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写真のキャプションってすごく大事2

その瞬間にシャッターを押した深い訳
本作りでキャプションがとっても大事という話を前回しましたが、

例えばこの写真↓
セレンゲティNPの早朝サファリで撮った写真です。キャプションは、えーと……、

サバンナに朝陽が昇り始めました。草原が黄金色に輝く最も美しい時間です

↑なんていうキャプションはありがちですよね……。

私は原稿を書いたあと何日か眠らせ、時間を置いて改めて読み返すようにしています。すると、
「あー、ダメだ、こんなの!」と書き直しになる。

それとかこの写真のキャプションは、

俊足を誇るチーターの狩りは僅か20秒で片が付く。獲物はまだ生後数週間のガゼルの赤ちゃんだ。サバンナでは日々生と死の営みが繰り広げられている

あー、ダメダメダメ。こんなキャプション最悪!……と書き直し。

なぜダメなのか。


ライオンの写真のキャプションは、見たまんまですよね。
タンザニアに行ったことがない人でもこの写真を見れば、「朝陽か~、きれいだな」って感じるのではないでしょうか。で、キャプションはそのまんま「朝陽、美しい」。
これでは足りない。前回お話した、本屋さんでパラパラと見て、この本いいな!という気持ちアップには繋がらないでしょう。

チーターのキャプションがダメなのは、チーターが俊足なことも、20秒で獲物を仕留ることも、獲物がガゼルの赤ちゃんであることも、わざわざケニアまで取材に行かなくたって、多くの人が知っていることですよね。それだけでは心動かされないでしょう。

実はこの瞬間にシャッターを押したのには“深い訳”があるのです
普通の観光であれば、「わー、すごい!」「きれい!」でいいけれど、本を作る仕事なので、実は、
「ああ、これだ!これを本を通して皆に伝えたい」
という深い訳があったからこそ、シャッターを押したのです。

それをキャプションに書かなきゃ!
そんな“深い訳”をたった100文字足らずで書くって、非常に難しい。
だって“深い訳”なんだもん、話すと長くなる。それをたった100文字。短い文章って難しい~。

さて、上の2つの写真を撮った“深い訳”とは……。 

写真のキャプションってすごく大事1
写真のキャプションってすごく大事3
写真のキャプションってすごく大事4

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