Let'snote CF-NX3 のBIOSパスワードロックを解除した話
みなさんこんにちは、長南です。
今回は占い・オカルト関係ない話で恐縮ですが、事情があって有料設定の記事を書き残しておかなければいけないので、非オカルトな話だけれどもnoteを使わさせていただだきます。
たまに発症する「ジャンクPCいじりたい病」
私のことをある程度知っている方は、私の本業がIT分野のお仕事だということを知っているかと思います。そんな仕事をするとたまにヘンなスイッチが入って「誰得」なものに手を出したりすることがあります。
この記事では触れませんが最近手を出したのはこちらです。
この「MT-E10ZN」は防水やショックに強い設計でお子様にも安心と思いきや、重量が1.3kgという体力づくりに最適なんだけど、実用性が出るかどうか微妙なスペックのマシンで、中身をUbuntuに入れ替えたのですが、Ubuntuのニュースメディアに寄稿するまでもなく燃え残り感が否めない感じの機械でした。
久々のジャンクPC案件
残尿感がある感じで秋葉原を流してみると、GENO QCPASS さんでワケ有りの機種が売られていることを知りました。個人的にLet'snoteを使う機会がなかったので興味そそられる感じです。
店頭に偵察に行くと、いくつかの機種のLet'snoteが置いてあったのですが、どれがジャンクPC趣味的にオイシイのかよくわからないので、下調べをしてみました。
なるほど、Let'snoteは販売時期によってメモリ増設ができたり(マザーボード直接実装で)できなかったりするわけですが、GENO QCPASS さん店頭に並んでいた機種の中では、CF-NX3 がよさげで、ストレージにSSDを準備してメモリを最大の16GBまで積めば実用的なものになりそう ( BIOSパスワードかかってるけどな ) というところで、購入してみました。
ファースト・インプレッション
持ち帰って動作確認すると、確かにBIOSにはパスワードロックがかけられていて、設定を変更することができない状態ですが、USBメモリやSATA HDD/SSDから起動することはできそうで、BIOSロック状態でも使えなくはなさそうだったので、SSDを着けてWindows 10をインストールしてみました。
こんなんでええんかいな的な感じでWindows 10はインストールされ、ライセンスもBIOS上のデジタルライセンスでWindows 10 Pro としてライセンス認証状態になっています。まあ使えなくはないかなと思っていたのですが、地味にBluetoothが使えなかったりしています。ハード的に不具合がある可能性もありますが、BIOSの設定で無効化されているということもあるので、やはりBIOSのパスワードロックはなんとかしたいところです。
BIOSパスワードをクリアするために
ということで、いろいろ調べてみましたが、BIOSパスワードロックを解除する方法としていくつか方法が紹介されていますが、巷で出回っている方法の多くはうまく動きません。それぞれの手法とその問題点を掲げておきます。
マザーボード上の CMOS に電源を提供している電池を抜くとパスワードリセットされる
→ 最近のマシンは BIOS の NVRAM 部分にパスワードを持っているので電池を抜いてもパスワードはリセットされない
マザーボード上のリセットジャンパを短絡させCMOSをクリアしパスワードをリセットする
→ 電池抜く手法と同じだけれど、NVRAM領域に干渉できないのでパスワードは消えない
マスターパスワード的なものを使って解除する
→ 今どきそんなザルのような仕掛けはちょっと社会的に受け入れられないしマスターパスワードとされるものも通らなかった
BIOSの解析ツールcmospwdを使って設定したパスワードを調べる
→ 調査してはじめて分かったのですが、パスワードは入力された状態のものが保存されているわけではなく(おそらく)SHA1ハッシュで格納されているので解析して調べられるようなものではない
→ CMOS, NVRAM を消去するオプションが用意されているが、起動に必要なUEFI関連のデータも消してしまい文鎮化するので使用できない ( cmospwd の説明でもノートPCでは使うなと書いてあった )
BIOSチップの特定のピン同士をショートさせる
→ 誤動作でパスワードチェックをスキップすることに賭ける方法だけどあまりにリスクが高い。普通に壊れます。
ROMリーダーライターを準備してBIOSチップからイメージ取得、BIOSロックがかかっていない個体で取得したイメージを書き込む
→ 起動時にパスワードを要求されるようなときにはROMリーダーライターを使う必要があるのですが、今回はHDD/SSDあるいはUSB起動が可能なのでBIOSイメージの読み書きはできそう
→ BIOSロックがかかっていない個体のイメージを入手する方法が困難。ただROMイメージをもとにパスワードを調べたり、パスワードを消去したものを書き戻すことができればそれが一番スマートな方法かも
→ 仮にうまくいったとして、BIOSに格納されている Windows のライセンス情報もコピーされるので、もしかしたらライセンス的に問題があるかも
この記事が存在するということは、私は OS が起動できる CF-NX3 について BIOS ロックを解除することに成功したわけですが、いろいろ調べてみると、BIOSのパスワード解除を有料で請け負う業者さんが存在するようです。私が調べた方法を書いてもよいのですが、パスワード解除業者さんの営業妨害をしたいわけでもないので、有料で書き残しておきたいと思います。おさらいすると
Windows が起動する Let'snote CF-NX3 の BIOS パスワードロックを解除する
BIOSのイメージを取得し、パスワード解除して書き戻すやりかたである
起動しない個体についてはROMリーダー・ライターを使うことで応用可能
もしかしたら他機種のBIOSパスワード解除の参考になるかも
という内容です。正直、ジャンクPCいじりをするのであれば、このあたりの困難を乗り越えること自体が楽しみで答えを書くような記事に興味はないと思いますし、業者さんにお願いするのであれば、そのお金を予算に足して、まっとうな中古PCを購入するほうが割にあうと思います。
また、有料パートに書かれた情報やそれを参考にして作業した結果については一切保証いたしません。どうしてもという方のみ購入いただければ幸いです。
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