ブロックチェーンビジネスサミットに参加してきた!

ロックチェーンビジネスサミット〜Beyond PoC

もう1ヶ月経ってしまいましたが、
Neutrino/Microsoft/HashHub共催の「ブロックチェーンビジネスサミット〜Beyond PoC」というイベントに参加してきました!
Microsoftは説明不要だと思いますが、NeutrinoとHashHubはご存知でない方も多いかと思いますので下記にURLを貼っておきます。
【Neutrino】

【HashHub】

今回はこのイベントで学んできたこと、ググって補った知識の両方を織り交ぜて記事を書きます。

この記事の対象者:ブロックチェーンのことについてあんまりググったことない人
そもそもブロックチェーンってどんな技術なんだっけ、よく聞くけどちゃんと調べたことないや、といったビジネスマンや、とりあえず世の中で流行ってることに追いつこうっていう人向けです。
ぐぐったやつは基本的にURL置いとくので、そちらでご確認ください。基礎知識の部分は基本的にURL紹介が多いです。
ざっくりとした章立て構成は以下になります。

<ブロックチェーンの基礎知識>
<ブロックチェーン活用における課題>
<今後の展開と企業人がすべきこと>
<【参考】この1年間のブロックチェーン界隈>
基礎知識の部分はぐぐればわかることなので、知ってる人は読まなくていいです。イベントの話は以降の章からになります。
それでは早速基礎知識から参りましょう!

<ブロックチェーンの基礎知識>

・(そもそも)ブロックチェーンとは
そもそもブロックチェーンとはなんぞやということですが、一言でいうと「分散型台帳技術」です。概念のわかりやすい解説はこちら。
【ferret 「ブロックチェーン」とは?今さら聞けない基礎知識を解説】

【ニフクラ 仮想通貨だけじゃない、押さえておきたい「ブロックチェーン」の基本の“キ”】

【NTT DATA ブロックチェーンとは】

仮想通貨を背景に記載されていることが多いですね。
取引(トランザクション)の履歴を「ブロック」という単位で保存し、そのブロックをネットワークにつながっているコンピュータそれぞれで保管し、同期することで改竄が防げるという仕組みになっています。
同じ取引履歴を保存したデータベースがネットワーク上に無数に存在するというイメージでしょうか。
この技術を用いることで、今までは第三者認証機関や銀行等の金融機関が担ってきた信用手続きを省略し、「信用」のコストを下げることができる技術になっています。

・パブリックとプライベート
ブロックチェーンはざっくり分けてパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの2つに分けることができます。
それぞれの特徴は以下のサイトでまとめられています。
【Crypto Times パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの違いは?違いを徹底解説!】

・コンセンサスアルゴリズム
上記の記事中にあるコンセンサスアルゴリズム(取引の正当性を判断する人(ノード)を決める方法)については以下の記事を参考にしてください。
【株初心者が本気で儲けるブログ】

・スマートコントラクト
いろいろサイトを漁ってみましたが、なかなかピンと来るサイトがすぐには見つかりませんでした。
下記2つは比較的わかりやすいかと思います。
上記にも書いた通り、つまるところ大事なところは、「信用」のコストを下げるというところなのではないでしょうか。
不動産会社にしても、メルカリのようなフリマプラットフォームにしても、間に企業がいるから安心してみんな取引や契約ができますよね。
個人間で取引したら不正する人騙す人うっかり契約違反しちゃう人がいるわけです。
個人間で取引するには不安だからこそ、それをまとめたり、仲立ちして信頼性を確保する企業や組織があります。
ですが、現在はそのような仲立ち企業(あるいはプラットフォーマー)が、
あるいはさらに第3者機関を交えて契約が正しく履行されているかどうかを担保しながらビジネスをしているわけです。
でも、あれこれ書類やら申請書やらの確認作業が非常に多いためコストも時間もかかってしまいます。
そういった状況の中、スマートコントラクトは、あるイベントが発生する(明確に定義した条件を満たした場合)と同時に、自動的に契約締結処理をすることが期待されています。
過去の契約状況や入金、出金などの取引情報を改竄不可能なブロックで管理するからこそ、確認作業にかかる時間や人手等のコストが削減できるのです。
【Beyond スマートコントラクトとは? ブロックチェーン活用の仕組みとKDDIの実証実験を紹介】

