見出し画像

<保存版>チーターはマサイマラのどこにいるの?チーターがいる所と探すコツ

ゲームドライブでお目当ての動物が見られなかったとき、
「野生だからね、しょうがないよ」
と言い訳をするドライバ―さんは多いです。もちろん野生なので思うようにいかないのがサファリ。でもお目当ての動物の目撃確率を上げることは可能なんですよ。
※「チーター探しのコツ」の取材を進めていると、自然を追っているだけでは分からない思わぬ展開もありました。読み物としても、ぜひ最後までお読みください!

チーターの目撃率は7割強ぐらい(?)
マサイマラ国立保護区でゲームドライブを1日して、チーターが見られる確率は70%位だと思います。季節によってはもう少し低いぐらいです。近年は車に無線を積んでいるため目撃率は上がっているものの、チーターは広大なマサイマラNRに100頭ぐらいしかいません。

ケニアでもチーターはレア!

マサイマラNRはどのくらい広いのかというと面積は1510 ㎢。例えるなら東京23区の広さ……より広く、プラス八王子市 + 町田市、さらに川崎市 + 横浜市 + 鎌倉市。それよりもうちょっと広いぐらいです。そこにたった100頭です。それを探すんですよ。
東京を1日歩き回っても、友達とバッタリ会うなんて、年に何回あるだろう?つまり、ただ車を動かしているだけでチーターに会えるなんて「ラッキー」ということですよね。

.動物を探すための準備 
実はそのように広いマサイマラNRの、とあるエリアにチーターは集中しています。(そこ以外に全くいない訳ではありません)

チーターの保全団体Meru Mara Cheetah Projectの調査報告書によると、
「(マサイマラのチーターは)雨が降らない頃バラける。すなわちヌーがいる頃バラけているようだ」
というのです。つまり逆に言うと雨が降る季節はどこかに集まっているということですよね。

なんでだろう? 
取材で大事な事は、「なんでだろう?」という疑問と、それに対する答えを探っておくこと。

調べる→②疑問→③仮説を立てる→④仮説が正しいか再度調べる
これを何度も繰り返していれば、様々なヒントやキーワードに気が付く事ができます。そのキーワードから枝葉が広がり、さらに掘り下げていくこともできます。そして最終的に⑤現地取材。
現地で生の野生に触れると、また新たに疑問がわきます。そこで再び、
①~⑤のの繰り返し。
これをしっかりやっておかないと現地で何度ゲームドライブをしても、サバンナで見られる動物達が残したサイン、つまり大事なヒントや形跡等に気が付く事ができず、ほぼ素通りしてしまいます。もちろん新しい発見もできません。

それではチーターが集まっている所を、まずは調べるところから始めてみましょう。

マサイマラの<環境>について
まずマサイマラNRの環境についてざっくり知っておきましょう。

地図上の数字は以下で説明する環境です。
①オープンランド。木々が少なく見渡す限り草原が広がるエリア
②川沿いの森、リバーラインフォレスト。緑が線状に伸びている所は川が流れているということ
③低木が茂るブッシュランド
④雨季に水浸しになるマーシュ(湿原)。 奥の緑の部分がマーシュです
⑤森。高木が生えるエリアもあります(この写真はマサイマラの南セレンゲティ)

サバンナは見渡す限りの大草原と思われがちですが、実は上記のような様々な環境があることを頭の片隅に入れておいてください。

.さあ実践!チーター探し
さてまずは下調べから。チーターはどんな動物でしょうか?
調べる
まずは最初は基本データから。
・チーターは地上最速の肉食獣。
疑問
なぜ足が速いの?
更に調べる
・爪を出しっぱなしにしている →スパイクの役目となりダッシュが速い。
・ライオンなどに比べ顔が小さい → 風の抵抗を最小限に抑えられる。
・走るときの姿勢。足を大きく伸ばし大きく動くチーターの走り方が速さの秘訣という、名古屋工業大学の研究結果がありました。

チーターはこのような特徴を持ち、ハンティングの時は全速力で走ることができるのです。

④とりあえず仮説
つまりチーターが生息しているのは、

ここから先は

7,178字 / 12画像

¥ 1,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?