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火災報知器の誤作動から学んだこと

先日、休日の早朝、やっと空が明るくなってきたくらいの時刻に、マンションの火災報知器が大音量で鳴った。
このマンションに引っ越してから初めての出来事で、火災報知器の音も生まれてはじめて聞いた。
最初の音は、緊急地震速報そっくりだった。ぐっすり寝ている時間だったので、その音で飛び起きた。「ついに大地震が来たか」と思ったが、続く言葉は「火災です」…かさいです?かさい?火災!!
「周囲を確認して、すぐに避難してください」

準備をして降りると、マンションの住人が数名エントランス前に集まっていた。少しすると消防とセコムが来て、1時間もしないうちに「おそらく誤作動」とのことで、我々住民は無事各自部屋に戻った。
なかなか体験することのない出来事で、いろいろ感じたことがあったので忘れないうちに書き残しておこうと思う。

まず1つめ
エントランスに降りるのにエレベーターを使った
火災報知器がなった後、すぐに窓を開けて煙や臭いがしないか確認し、火事の雰囲気を全く感じなかった私は、ひとまず貴重品ともし家事で数時間部屋に戻ることができなかった場合を考えて飲み物とデバイスを鞄にまとめて部屋を出た。
火事なので非常階段を使ったほうがいいだろうと思ったが、エレベーターが動いているのと煙っぽさがまったくないこと、もし階段が燃えていたら困るなあと思い(筋違い)、エレベーターで大丈夫だろうと判断し、エレベーターに乗った。
結果的に閉じ込められることはなかったが、今思えば非常事態にエレベーターを使うのは非常に危険だ。誰かが使っているのを見て、大丈夫だろうと判断するのは危ない。不安なときほど他人のふりをみて安心感を覚えるものだが、皆がやっていることが正しいとは限らない。焦らず落ち着いて状況を分析して判断すべきだった。

2つめ
消防をすぐに呼ばなかった
火事が起きたら119番というのは、小学生でもわかることだが、このときの私は火災報知器の案内に従って外に出た後、どうしたらいいのかわからなかった。というよりも、外に出たら数人住人がいたので安心し、どうしたらいいかわからなくても考えようとしなかった。住人の一人がセコムを呼んだと聞き、「セコム?」と違和感を覚えたが、かといって正解がすぐに思いつかなかった。誰かが消防を呼んでいたようで、しばらくして消防車のサイレンとあの真っ赤な車体を見て、「そうだよね、消防車だよね」と思った。
いくら早朝で頭が半分寝ているといえども、非常事態になるとこれほどまでも頭が働かないとは。自分に驚いた。
ちなみにセコムは万能鍵を持っており、これがとても役に立ったので呼んだのは正解だった。

3つめ
消防隊が効率的かつ的確な仕事をするためには住民の協力が必要
実は数週間前にも火災報知器の誤作動があったようで、それは一部の住民が知っていた。また、今回の火元とされる場所はエントランスにある大元の機会に記されていた。消防隊がいち早く現場を理解し動けるためには、状況を冷静に見つめ、住民が知っている情報を集約し素早く正確に伝えることが重要だと感じた。
何度も違う消防隊から同じことを聞かれたり、消防隊の質問に積極的に答える人が少なくじれったさを感じる場面がいくつかあった。私は積極的に情報を伝えようとしたのものの、本来であればその場で誰かがリーダーシップをとって情報を集約し、消防隊と冷静な頭でコミュニケーションをとれることが望ましいのだと感じた。そうすることで消防隊は効率よく動くことができ、しいては住民の命を救うことにつながる。

雑感
非常事態の自分の動けなさに愕然とした。また、不安が高まると人と同じ選択をすることで安心を得ようとし、それが必ずしも安全な策ではなく危険な選択をすることすらある。そのような状況でもやわらかい洋服で包まれていると少し心が落ち着く。避難訓練は学校や職場ですることが多く、そのために自ら状況を冷静にとらえて判断するのではなく、言われた通り、ルールの通りに動く方法しか身についていない可能性がある。
いつもの結論だが、いかなるときも自分の頭で考えて判断できるようになりたい。
火災報知器は、湿度が高まると誤作動を起こしやすいのだそう。


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