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マラ川の源流 マウ・フォレストの伐採でマサイマラはどうなる⁉

農地を守るフェンスがヌーを通せんぼ
前回からの続き。
マサイマラNRの北の農地でフェンスを作ったため、ロイタ・マイグレーション(北からやってくるヌー)がなくなってしまった、と説明してくれたドライバーさん。

そしてその話には続きがあったのでした。

農地のために森を切り崩してしまったんだよ!
とドライバ―さんはカンカンなのです。

フェンス以前に、農地を開拓するために森を切り崩してしまったのが大問題。その森 “マウ・フォレスト” はマラ川の源流で、森林伐採によりマラ川が涸れてきているのだそうです。

あ、↑この話、なんか聞いたことがある。
2019年頃ネットニュースで「マラ川が涸れている」という話は読んでいた。でもしかし、その当時私は南アフリカ版の取材と編集に追われていて、マサイマラのことを考える時間もなく、原因は干ばつだろうと軽く流していたのです。以前から水が減っているという話はあったしね。原因はマウ・フォレストの伐採だったのか(雨量も原因のひとつです)。

あ……、

嫌なこと思い出した
そういえば、
2013年から始まったナクル湖増水の原因も、マウ・フォレストの伐採だろうと言われているのです。森を切り崩したことで木々が持つ保水力が失われ、谷底の湖が増水しているという話。

地理的に見ると、こんな感じ↓ ざっくりな絵ですが。

マサイマラ破滅?
帰国後、改めてマラ川のニュースを検索すると、ヘコむ結果ばかり。森を切り崩しただけでなく気候変動が原因でもあるとか、人口増加により野生どうぶつの生息域が狭まっているとか、さらに「上流にダム建設計画」というニュースも。そうなってしまったら、マサイマラはもう10年もたないとか、ヌーがやってこなくなるだろう、とか……。

まあ、今までも、「アフリカゾウはあと10年で絶滅(1990年代の説)」とか「キリマンジャロの氷河は2020年には消滅」とか心配なニュースが流れるものの、なんとかなっているから……、

そうなって欲しい。

追伸:水が減っているの原因は農地開拓だけでなく、観光客が増えたためとも言われています。皆さま、サファリ中のシャワーetc.、水は大事に使ってね。

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