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インターネットのオタクはなぜキーファを叩くのか?種泥棒という蔑称についての話

キーファの話題がおすすめトレンドに載っていたので恐る恐る見たら痛恨の一撃を食らったので初投稿です。
ちょっと思想強めの記事です。

私は長いことドラゴンクエストシリーズをプレイしていますが、その中でも特にドラクエ7が大好きです。
ドラクエ7と言えば賛否両論という印象がインターネットの中でも特に印象強く散見されますが、どうもの部分が独り歩きしてるように感じます。

やれシナリオが鬱ばっかだの石版が見つからないだのはまた後で書くとして、今回は特に

キーファが無能なクズ王子で種泥棒である



という見方に対して非常に強く当たる内容になってますので、「キーファは種泥棒だろ」なんて真っ先に思った方はブラウザバックでもした方がいいです。



キーファというキャラクターはドラクエにおいても珍しい途中離脱するメインキャラクターです。
主人公の兄貴分であり、グランエスタードの王子であり、探検ごっこをする彼らのちょっとした好奇心が、世界の人々を壮大なる真実へ導く旅の鍵になる…というのがだいたいのドラクエ7の筋書きです。

ですが彼は物語の途中、神の復活を目的としたユバール族のライラと恋に落ち、パーティから離脱します。
彼はパーティの火力を担うメインアタッカーであったので、その際育成リソースを割いたプレイヤーから「種返せ」など言われて弄られ始めたのが全ての元凶です。
その後の過去ダーマの難易度が跳ね上がる事も相まって余計ヘイトが向いてます。


今やキーファと言ったら条件反射的に否定的な意見が出て、彼を揶揄する趣旨のツイートを見かけることが殆どでしょう。
もうキーファ=種という式が結びついていて、もう払拭する事が不可能です。

ドラクエウォークコラボの際の公式の企画です。信じられません。
もうもはや公式すらキーファを、自社のキャラクターを醜悪に、曲解した印象操作でしか語れないんですよ。
他の選択肢もドラクエ7の事をいかにバカにしているかひしひしと伝わるんですが、趣旨がズレるので今回は触れません。


ライバルズのキーファです。こちらもキーファに対して使用した種を返すような趣旨の弄りやボイスがあります。
わざわざCV:宮野真守を使ってまでキーファのキャラ付けに"種"を想起させるボイスを付ける執念にはもはや感服します。


(追記):7月15日
また公式がキーファ茶化してました。リプ欄ももちろん地獄。
ドラクエ7の代表的なシーンとしてここをチョイスするセンスが絶望的なので本当に広報担当は降ろした方がいい。面白いと思ってるんですか?死ね

こんな感じにキーファに対する印象がマイナスから始まるんですよ。こんな状態でプレイしても彼に対してまともな印象を持つことは不可能です。
もちろんインターネットに長年住んでるリアルタイムでプレイしたオッサンどもが誇張した表現で彼のことを伝えたせいもあるんですが。

そういった先入観を持ってプレイする人が増えてるのが現状だと思います。


ここで思い出して欲しいのが、キーファ「主人公の兄貴分の王子であり、親友である」ということです。

エンディングで彼の石版を読んだ時、どう思いましたか?
「ふざけんな」と誰もが思うでしょう。

ですが私は嬉しかったです
キーファの手紙こそ許せませんでしたが、キーファの石版は泣くほど感動しました。

私がキーファに対する悶々とした感情を抱きながら旅してる間に、キーファが私に対して「どんなにはなれていてもオレたちは友達だよな!」という言葉を残してくれた事にどれだけ救われたか。
お前ってやつは…!と泣いて、馬鹿野郎と殴ってやりたいです。
時空を、空間を超えてもなお繋がる友情、というスケールに話が落ち着くのもよく出来ています。

王族としてのしがらみから解放され真に自分の生きる意味を見つけた彼もまた主人公を、私の事を忘れていなかったんです。

全面的に彼のやったことに対して無罪放免にする訳ではありませんが、ドラクエ7が、なんの目標や指標を持たずに始めた旅の話だからこそ許される展開です。
キーファは元から自分の生きる道を探してたので余計納得できる構成です。(そこについてじっくりやって欲しかった、という話は後で別の記事にします。離脱時期を早めたゆうぼんの判断は正直痛恨のミスだと思う)

私はドラクエ7の、2人キーファ・主人公1人マリベルで始めた小さな冒険が世界の真理を暴く旅に繋がり、結果的に大魔王が作った偽りの平和の園を打破する話」でありながら、「時空、空間を超えなお存在する様々な人の思いや在り方に触れ、結果的に自分はどう在りたいか」というオチに繋がるのが本当に大好きで素晴らしいんです。


そんな自分の道を見つけたキーファに対して、「こいつは育成アイテムの種を使ったのに返してくれないクソ野郎だ」だの「一時の感情に任せて旅から離脱した無責任脳内ピンク種王子だ」なんてメタ的なインターネットのバイアスにかかった状態でエンディングを見たら何も感情なんて出てこないのは当たり前なんですよ。

そんな状態でプレイしてもただキーファを嫌いになるだけだし、鬱ストーリー(ここで大爆笑)まみれのドラクエ7なんてはっきり言ってやらない方がマシです。100時間無駄にするだけなのでやらないでください。


本質情報なんですが、真摯にキーファにキレてる人って居ないんですよね

結局反応目的で誇張して曲解した彼の評価が跋扈するネット上においてどれだけユーモアのある叩き方が出来るかの大喜利大会になっています。
公式はこの現状をどう思ってるんですかね。「愛のある弄り(笑)」くらいにしか思ってないんでしょうか。弄りという名の虐めでしょ。

ドラクエ7は上記の通りかなりエンディングの比重が大きいと思うので、自称ドラクエ7好きの配信者キーファの石版をバカにしてるのを見てガッカリしました。私と違うドラクエ7でもプレイしてたんですか??
正直この作品はかなりオチありきなので、そこ嫌いだったらお前はなんでドラクエ7好きなんだよ、と小一時間問い詰めたい。

そんな人たちが馴れ合いでドラクエ7や彼を馬鹿にしてニチャニチャ話してるのを見ると反吐が出ます。
大好きなドラクエ7がトレンドや話題に上がる度に嫌な思いするのは本当に耐えられないです。

頼むから皆この作品のことを忘れて欲しいくらい。ドラクエ7が面白いことは私だけ覚えてればいい、と思うくらいには苦しいです。
どうせ話題に上がっても「鬱ストーリーガー」「キーファとかいう種泥ガー」しか言えないんですもん。一生言ってろよ


リスペクト元の記事です。今回はエンディングに重点を置いた記事なので、離脱時の事を書くとデッドコピーになってしまうので敬意と共にここに貼らせていただきます。
私の記事なんかより事細かく書いてるのでオススメです。本当に愛のこもった素晴らしい記事です。


この記事を読んで、悪名高い種泥棒としてではなく彼を1人の人間として、"キーファ・グラン"に向き合ってみてください。
バイアスを取払って尚、キーファを種泥棒と呼べるのか。今一度考えて欲しいです。


以上。

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