ポストバイオティクス

現在、微生物叢を調節できる主な方法は3つあります。その内の二つはすでに市場にも浸透しているプレバイオティクス、プロバイオティクス(あるいは両方組み合わせる場合はシンバイオティクス)です。三つ目のポストバイオティクスは近年新しく議論されるようになった定義であり、統一的な定義がまだ確立されていません。一つの考え方としてポストバイオティクスには、微生物の代謝活動によって放出または生成される物質が含まれ、直接的または間接的に宿主(ヒト)に有益な効果を持つものと捉えられます。ポストバイオティクスは微生物の代謝活動によって放出または生成される物質となりますので、生きた微生物は含みません。そのためプロバイオティクスとは明確に区別されます。また腸内細菌は食物繊維などのプレバイオティクスを変性、発酵して短鎖脂肪酸等を産生しますが、この関係性において、プレバイオティクスを代謝して産生されるものがポストバイオティクスとなります。

例えばダノン社のアプローチはプレバイオティクス混合物(ガラクトオリゴ糖/フルクトオリゴ糖)とポストバイオティクスを組み合わせます。同社のInfant Milk Formula (IMF)では、特許発酵プロセスで産生される3‘-ガラクトシルラクトース(3’-GL)をポストバイオティクスとして用います。この3’-GLはヒトの母乳に含まれる3’-GL HMOと同一の構造を持っています。こうしたプロバイオティクス、プレバイオティクス、(シンバイオティクス)にポストバイオティクスを加えた統合的な免疫機能構築スキームが近年のトレンドとなっています。



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