40代からの不妊治療
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[登場人物]
・私 (都会で夫と二人暮らし)
・夫
・お義母さん(夫の母・お義父さんの急死により2023年秋から同居後、2024年2月に老人ホームに入居)
・お義父さん(夫の父・地方でお義母さん、弟と3人暮らしだったが2023年夏前に他界)
・弟(夫の弟・成人後職歴無し・お義父さんの死後、うつ病.統合失調症を発症し保護入院→グループホーム入所)
・叔父さん(3人兄弟のお義父さんの弟・妻と同地方で2人暮らし・子供なし)
・叔父さんの妻
・叔母さん(3人兄弟のお義父さんの妹)
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子供は欲しいか、欲しくないか、と聞かれれば
欲しくない、寄りのどっちでも良い。
と答えていた。
他人の子供は嫌いだし、街中で見かける子供ににっこり微笑むなんて、
一度もしたことがないが、
もし妊娠したら自分の子供はさすがに愛せるんだろうと、思っていた。
でもこの考えが、到底間違っていたことに気づいたのは、
不妊治療を始めてしばらくしてからだった。
私たちは2022年から不妊治療が保険適用になったという事実は調べて知っていたので、金銭的な負担は問題なさそうだと、
私と夫は近くの不妊治療を行なっているクリニックに予約をとり、
初めて病院を訪れた。
はじめの診察で、
「年齢的にも困難な年頃にはなっているので、遅いのはわかってるんですが、とりあえず不妊治療しても妊娠できる体かどうかを調べたい」
と先生に伝えると、ではまず検査をしましょうという話になった。
夫は採血し、私は採血とエコーなど。
血液検査の結果が出る頃、再び診察室に呼ばれた。
そこで先生からは、とくには問題はなさそうだから不妊治療をやってみても良いかもしれないと。
ただ、問題は私の年齢だった。
体外受精による保険適用は実は年齢制限があり、43歳の誕生日がくるまでだった。
この時私は42歳で8月後半。そして私の43の誕生日が来るのは1ヶ月半後の10月あたまだった。
私たちは保険適用に年齢制限があることは知らないまま来て驚いているのに、でも先生は知ってて当然かのように、淡々と話す。
え。もう無理じゃあ…
そう思うと、先生は
普通はタイミング法→人工授精→体外受精へと、ステップアップしながら治療を行うのが普通ですが、保険適用までの時間がないので、
いきなりですが体外受精を1度やっておいて、その後のことはその後に考えても良いかと思います。
と言ったが、
先生からの説明と、いきなり体外受精だの、保険適用のチャンスが1回きりしかないだの、いろんな情報で思考が止まる。
でもこれで、ちょっと考えます。。と尻込みしてしまうと
また同じでなにも動けなくなってしまいそうだったので、やるしかなかった。
もう検査もしてしまったし。進むしかない。
そこからはこの1ヶ月半のうちに私は通院をなんども重ねていった。
子宮のポリープ除去(半日手術)も行った。
高血糖で自費の高い薬も飲むことになった。
ある日、先生からまた衝撃的なことを言われた。
「検査でさらに詳しくみたところ、精子不動化抗体があることがわかりました。」
精子不動化抗体 (抗精子抗体)
精子の活動を抑制してしまったり、受精する過程で、胚が分割して細胞分裂していくのを阻害してしまう抗体
私は子供ができにくい体だった。
そっか。
「もし妊娠したら自分の子供はさすがに愛せるんだろう」だなんて、
なんて思い上がってたんだろう。
自分はいずれ妊娠するんだろうと、
思い込んでいたことにその時気づいた。
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