摂食障害を克服した話


子供の頃から20代中ばまで【全ては本人の努力次第】という見方しか持っていなかった。
少年ジャンプのような漫画の世界観をそのまま現実に落とし込んでいた。この世の不利益はすべて当人の能力不足。全ては自己責任であると。

しかし知識をつけていけばいくほど他の見方もできるようになった。遺伝と環境の相互作用。今は自由意志なんてほぼないんじゃないかと思っている。諦める力。諦観する力。
この見方ができるようになってようやく私は摂食障害から抜け出せた。私はずっと傷ついていた、人生の半分以上を無駄にした、身も心もボロボロにしてしまったと認める事はすごく辛かった。
できれば努力しなくても細い体でいられたらよかった。そういう人は実際にたくさんいる。私の姉もそうだし、夫もそう。そもそも体型に興味がない人もいる。食に興味がない人も。
血の滲む努力なんてしなくても便器に顔を突っ込まなくても普通体型でいられる人が心の底から羨ましかった。
でも私はそういう人とは違う。違う生き物。
努力とか我慢とか根性とかそんな次元じゃない。遺伝と環境、それからEQも。

正直太っている自分も別に好きではない。
鏡やガラスに写る自分を見ると辛くなるし、いまだに細い人への憧れはある。
自分に自信がなく何をするのも恥ずかしい。
でもこれが私なんだと諦められる力が今はある。だから今は吐かない。この人生を受け止められる。これが私、これが人生だと。

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