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やっと聞けた就職先

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[登場人物]

・私 (都会で夫と二人暮らし)
・夫

・お義父さん(夫の父・地方でお義母さん、弟と3人暮らしだったが2023年夏前に他界)
・お義母さん(夫の母)
・弟(夫の弟・無職・実家暮らし)

・叔父さん(3人兄弟のお義父さんの弟・妻と同地方で2人暮らし・子供なし)
・叔父さんの妻(叔母さんが2人出てくるので叔父さんの妻とする)

・叔母さん(3人兄弟のお義父さんの妹・嫁いで同地方で夫と2人暮らし)

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「あ」
夫が見た先を見ると、ipadに叔父さんから電話がかかってきている。
また電話きた…
そう思っていた私の横で夫は通話ボタンを押した。

私の携帯にかかってきた時と同じで、
初めは叔父さんの妻が話だした。

「〇〇(弟)が仕事を始めたから、仕事してる間は私がお義母さんを見に行ってるんだ」
「いつそっちにお義母さんを引き取るのかわからないから、いつまで私達も世話することになるのか」
「私達ももう歳だしゆっくりしたいんだ」
「それで〇〇(弟)の夜勤が始まるって言ってるけど、夜まで見れない。」
「介護の申請どうのこうのがはっきりしないと手続きできないと〇〇(私)が言っていたけど、
それはそっちに引き取ってからではできないのか」

結局は、
今までお義母さんを見に行っていたのだけでもしんどいのに、
急に夜勤が始まると言われてもうこれ以上面倒を見たくないと慌てている。
介護認定の結果を待たずに今週来週に引き取れないのかという内容だった。

結局、弟に叔父さん夫婦も振り回され、慌てているのだ。

夫は
「介護認定の結果を待たずにこちらに来るのなんか無理。
今受けてる介護サービスの事業者やケアマネージャーさんにも、突然契約を切ることになって迷惑がかかるし、色々な手続きもあるから」
と、普通に考えれば誰でもわかるような事を説明するが、
また叔父さんの妻は、「ちょっとまって」と叔父さんに電話をかわる。
そして叔父さんにもう一度同じ説明をする。

叔父さんの妻は、質問だけしておいて理解しようという気が一切ないから、正直もう電話かけないで欲しい。

度々説明する夫に、そうかと納得しない叔父さんはまた同じ事を話す。

「私達ももう歳だしゆっくりしたいんだ」
「お前達の都合でお義母さんの引き取りを待たされてる間、実家に労力もお金も使わされ続けている」
「夜勤が始まるのも急なことなんだから、こちらの都合も聞いい加減お前達は聞かないといけないぞ」

私達はこれまで自分達の仕事の都合で引き取りを待たせているとは一言も言っていない。
単なる介護サービスや介護認定の都合なのだ。
認定の再調査を依頼したことで1月半程遅れてはいるが、
弟が急に働きに出てしまう事なんか想定していなかった。

私は電話に思わず割って入った。
「あの、私さっき弟さんとの電話で、
もし本当に夜勤をお願いされたとしても
どこの会社で働いてるのかも聞かせてもらえてませんけど、
こちらの事情でお義母さんがひとりになる事情を説明して、
私達が引き取るまで夜勤に入るのを待ってもらうようにお願いして欲しいって伝えたんです。」

すると叔父さんは

「〇〇(私)さん、あんたいつそんなに偉くなったんだ、なんでそんな事を〇〇(弟)に言えるんだ!」
「せっかくのご縁で働かせてもらえる所が見つかって本人は一生懸命働いているのに、
働き先にそんな偉そうな事〇〇(弟)に言わせるつもりか!」

え?

私「いえ、偉そうな事でもなんでもないです、
普通に働き方について本人が雇い主と交渉するのはあたりまえの事ですよ?」
叔父さん「せっかくのご縁で今〇〇(弟)が働かせてもらえてるのがどんなにありがたいことかわかっとらんのだ!」
私「それならなんで私達は働き始めたことを本人から教えてもらえないんですか?
なんでそんな大事なこと言わないんですか?
そもそも〇〇教(一家が信仰してきた宗教)の修行に行くって言う事で私達はそれまで弟がお義母さんについてると思っていたのに、
なぜ修行に行かないことになったんですか?なぜ修行がダメになったのかも聞いてないですよ!」
叔父さん「ダメになったわけじゃないけど今はありがたいご縁で働き出したんだから今のことを考えんといけんのだ!」
私「じゃぁどこで働いてるんですか?そこすら私達聞いてないですよ!」
叔父さん「聞いてない聞いてないって、お前達が連絡してこないから言わないんだろ!」

じゃぁ数日おきに私達が弟に電話して安否確認的なことをして逐一弟の生活の変化を察知しないといけないのか?
叔父さんは一家の恥だと思っているのか、修行がダメになったことを誤魔化すように話す。
修行がダメになったから焦って仕事を探したのだろう。
もう正直弟の事はどうでもよくなった。

私「そんなの本人の生活で変わった事があれば自分から連絡してもらわないと、こちらも気付けないですよ?
私も話す度に何度も何度も言ってきましたよ?何かあったらすぐ連絡するようにって!
仕事の事で何かあっても本人が自分できちんと話せないと今後ずっと働くの無理ですよ?」

叔父さん「そんな何を上からものを言うような言い方するもんじゃない!
あの子(弟)がどれだけ家のために頑張ってきてるか、
お前達はわかってないからそうやって自分達の都合で夜勤させるななんて偉そうに言えるんだ!
あの子はずっと働けてなくてやっと今偶然や縁が重なって働けることになった所なのに、
そんな事言って仕事がダメになったらどうするんだ!責任とれるか?!」

私「それなら弟が仕事で何かある度に家族が出ていくんですか?
それなら仕事したって一生弟についてあげないといけなくなりますよ?一生自立なんかできないですよ」

叔父さん「(呆れたように)そういうことを言ってるんじゃないだろ!
そんなに言うなら〇〇(私)が電話して夜勤のこと交渉してやれ!」

なんで弟の雇用に全く関係のない私がしゃしゃり出てきて「夜勤やめてください」なんて言わないといけないのだ。
弟は子供じゃないんだ!

私「わかりましたよ、電話しますからじゃあどこに働きに行ってるか教えてくださいよ。でないと電話できませんよ!」
叔父さん「それはあの、近くのとこだ」
私は夫に「近くに介護施設とかある?」と聞くとあるという。
弟は車もなく自転車も乗らなくなっていたため、徒歩圏内というのは把握している。
私「どこですか?わからないです!」
叔父さん「あの、、〇〇(介護事業所)だ。」

夫はぽつりと、
「それお義母さんがデイサービスを受けてる所だね」

え??

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