
本の種出版 2020年

小林さんからの一言「著者は牧師であり、さまざまな社会・人間の問題に関わられる中で、主にホームレス・貧困支援にとりくんでいる。その人・社会との向き合い方はジェンダーのことを考えたり、実践に取り組むうえで参考になる」

14. 東畑開人『居るのはつらいよ』医学書院 2019年
小林さんからの一言「ケアをする側、される側、というのは一見立場が違うようでいて、その境界はあいまい。だれしもが当事者であることの、良きあいまいさ、”居るだけ”の価値を面白く読むことができる」

15. 伊藤亜紗『どもる体』医学書院 2018年
小林さんからの一言「ままならない身体と生きていくということ、そうした、”違う”けれど”同じ”、”同じ”だけれど”違う”、それぞれの自分自身、また他者を知るということ」

16. 村木厚子・今中博之『かっこいい福祉』左右社 2019年
小林さんからの一言「社会という”制度”と多様な当事者をどのようにマッチングしていくか。(制度にどのように柔軟性をもたせていくか)”かっこいい”というキーワードで支援の新しい在り方を考えていく」

少しずつ進化している…?

17. マイク・グレディ『主夫と生活』アノニマスタジオ 2014年
小林さんからの一言「約40年前に人気記者であったグレディ氏が主夫業を体験。その当時の様子がリアルに楽しく伝わってきます。また、このエッセイに付された伊丹十三氏の対談、2014年の新装版に付された内田樹氏による解説も含め、2021年の今、これをどう読むか」



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