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サイアノ和紙作家雑記VOL.45

3月の半ば、新しいワークショップの試験飛行。
テストなので内容は盛りだくさん!
当日の流れはまず、
4×5カメラでポートレイト撮影。

恵比寿にある暗室にてポートレイト撮影。被写体が引き立つシンプルな背景で6回だけシャッターを切る。デジタルカメラにはない緊張感をお互い楽しむ


そのあと、中判カメラ担ぎながら
街をぶらぶらしながら「ここだ!」と、
ゲストのインスピレーションが降りたら撮影。
セッティングなどは僕がして、
フレーミングはファインダーを覗いてもらって決める。
そして、シャッターを切ったと同時に
「かっしゃん」という重たい音を二人で共有。
「いぇ~い」と喜びと共に共同作業の撮影完了。
67サイズの中判カメラなので撮影枚数は10枚。
約2時間位、街を彷徨いながら10枚撮影完了。

撮りたい場所やモノを伝えてくれたら僕がカメラ設定。肝心のフレーミングは、ウエストレベルのファインダーを覗いてもらいながら調整。中判カメラのファインダー像体験もアナログ写真の醍醐味かもしれない

そのあとは昼食をとりながら
いろいろ写真のことなどを話しながら
午後から暗室に戻ってフィルム現像。
装填と薬品の準備は僕がやり、
1分毎の攪拌は実際に体験してもらう。

やり方などをレクチャーしたら、実際に攪拌などフィルム現像も体験してもらった。じぶんでシャッターを切った写真をじぶんでつくる


その後、無事現像を終えたら
撮影したフィルムを確認してもらうため、
ゼラチンシルバープリントでべた焼き
(贅沢だな~)。
暗室ならではの像が浮かび上がる瞬間の喜びを感じてもらう。

露光後、印画紙を現像液につけてしばらくすると、イメージが浮かび上がる。この瞬間がもうたまらない
4×5サイズのゼラチンシルバープリント(銀塩写真)。べた焼きしてテストして、青写真にプリントする1枚をセレクトする


選んでもらったら僕の必殺技、
サイアノタイプ、青写真でプリント作業開始。
今回はシナベニアに感光材を塗ってもらい、
紫外線ランプで感光させた。
我ながら見事な木製ポートレイトが完成。
シナベニアの木目に被写体が
木の中に溶け込んだかのような錯覚を覚える。
中判カメラのスナップ撮影もすごくよかった。
べた焼きを確認しながら、
「ここで撮るんだ」と僕も唸ってしまった。
人によって見ている景色はもちろん、
感性も違うことを再確認。

今回、僕が一番驚いたのが、街を歩きながらのスナップ撮影会。ひとによっての視点の違いってホント、おもしろい! 誰かにみせるためじゃなく、じぶんが惹かれる場所でシャッターを切る。その後、現像、プリントの過程を経て写真をみると、また違った印象を受けると思う。この見た時と写真にした時の良い意味でのギャップが楽しい


僕の願いとしては、
誰のためでもなくじぶんのための写真を撮って
プリントしてそれをみて感じて欲しかった。
願いは見事果たされてうれしい。
やってよかったと心から思えた瞬間。


木の中に溶け込むような印象のあおい寫眞。アナログ感満点な19世紀の写真技法のプロセスを、一日かけて一緒に体験してできあがる写真。それが一番の魅力だと思う


10時に集まり昼食をはさんで終了は17時位。
ほぼ一日の長丁場になったけれど、
フルアナログなつくる写真を体験してもらった
画家のGiiiちゃんも喜んでくれた。
僕自身も違う世界を垣間見るととても刺激になる。
それと同じで刺激を受けてくれたようだ。
スマホでキレイな写真が撮れる時代だからこそ、
プロセスを解体して体験してもらうことに
価値があるのかなと思った。
今日の工程をイチから始めるとなると
ハードやソフト面でもハードルは高くなってしまう。
それを僕がサポートすることで、
そのハードルはぐっと下げることができるハズ。
写真をやっている人はもちろんだけど、
何かものづくりをやっている人。
家族やグループでその日の思い出を
残すためでもいいのかな?
『アナログ写真体験会』(仮)を
ぜひ近々に第一回を開催したい。











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