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マイクロバイオームの市場機会

マイクロバイオータ(microbiota)はある環境における微生物を指し、マイクロバイオーム(microbiome)は微生物が持つゲノム情報の総体を示す用語です。身体のなかには、星の数ほどの微生物(もしくはゲノム情報)が棲んでいるとされており、この微生物は、人が生きていくために食べ物の消化吸収を手伝ったり、免疫力のバランスの調整をしたり、肌荒れや病原菌の侵入を防いだり、さらには人々の感情や思考にも何かしらの影響を与えていると考えられています。微生物学の急速な発展によってヒトのマイクロバイオームの驚異的な生態が明らかになってきており、マイクロバイオームの研究は加速し、様々なアプリケーション領域で開発が進んでいます。今世紀に入ってからの微生物学の急速な発展によってヒトのマイクロバイオームの驚異的な生態が明らかになってきており、マイクロバイオームは今、ホットなテーマの一つといえる分野です。しかしながら腸内細菌叢の生態メカニズムは複雑かつ多様であるため、標準化して捉えることが難しく、製品実用化に向けた課題も数多くあるのが現状です。次世代DNAシーケンシングベースのメタゲノムは、マイクロバイオーム研究の主要な手法としてすでに確立されていますが、包括的な品質管理および定量化のための測定手法の確立という視点では、まだ不十分であると考えられます。何故ならマイクロバイオーム研究で扱われる微生物は生き物であり、再生医療が生きる細胞を扱うがゆえに標準化が難しいという同類の理由でマイクロバイオームも定量化が難しい領域でもあります。またマイクロバイオームに関するデータが大量に取れるようになった一方で、これらの氾濫するデータ群を研究者間で効果的に情報共有化することが課題になっています。シーケンシング技術はより開かれたシステムにしていかないとマイクロバイオームの多様性と対峙することが難しくなります。5G、クラウドコンピューティング技術、AI技術を深めることにより、データドリブン型のスキームから消費者も巻き込んだ、よりオープンな参加型のデータマネジメントシステムの構築が有効と考えられます。

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