旅行会社の前では言えないけれど、GWのケニア旅行はやめたほうがいい。
GWは稼ぎ時だし ……、旅行会社さん、ゴメンなさい。でも本音は、
「あと2ヵ月待ったらベストシーズンだよ!」
「その時期なら、タンザニアがいいよ」
なんです。GWの頃は大雨季。
大雨季は道がぬかって車がスタックするというデメリットだけでなく、そもそもどうぶつが少ないのです。また大雨で草が伸びているから、移動しないチーターやライオンも見つけにくい。
私もかれこれ29年前、知らずに5月半ばにケニアに行っちゃって――――、泣いた。当時は良いガイドブックもなく情報不足。50万円も支払って、楽しみにしていたのに(TОT) だからこそ失敗しないサファリのためのガイドブックを作ろう!と取材を始めたのです。
降雨量をグラフで見るとこちら↓ GWは大雨季です。
じゃあ、なんで大雨季はどうぶつが少ないの?というと、
一概には言えないけれど、ひとつの理由はヌー。
マサイマラ~セレンゲティに広がるサバンナの鍵となるのはヌー。
と言われるようにヌーの存在はとても重要。ヌーはサバンナの主役なのです。ドキュメントでもヌーの大移動を主軸に、サバンナのストーリーが語られることがありますよね。
テレビを見たり、アフリカにいるとつい主役(人気のどうぶつ)に目を奪われがちですが、脇役があっての主役。脇役に目を向けてみましょう。
「ヌーが草を追いかけて大移動する」
という現象を、脇役ガゼルの目線で見ると、
「ヌーの大群が来て草を食べると、草が短くなる。やった♪」
なのです。
7月の大乾季、ヌーやシマウマの群れがケニアのマサイマラにやってきて草を食べます。すると短い草を好むガゼル達も集まってくるわけです。
やがてヌーやガゼルが草を食いつくし、草を踏み荒らし、大乾季が続き草原も涸れてくる。そこに恵みをもたらしてくれるのが、10月から降り始める雨、小雨季です。ヌー達の糞で大地は栄養もいっぱい。
一方大雨季は3月~5月。ヌーやシマウマがタンザニアに行ってしまい半年が経ち、さらに大雨季で草は伸び放題。するとガゼル達は、
「どこかに短い草はないかな」
とバラけてどこかに行ってしまうのです。雨=恵み、ではないのです。
でも、その頃ヌーはタンザニアにいる!
大雨季にヌーがいるのはセレンゲティの南西部↓
この時期のヌーは超大軍団ではないけれど、ヌーの群れがいるorいないで、草原の雰囲気は全然違いますよ! 2008年6月初旬にタンザニアへ行ったときに見たのがこの光景。
大雨季の5~6月頃は発情&交尾期のようです。2月に出産し、妊娠期間は8.5か月。計算合っていますね。この時期オスが精力的に戦っていて、草原に力がみなぎっている感じ。大雨季でも感動的なサファリですよ♪
もちろん雨というデメリットはあるけれど。
サバンナを知るポイントは3つ、雨と草とヌー。
「雨」が降れば「草」が伸びる。その草を「ヌー」が食べれば……。
ざっくりですが、この繋がり思い出してサファリの計画を立てると、より良いサファリになると思います。
ただしその他にも各季節、各国立公園によって様々なメリット、デメリットが多々あります。
・バッドシーズンにしか休暇が取れない場合、どうしたらいいの?
・デメリットのあるシーズンはどうすれば良いサファリになるの?
・ベストシーズンでもビッグ5全部は見られない。全部見る確率を上げる方法はある?etc.
何十万円も出してサファリをするのなら「残念だったね」を少しでも減らせしたい。そんな思いで『まるまるサファリの本ver.4』ただいま執筆中です。もう少しお待ちください。
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