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オワコン化した情報商材屋はどこへゆく

「副業、投資で誰でも簡単に稼げる」などと謳ってノウハウを売る「稼ぐ系」の情報商材屋がオワコン化しているという説が出始めている。高額商材が以前より売れなくなったのだそうだ。

その界隈の大手インフルエンサーたちがSNSやYouTubeで同じタイミングで語り始めたので何かしらトレンドに変化があったのだろう。

今回はその背景について解説してみることにする。

増えすぎたプレーヤー

まず基本的なビジネスモデルであるが、情報商材ビジネスの本質とはコンテンツ販売の権利売りである。購入者は販売者の商品をブログなどを通じて再販することで収入を得ることが出来るようになる。つまり、情報商材の購入者はリセラーになることを意味する。

オリジナルの販売者(コンテンツホルダー)は商材が売れるごとに権利収入が得られる仕組みの典型的なネットワークビジネス、要はねずみ講やマルチ商法と似たようなスキームだ。

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再販でネットワークが拡大し、プレーヤー(同業者)が増えればいずれレッドオーシャン化するのはバカでもわかることなのだが、実際SNSでは金太郎飴のように同じようなブランディングをし、同じような発信をするマイクロインフルエンサーで溢れている。

供給量が増え市場が飽和状態になると、価格競争の激化や売上の頭打ちが起こり利益率が低下する。これが稼げなくなった理由の一つと考える。

プラットフォーマーの規制強化

プラットフォーマーによる規制が彼らのオワコン化に追い打ちをかけている。プラットフォーマーとはStripeのような決済代行業者やLINEのことである。昨今、SNS詐欺の増加により、サービスの利用規約が改定され情報商材などの販売の制限が厳しくなってきている。

2023年に情報商材の販売サイトBrainがStripeから取引を停止されたのは象徴的な出来事である。予告なく出金が出来なくなり、情報商材屋たちが困惑していたのを覚えている。運営者は恐らくStripeから別のプラットフォームに切り替えたのだろうが、いずれ法整備がされれば袋のネズミになることは目に見えている。オンラインの決済手段がなくなればウェブでの販売はかなり厳しくなるだろう。

LINEは情報商材屋を始めとした詐欺師にとっては今やマストツールとなっている。SNS詐欺広告の99%がLINEに誘導する内容であるという調査結果もある。ブログやSNSからLINEに誘導するのは、ステップメールなどのMA機能(マーケティングオートメーション)を使うのが目的である。LINEは重要な販売導線であり血流であるため、ここを規制されると活動はストップする。アカウント凍結になれば顧客リストまで失うことになり情報商材屋にとっては大打撃だ

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レッドオーシャン化し、商材販売のパイプを絶たれた彼らはいずれ路頭に迷うことになるだろう。危機感からか、最近では同業者同士で潰し合いするような光景まで見られるようになった。アンチに過剰反応し、法的措置を匂わせて脅す者まで増えている。必死さがよく伝わってくる。

情報商材屋のゆくえ

金太郎飴化した情報商材屋たちが生存に必要な戦略は他者との差別化である。しかし、誰かからノウハウを買って真似ることでしか稼げない彼らに一体何が出来るだろうか。

楽して稼ぎたい、自分では努力もせず金さえ払えばどうにかなると思って情報商材を購入した者たちはまた同じように誰かの真似をし始めるだろう。

そしてプラットフォームの規制により稼ぐ系の商材はもう扱えなくなる。界隈の間では非稼ぐ系に路線変更して規制回避することが生き残りの道という見方もある。モテ系、スピ系あたりが流行るのだろうか。

いずれにしても情報商材の本質はネットワークビジネスなのだから、稼ぐ系だろうが非稼ぐ系だろうがアウトだ。

もしかすると、情報商材ブームの終焉を迎えようとしているのかもしれない。

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