【みずほ情報総研 ブロックチェーンで実現するスマートコントラクトの課題と可能性】

【Etherscan】※みずほ情報総研のサイトに記載のあったサイトの日本語版(非公式)です。

・マイクロペイメント
「信用」のコストを下げるというメリットに付随し、実現可能性が期待されていることとしてマイクロペイメントがあります。
【CoinOtaku マイクロペイメントとは?ビットコインや仮想通貨の可能性を東大生が解説 】

信用のコストが下がるからこそ、クレジットカードよりも低い手数料で少額決済を行えるのですね。
仮想通貨を利用したマイクロペイメントはIoTの分野で特に注目されていますが、他にも応用できる分野はたくさんありそうです。
記事中にもありますが、ガソリンを使用した分だけ払う、インターネット回線を利用した分だけ料金を支払う、動画サービスサイトを定額で支払うのではなく、動画一本単位、文字数単位で支払うなどなど、考えて見ると面白そうですね。

・マイクロペイメントの課題とライトニングネットワーク
ついでに、マイクロペイメントの課題と、それを解決するための技術の1つであるライトニングネットワークについてのサイトも載せておきます。
【BITDAYS 仮想通貨のマイクロペイメントで乗り越えるべき課題とは?】※法律的な問題の議論

【ALIS スケーラビリティ問題を簡単に考えてみる】

つまるところ、現状では取引量の増加に伴い、取引結果を格納しているブロックの生成が追いつかなくなり、その結果決済の確定が大幅に遅延したり、手数料が高くなってしまったりといった課題があるということですね。
それを解決することが期待されている技術として、オフチェーンで取引を行った後でオンチェーンでブロックに履歴を書き込む技術であるライトニングネットワークがある、といったところでしょうか。

・Dapps(ブロックチェーン利用したアプリケーション)
次はブロックチェーンを利用したアプリケーションであるDappsという概念についてです。Decentralized Apprication(分散型アプリケーション)の定義は以下のサイトに記載のある通りです。
【ビットコインアカデミア DAPPS(分散型アプリケーション)とは?将来性と仮想通貨の活用事例も紹介】

①取引や処理のデータが中央集権サーバではなく、ブロックチェーンに参加している各ノードで保管されていること
②流通可能な暗号トークンがあり、アプリケーション参加者には報酬が与えられること
③利用者のコンセンサスによりアプリケーションが改善されていくこと(開発者が一方的にアップデートすることがない)
の3点がポイントということですかね。

また、処理やデータが1箇所に集中しないという観点から、サーバダウンや情報流出、管理者(今で言えばグーグルやフェイスブック等)による利益の囲い込みが起こりにくいというのも期待されている特徴です。
仮想通貨だけでなく、最近ではDappsのゲームが複数開発されています。
実際のところはHTMLの仕組みなど既存の技術をまだまだたくさん使っていたり、
そもそもゲーム自体がぶっちゃけおもしろくない等の課題がありますが、
この概念に基づいたアプリケーションが今後たくさん開発されていくだろうとのことです。
【FinAlt DAppsとは?分散型アプリケーション(DApps)について徹底解説!】

