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ZONEに入るという感覚

ゾーンに入る感覚を、ここ2日ばかり感じているので、今日はそのことについて書いてみようと思っています。

ゾーン体験とは、スポーツ選手が、極度の集中状態にあり、他の思考や感情を忘れてしまうほど、競技に没頭しているような状態を体験する特殊な感覚のこと。

という、定義があるようです。
そして、単に調子がいい、とても集中している、というだけでなく、「心と体が完全に調和した無我の境地だった」というようなことも説明には書かれています。

私の場合には、物語の世界の中に入ってしまうような感覚なのですが、ここ2回ばかり、ふと、もしかしたらこれはゾーンに入っているということかもしれないと感じていました。
明らかに、リテイク(ミス)の少ない、読み方になっているからです。

物語の世界を表現するということは、幾人もの登場人物や、場面の状況把握、筆者の伝えたい言葉、漢字の読み方やイントネーションなど、注意を払わなければならないものが多すぎる複雑な世界を乗り越えて初めて成り立つという、見かけよりもとてもハードな世界です。
私が考える物語の世界を表現する、朗読とは、ただ読む(音にする)のではなく、主人公の身に実際に起きている様々な事柄を、共に体験しながら進んでいく作業。共に世界を生き抜くことだと思っています。
それだけに、集中力が少しでも切れてしまった途端に、主人公と繋いでいた手が放れ、バラバラになってしまい、再び手を繋ぎ合わすには時間を要する繊細な世界です。

私たちはスタジオに入ると、「返し」と言ってマイクを通した自分の声を片方の耳で聞き、実際の声をもう片方の耳で聞きながら仕事を進めます。
金魚蜂と呼ばれるガラス窓の外の様子が目から入ってくると尚更のこと、集中は途切れてしまうのです。
今回ゾーンに入った時に共通していたのは、片耳だけのイヤホンではなく、ヘッドホンを用意して頂き、外界の音を完全にシャットアウトしていたこと。

聞こえてくるのは、自分の声だけです。
これをやっていると、どんどん自分の声に導かれて物語の世界へ降りて行くことが出来る事に気づきました。
心と身体が一体化して、臨場感のある物語の世界を体現しながら進めることが出来るようになりました。
失敗もほとんどなくなりました。考えなくとも、その場で起きる出来事は自分のことのようですので、あえて考えて役を演じなくとも登場人物にスライドしていく感覚になりました。それがとても面白かったのです。

次回も同じように出来るかどうかはわかりませんが、ここ2回ほどで、ゾーンに入るためのコツのようなものをつかめたように思うので、これを何度も再現できるようにしたいと思っています。

私にとって物語の世界を声で表現することは、最高の喜びです。
同時に、声や言葉を使った表現を極めつくす、その可能性を啓くための力を模索しながら進める貴重な時間でもあります。

「ゾーンに入る」集中力と共に心と身体の一体化が生まれた瞬間を、次は、もう少し客観的に観察をして、改めて言語化してみたいと思っています。



今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
連休中はスタジオ収録もお休みです。ヘトヘトになっている思考と身体をゆっくりと休めたいと思っています。
明日は、全国的にものすごく寒い1日なりそうです。
風邪などひかないように気をつけてくださいね。
ではまた、あした。
この場所で。

サポートして頂きましたら、甘いものなど食べに行かせて頂きます✨😌✨