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メモ2 〜俺も女に趣味を押し付けたい〜

はじめに

バイトから家に帰りふとTwitterを開くと、友人たちの激しいやりあいが目についた。


友人A「友人Cの彼女にZepの4枚目を聴かせたい」
友人B「いやツェッペリンは2ndだろうが」

キモすぎる。友人ながら情けない。オタクはすぐそういうこと言う。俺も混ぜてくれ。
ということで、実際問題、友達の彼女にツェッペリンを聴かせるのにどのアルバムがよいか、全アルバムレビューして検証してみようと思います。
みなさんも友達の彼女にツェッペリンを聴かせるときにぜひ参考にして下さい。


まず、参考のため、友人Aと友人Bと僕自身のプロフィールを紹介していきます。

友人A: オルタナキッズ。90年代以前のロックも普通に好きっぽい、多分。ジャズとかプログレとか難しいこと好きがち。

友人B: メタルのオタク。多くのその手の人の例に漏れず、アニソンとかもいける口。ギタリスト的な観点で曲を聴くことが多いそうな。メタルのオタク。 

友人Cの彼女: 会ったことない。マジで知らない。趣味を知らないので、今回は特定の人というより一般的な女性ってことで話を進める。

ぼく: 最近はパンクとグラムロックとガレージばっか聴いてるけど、ミーハーなので有名なものは何でも取り敢えず手に取るし、楽しめる。ただ、大きなジャンルだと、プログレとかはあんまり。楽器とか理論のことに疎い。


ツェッペリンは中学生のときベスト盤を聴いて分からなかったけど、高校生になって聴くとそこそこカッコよく感じた。それ以降あんまり聴いてない。
マジで恥ずかしながらベスト盤と4枚目しかまともに聴いた覚えがないので、今の耳でどう感じるか、シンプルに楽しみ。

1. Led Zeppelin

いきなりどえらいカッコいい。え?マジ?結論これでいいんじゃない?

Apple Musicのレビューには「ブルースロックからハードロックへ」と書かれてるけど、本当にそんな感じ。年代的にも、内容的にも、過渡期なんだろうな感がすごい。

#8 Can't Quit You Babyみたいなブルースの曲もあれば、#7 Communication Breakdownのような気持ちいいハードロックも入ってる。かと思いきやいきなりサイケになったり...。
いきなり好みのドド真ん中が来たかもしれない。

お気に入りナンバー
#1 #4 #8
お気に入り度 5/5
女性に聴かせたい度 4.1/5

2.Led Zeppein Ⅱ

期待の友人Bのセレクション。名前が完全にインターネットのチョケ方と同じ。Led Zeppelin2(ツー)。
1曲目から、そのカロリーにぶったまげた。カロリーってつまり美味さだから。カロリーハーフマヨがノーマルマヨの半分程度しか美味しくないのと同じことです。
この辺はベスト盤で昔聴いてるはずなんだけどな、自分の耳の進化(?)に驚いた。

ギターのカッコよさの種類もそうだし、ボーカルの感じもHR/HMな感じ。1枚目が過渡期だとしたら、ここで完全にハードロックにガチ寄りしてる。
HM寄りのHRとか、メタルとか、そっちのジャンルって僕は良さをカロリーで感じ取ってるところがあって、良いアルバムを聴き通すと二郎食ったあととほぼ同じ状態になるんですが、これはなんかそれになった。

僕はこれマジで好き。まだまだ個別に曲を取り上げて書きたいくらい。でも男に二郎に連れてこられて死んだ目になってる女って本当に不憫に思うので、このアルバムも女に押し付けたいかと言われると、アレです。(女性がメタルやハードロックを特に好きでないと仮定して)。

お気に入りナンバー
#1 #3 #6 #8
お気に入り度 4.2/5
女性に聴かせたい度 3.2/5

3.Led Zeppelin Ⅲ

#1から有名なやつ。改めてちゃんと聴くと破茶滅茶にキャッチーですごいな。多分、ギターリフのところのドラムとの絡みとか、ライブで聴いたら最高なんだろうなあ。ここまでの傾向、ツェッペリンのアルバムの1曲目ってマジで外れない。