【Unsteady Steps 10分で理解した気になるDApps入門 〜 Web3.0時代の次世代アプリケーション 〜】

【storj.io】※DAPPSの具体例

・ホットウォレットとか秘密鍵とかそういう単語
とりあえずリンクだけ貼っときます。
【MAKIONAIRE 今更聞けない!仮想通貨の 秘密鍵管理 !】

以上、非常にボリューミーですが、仮想通貨絡みのリンク集でした。
ここまではググったことに聞いた話を織り交ぜる感じでしたが、次の章は聞いてきた話が中心になります。

<ブロックチェーン活用における課題>

・技術者と非技術者の理解度の乖離が激しい。
ブロックチェーンをビジネスに活用するためには、ブロックチェーンの技術そのものへの理解ももちろん重要ですが、それと同等かそれ以上にビジネスサイドの知識やアイディア、既存業界への深い理解が必要です。
ところが、ブロックチェーン技術者と非技術者では他の技術以上に理解度に差がある状況となっているため、ブロックチェーンをうまく組み込めるようなアイディアが現状あまり出てきていません。
2018年はブロックチェーン技術者と既存業界のプレーヤーがPoCを数多く実施した年でしたが、エンジニアサイドとビジネスサイドの密な提携が今年も継続されそうです。

・視座を高く持つ必要があるのと同時に、多くのステークホルダーを巻き込む必要がある。
ブロックチェーンは信用のコストを下げることが最大のメリットという特性上、業界のほとんどの組織が利用する、不特定多数のユーザが使用するなど、より大きなスケールでの活用こそ最大のメリットが発揮できます。
逆に、社内での既存業務効率化など巻き込む範囲が低い場合には、わざわざブロックチェーンを使用しないで、現在一般的なRDBを利用した方が都合が良いということも多々あります。
そのため、ブロックチェーンを活用した新たなビジネスモデルや業界変革は、既存業界全体、あるいはサプライチェーン全体を巻き込むなど、非常に大掛かりで多くのステークホルダーを巻き込むことになります。
そのため、プロジェクトマネジメントや利害関係の調整、意志のすり合わせに多大な時間とエネルギーが必要となります。
活用の方針が探り探りな現状において、これは技術普及の大きなネックになります。

・そもそも技術レベルが未成熟
ブロックチェーン技術はサトシ・ナカモトという人物(そもそも一人の人物なのかどうかすら不明)が2008年に技術論文をインターネット上で発表したことが始まりです。インターネットという概念が生まれたのが1980年代ですから、技術としてはまだまだ未成熟です。
しかし、登壇されていた方が仰っていましたが、ブロックチェーンの現在のサービス数(?)と1990年代のウェブサイト数(?)か何かの数字の推移が面白いほどにとてもよく似ていると話されていました。2000年代に入り、インターネットが身の回りに当たり前のように存在するようになりましたから、早ければあと10年もしないうちにブロックチェーンが当たり前のインフラとなる日が来てもおかしくないですね。
ただ、現状はまだまだ開発段階にあるということで、それこそプロトコルレイヤーでの作り込みの状況ということですから、我々のような一般人には理解して使いこなすのは非常に難しそうですね・・・。
上述のスケーラビリティの問題の他にもファイナリティ(決済が確定すること)の概念をどう捉えるか、取引成立時のタイムスタンプの扱いをどうするか等、コンピュータだけでなく数学チックな課題もあるそうです。
【仮想通貨まとめ 仮想通貨ビットコインがインターネット普及速度と酷似しすぎ! 驚きのBitcoin比較】※参考

・ユーザの偏り
ビットコインやDappsゲームの利用者は、ブロックチェーン関係者やITリテラシーが高く新しいものに興味がある人(いわゆるアーリーアダプター)に偏っている状況と言えるでしょう。また、利用者、非利用者ともに、技術についてかなり詳しい人とそうでない人の差が大きくなっています。
そもそもの概念が難しかったり、ブロックチェーン特有のワードが多かったり、最初に扱ったのが仮想通貨という人の心を揺さぶりやすいものであったり、ウォレットが複雑で使いにくかったりといった理由で二極化が進んでいると思われます。
コインチェックの流出事件などもあり現在は下火となっていますが、UIの継続的な改善やメディアで目にする回数が増えてきたことなどにより、今後もビットコインをはじめとしたブロックチェーン利用者数は伸びていくでしょう。

