【小説】BULLET 4
片足に深く体重をかけて沈み込む。
体を左右にゆらゆら揺らしながら腕を振る。
コート隅に備え付けられたカメラが、それぞれに調子を整えながら対峙する二人を斜めから捉えていた。
僕たちに教えながらプレイしていた時より明らかに集中しているユイの様子がモニター越しでも伝わってくる。
ワールドカップ出場選手が相手だというのに、全くプレッシャーを感じているように見えない。
「佑真さん彼女いるんですかね?」
チエリは僕と全く別のベクトルで成り行きを見守っていた。
「ユイ先輩に振り向いてほしく