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【日記】わざわざ移し替えなくても_220710

俗に「カウボーイがケツのポケットから取り出してグビっとやるやつ」あるいは「荒廃した世界で主人公がコートのポケットから取り出すも中身がカラなのに気づき、下向きで振ってから投げ捨てるやつ」などと呼ばれるヒップフラスコ、いわゆるスキットルを買った。

(買ったのは外装がシリコンのモデル)

日本のオタク男子は全てそうであるように、chocoxinaもまたスキットルへの憧れを募らせたまま大人になったクチであり、このほどいよいよ夢を叶えた格好だ。

これまで購入を検討したのは一度や二度ではなかったが、或る物は安価なかわりに中身の味が変わりやすいだとか、また或る物はそういった問題がないかわりに値段が張るだとかでその度購入を見送っていた。そこに先に挙げたようなガラス製のちょうどいい商品を見つけてしまったのが運の尽きというわけだ。

さて、こうしてハードリカーを手軽に持ち歩ける道具を買ってはみたものの、実際のところ普通に生きていればハードリカーを手軽に持ち歩きたくなる機会はほとんど訪れない。
映画やらなんやらでかっこよく描かれるのとは裏腹に、スキットルなんてものは、常に(文字通り常に)強い酒をくいっとやりたいような「極まった」人のための商品であり、さしものchocoxinaもまだ「その域」には達していないのだ。

こうなれば無理やりにでも用事を作ろうというところで、今日は日が落ちてから街に出て、歩道橋からクルマなどを眺めながらコレを使って酒を飲んでみた。
中には、ちょうど容量ぴったり分だけ余らせていたグレンモーレンジを入れていたのだが、しみったれた表情を作りながらクッと舌の上に流してみると、どうもこう「美味すぎる」気がする。
あのカウボーイや流れ者はこんな、ほのかなピート香にオレンジやバニラが重なる複雑なフレーバーを味わっていただろうか? この酒はスキットルのユースケースの中でも「老紳士」が飲むタイプの味ではないか?

「キングスマン」気取りでモルトを喫するのも悪くないが、幼少期からの夢を叶えるという意味では、やはりスコッチやジャパニーズは適さない。もっとこう、同じウイスキーと呼ばれるものの中でも、趣味性をある程度保ちながらスムースで飲みやすいものがいいだろう。ちょうど今まで飲んだことのなかった「ジャックダニエル」が良さそうだということで、小走りでディスカウントストアへ行き小瓶を買ってきた。

こちらは一旦家に帰ってから飲んでみると、イメージ通り喉にスルッと通る感覚でちょうどいい。問題は、200ml瓶ならばスキットルにわざわざ移し替えなくても持ち運べてしまう、という点だ。

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