<今後の展開と企業人がすべきこと>

開発者というよりかはビジネスサイドの視点ですべきことを書きます。

・意識、理解度の差が激しいから、技術者と積極的なコンタクトを!
上記でも述べましたが、そもそもの概念からして理解度に大きく差がある場合もあります。また、技術者サイドも既存ビジネスの知識や理解が浅くインパクトがあり実現性の高いアイディアが出せる状況にありません。
そのため、ミートアップイベントやコンソーシアムなどを利用して継続的にコンタクトを取り続ける必要があります。
既存業界プレイヤーはブロックチェーンの技術を、技術者はビジネスサイドの知識やバックグラウンドを得ることで、良いアイディアが生まれます。

・PoCは小さく、ゴールは大きくアイディアを考える。
こちらも上述の通り、既存のビジネスモデルに組み込もうと思うと、「普通のRDBでいいやん」という結果に終わってしまうことが多いため、特性を生かせる高い視座でアイディアを考える必要があります。今のところ期待されている切り口としては以下のようなものがあります。
・ユーザ数が多い領域
・信用を担保するのにやたら面倒/コストがかかる領域(ID管理、物流、貿易など)
・現在の「日本円」では表現できない領域(マイクロペイメントが良い例)
・金融のアンバンドリング
【PressPlatinum 金融庁、金融のアンバンドリング・リバンドリング拡大で法整備を検討。フィンテック加速へ】※参考

・エンタメ領域(クリエイターと消費者を直接繋いで、中間業者を中抜きにする、チケットの転売防止、ゲームなど)
【仮想通貨ニュースメディアビットタイムズ 音楽業界とブロックチェーン:流通や販売・著作権の管理など産業を透明化 ー MUSICまとめ】※参考

スケールを大きくするとは言っても、絡むステークホルダーが多くコストが膨大だったり、てんで向いていないアイディアだった、ということが平気であるため、PoCは小さく行うのが良いとされています。

・視点を世界にも向ける
ブロックチェーンは全世界で同時多発的にPoCが行われている状況であるため、最新の情報を得るためには世界にも視点を向けている必要があります。
また、日本国内の金融環境は便利すぎていて、信用のコストに対する感覚がどうしても鈍りがちです。登壇されていた方が仰っていましたが、海外、特に途上国においては権利を証明すること、金融取引において期待通りの結果が来ることは非常に難しいそうです。既存の仕組みが整い切っていないからこそ感じる不便さが新たなアイディアを産む種になるのですね。

<この1年間のブロックチェーン界隈>

最後に2018年のブロックチェーン界隈のリンク集を置いときます。
興味ある方は是非見てみてください。

ビットフライヤー miyabi

miyabiの全銀ネットに関する実証実験

日本ユニシスと鹿児島銀行の実証実験(詳細な内容はありませんでした・・・)

日本ユニシスと関西電力と三菱UFJの実証実験(電力小売)

シンガポール空港のロイヤリティウォレット

デンマークの海運MaerskとIBMの実証実験

オントロジー(ブロックチェーン開発プラットフォーム)
プライベートチェーンを提供してくれるそうです

マイクロソフトとナスダックの提携

日本ユニシスと福島県喜多方の電子バウチャー

参考 同じイベントの他の方のレポート


いかがだったでしょうか?
このサミット参加前は「ブロックチェーンはインターネットの次のプラットフォームだ!!」みたいな発言の意味がさっぱり僕はわからなかったのですが、イベントの話を振り返ったりググったりしてなんとなく意味がわかったような気がします。
最終的にURLばかりの記事になってしまいましたが、この記事がみなさまの勉強するきっかけになれば幸いでございます。
IT関連の話題が多くなると思いますが、登山とかアニメとかのネタも書いていきたいなーとか思ってるので、今後ともよろしくお願いします!

じゃーねー(・ω・)










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?