アルバム全体で言うと、下馬評では異色のアルバムで賛否両論らしい。まだ聴くの3枚目だけどたしかに、いかにもそんな感じがする。
フォークっぽい曲とか多い?よね?フォーク全然聴いてないんで下手なこと言えないけど。
でもこの路線のツェッペリン全然好きだな。たしかに地味だけど何回も聴いたら好きな曲がもっともっと増えそう。
何回も聴き返すことになると思う。

いわゆるツェッペリンってこうだよね!って像からは遠いけど聴きやすいしあんま汗臭くないし、女性ウケは悪くないかもしれない。

お気に入りナンバー
#1 #6 #8
お気に入り度 3.3/5
女性に聴かせたい度 3.5/5

ここまで書いて筆者は寝落ちし、そのまま2限の半分くらいまで寝ブッチした。俺は....何を...

4.Led Zeppelin Ⅳ

一旦寝て仕切り直し。4はもう言う事ないやろ。マジで有名曲まみれ。俺もたま〜〜〜に聴きます。
久しぶりに聴いて昔より良く感じたのは#3と#5だった。

この流れで聴くと#4 天国への階段の序盤が3枚目のフォーク路線の名残なんじゃないかとか、そんな変遷が分かっておもしろい。ほら、ベストと4しか聴いてこなかったから...
ツェッペリンは彼らが挙げた2や4が有名なことくらいは知ってるんだけど、今のところ納得かもしれない。俺は2の方が好きだけど、一般的には4の方がウケるだろうなあ。
一曲一曲がハードロックやフォークロック、ブルースロックの最高の曲なのに、しかもそれらが最高の並びで入ってる、ヤバいアルバム。


お気に入りナンバー
#2 #4 #5 #8
お気に入り度 3.9/5
女性に聴かせたい度 4.1/5

5.Houses of the Holy

Led ZeppelinⅤ(ファイブ)じゃないんだ。俺だったら4までウケちゃったら5も6も7も作っちゃうけどな。そういうことじゃないらしい。

中身の方はと言うと...やっぱり今までとかなり違った印象を受ける。Ⅲが異色って言うけど、ここからどうなってくかまだ知らないけどこのアルバムの方が異色なんじゃないの?
急にファンクやレゲエみたいな曲が入りはじめて、なおかつ今までの路線のような曲も一筋縄じゃないかないというか、明らかに変な事をしてる。

まず初っ端#2 The Rain Songのアレンジこれどうなってんの?ってなる。調べたらメロントロンって楽器を使ったりしてかなり凝ったらしい。壮大になってく感じと、なっていき方がかっこいい!
あと個人的にヒットしたのは#5 Dancing Days。
最初は普通のロックンロールな感じかなと思ったら、やっぱりヘンテコ。うん?なんかコードに対してメロディがあれ?あれ?ってしばらく聴いていて、気がついたらリフがちょっとずつ変わってて...なんか楽しい感じなのに違和感が解けないまま曲が終わってる。気持ち悪くて気持ち良い、怪作。これに似たような曲知ってたら聴きたいので教えてください...。

特にB面は友人Aが好みそうだけどレコメンドはこのアルバムじゃなくてⅣなんだなあ、と意外に思った。オルタナとかよく聴く人は特に好きになりそうだと思った。女性に勧めたいかと言われると...


お気に入りナンバー
#2 #4 #5 #8
お気に入り度 3.7/5
女性に聴かせたい度 2/5

6.Physical Graffiti

長ェ!超大作である。
Apple Musicのレビューによると「バラエティーに富む」みたいなことが書いてあってたしかにそんな気もする。
でも、これまでやってきたことの範囲内というか、前作のようにLed Zeppelinのイメージの範疇の外にまでバラエティーの幅が飛び出しているようなことはなかったと思う。
たしかにバラエティーに富んでいるけれど、これまでのディスコグラフィーを聴いたうえで聴くと、Led Zeppelinの名の下にそれぞれ何の違和感もなく同居していて、統一感すらある。
ここまで聴いてきて、Led Zeppelinの"理解り(わかり)手"になってきたのかもしれない。

