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お休み周期

現在、お休み周期真っ只中の私は自由を謳歌している。

仕事も変わったし、帰国や引っ越しの準備も進めていて、公私共に忙しい毎日だが、明日はレトロゾールを飲み始めないと!とかクリニックに電話しなきゃ!とか明日は排卵かも!とか明日は血液検査だ!とか全く気にせず、妊活カレンダーを一切見ない生活になり、カフェインを摂ってしまった…とか、半熟卵を食べてしまった…とか、少し夜更かししてしまった…とかでいちいち一喜一憂することも無くなった。

適当な暮らしはストレスフリーであると思う。

私はずっと今の生活から抜け出したいと自分で思い込んでいたが、いざ自由になってみて、今の生活を失いたくないということに気づいた。

昨日は暑くもない寒くもない爽やかな気候の中で、犬と木漏れ日の中を散歩して、家の近くの海と山と街が見渡せるベンチで、アサイーボウルを食べた。
ちびっ子たちがやってきて、うちのわんこはその子供たちと遊んでいた。
近くではストリートバンドがゆるいインディーロック的な音楽を演奏していた。
目の前の古い小屋すらも太陽に照らされた海の水面の反射でキラキラしていた。
何てことない休日のワンシーンだったが、とても幸せだった。

数ヶ月前は一人で道を歩いていても寂しくて涙していたが、今はこの環境がとてもありがたく、この10年以上もの期間はとても大変だったけれど、やはり海外に来て良かったと思った。
終わりが近づいて来ているのが見えているからだろうか。

お休み周期の時間すらも、1回分のチャンスを逃すことが惜しいと思っていたけど、お休み周期は自分と向き合うために大切な期間かもしれない。

でも早いもので、お休み周期もあと10日ほどで終わってしまう。

周期が始まると、もし妊娠していたら、それが妊娠1日目となってしまうように、突如緊張感のある毎日に変わる。
妊娠できるかな、妊娠しているかな、と考えない瞬間はない。
それを気にしてしまうこと自体がいけないのかもしれないとも思うが、エネルギー・時間・お金を注いでいるので、どうしても忘れることはできない。

人間は本来何にも縛られていないはずなのに、不思議だ。
母になろうとする瞬間から、頭のてっぺんから爪先まで大きな責任感が生じるからだろうか。

残りの10日間は、私は完全に自由であり、この地球の一部でしかないのであり、波打つ海や、流れる川、そよぐ風、漂う雲のように、どこに行くかも決められないし、わからない、そういう力まない自分を楽しみたいと思う。


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