ツェッペリンってどんな「特徴」のバンド?って聞かれて渡すアルバムはこれでいいような気がする。
にしても長い。長くて疲れるし、移民の歌やハートブレイカーみたいなド有名な曲はないけど、大体ずっと好みな曲のうえに曲調も色々だからずっと聴けた感じ。

お気に入りナンバー
#2 #3 #4 #5 #9 #12 #13 #15
お気に入り度 3.7/5
女性に聴かせたい度 4/5

7.Presence

ツェッペリンは色んなことが出来てしかも全部かっこいいぜ!っていうのがよくよく分かった前作だったけれど、今作は基本的にはハードさとブルースで勝負!な感じになっている。

#1アキレス最後の戦い、これが10分超えの大作なんだけど、展開がいくつも用意されていて、ずっとハードなんだけど10分があっという間。
タイトルのクサさも前述のカロリーも、すごくメタル的だと思った。

ここからなんやかんやあって最後にスローテンポでオシャなブルースで〆るのが気持ち良すぎる。
好みによってはベストにあげる人がいなくはないんじゃないかと思う。

お気に入りナンバー
#1 #3 #4 #6
お気に入り度 3.5/5
女性に聴かせたい度 2.9/5

8.In Through the Out Door

ゼェ...ゼェ...やっと最後まで来た。
一応、解散前のアルバムはこのアルバムまで、ということでこのアルバムで終わりとします。ここまで読んでる人いるのか...?

#1を聴いてビックリ。79年リリースということで当然なんだけど、なんだか80年代っぽくない?
69年リリースの1stからぶっ通しで聴いてるからあまりの変化に戸惑う。
前作あたりからその前兆は見えてた感じがしたけど、このアルバムで本格的にそれが確信に変わった。
その点であまり納得いっていないからか、他にもカントリー風の曲があったりするすることに対しても、なんだかアルバムとして雑多だなあ、という感想が出ちゃった。
好きな曲もあるけど、アルバムとして他のアルバムよりは好き度で劣りそう。

お気に入りナンバー
#2 #3 #6
お気に入り度 3/5
女性に聴かせたい度 2/5



番外編.Mothership(ベスト盤)

懐かしい...。ジャケットを見ただけでTSUTAYAのあの臭いがする気がする。

自分は初めてバンドを聴くときベスト盤に手を出すことがままあって、それはそれでいいよね、という派閥なんだけど、結論から言うと、ことツェッペリンは駄目かもしれない。
それは、ここまでレビューしてみて、ツェッペリンは、というかペイジは、アルバムという単位をすごく大事にしているなと思ったからだ。シングルがめちゃ少ないっていうことからも、その辺がうかがえる。

この曲の次にこれだから気持ち良い、みたいなことをドンピシャでしているせいで、ベスト盤をすごく勧めづらい。
自分の好きなあの曲を自分と同じテンションで聴いてほしいがゆえに...。

このベスト盤は、好きだけど全部聴く時間がない人が総集編的に聴くものであって、初見さんに手渡すものではないような感覚が強い。
1クール2クールのアニメを劇場版で総集編にするやつと同じ。まどマギ見たいって人に総集編勧めないでしょ。
ガンダムみたいにそれでいい場合もあるけど、ツェッペリンの場合はまどマギです。

結論: Led Zeppelinは魔法少女まどか☆マギカ

ここまでお読みいただきありがとうございました!

結論

冗談はさておいて...
ではLed Zeppelinを聴いたことなさそうな女性にどこから勧めたらいいのか。

結論は「Led Zeppelin」、1stになりました!
理由は俺が1番好きだからです。女子には俺が好きなものを勧めたいでしょ、当然です。何か文句あるのかよ。

いや〜でも正直Ⅳでもいい。というより、客観的に見て普通にⅣだと思う、ごめん。
俺は人の彼女にツェッペリン聴かせる時は1st聴かせるけど、特にこだわりない人はⅣでいいと思います。

そういうことで、何卒、よろしく。

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