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『まるまるサファリの本』*編集の裏ばなし

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ケニアに行ってきます!と言うと「いいなぁ~」って言われるのですが、いやいや遊びばかりじゃないし、色々あるんですよ ε-(‐ω‐;) 『まるまるサファリの本』の編集裏ばなしです。
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#野生動物写真

写真のキャプションってすごく大事4

サバンナの脇役に目を向けるとサファリが楽しくなってくる 前回のブログでライオン写真のキャプションの話をしましたが、もう一枚、チーターのお話です。 マサイマラでチーターのハンティングに遭遇!何度見ても興奮しますね~♪ 「俊足を誇るチーターの狩りは僅か20秒で片が付く。獲物はまだ生後数週間のガゼルの赤ちゃんだ。サバンナでは日々、生と死の営みが繰り広げられている」 ↑うーーん、こんなキャプションはありがちで、ありきたり。そもそも、 なぜ私はこの瞬間にシャッターを押したのか。

写真のキャプションってすごく大事3

1枚の写真には深いストーリーがある 前回、前々回のブログで説明しましたが、写真のキャプションって短文のくせして手が抜けないほどムチャクチャ大事。実は前回に前振りした2枚の写真には、長いストーリーがあるのです。 1枚目はこの写真。 ↑この瞬間にシャッターを押した訳。 セレンゲティNPのセロネラ(中心部)はサバンナのど真ん中。グルメティ川に注ぐ支流が何本も流れ、川沿いには木々が育ち、回りには草原が広がり、岩山がそびえetc.。 様々な動物が暮らす絶好の環境です。そしてキャンプ

写真のキャプションってすごく大事2

その瞬間にシャッターを押した深い訳 本作りでキャプションがとっても大事という話を前回しましたが、 例えばこの写真↓ セレンゲティNPの早朝サファリで撮った写真です。キャプションは、えーと……、 ↑なんていうキャプションはありがちですよね……。 私は原稿を書いたあと何日か眠らせ、時間を置いて改めて読み返すようにしています。すると、 「あー、ダメだ、こんなの!」と書き直しになる。 それとかこの写真のキャプションは、 あー、ダメダメダメ。こんなキャプション最悪!……と書き

写真のキャプションってすごく大事1

短文だから書けるだろうと軽く考えていると大失敗。キャプションの良し悪しで本の売り上げが変わる⁉ 編集の仕事を始めてつくづく実感したことは、「長い文章より短い文章のほうが何倍も難しい」ということ。駆け出しの頃はとにかくデスクに文章を「削れ、削れ」と指導されました。 短い文章の代表といえば写真のキャプション。 キャプションって思っている以上に大事なんです。特に私のガイドブックのようにビジュアル重視の本では。写真集を作る予定だったり、出版社に持ち込みを考えている方は、キャプション

サファリをもっと楽しむ方法♪自然を感じる力って?

「自然を感じる」 ――っていいますよね。 動物カメラマンや風景カメラマンなど自然を撮影する方には必須の要素です。私も取材のとき慣れないながら最大限意識します。 で、自然ってどうやって感じるの? ↓ ↓ ↓ 「目を閉じて、自然に身をゆだねてごらん。知識なんて邪魔だ」 ――って言う人がいるけれど、それって本当? だって…… 桜が咲くと、「もう春ね~♪」 って感じますよね。これは春に桜が咲くことを知っているからです。 「ホーホケキョ」 なんて聞こえたら、 「あ、ウグイスだ。春ね~

わけあってカメラ目線のどうぶつ写真が撮りたい!

『まるまるサファリの本』用に、どうぶつのカメラ目線の写真が欲しい。 野生どうぶつを撮影するカメラマンであれば、レンズをじっと見ているような写真はNGなのでしょうが、『まるまるサファリの本』用に、カメラ目線の写真を撮りたい。特に小動物や地味な草食獣は、カメラ目線がいい! なぜなら……、 目線を送っている写真は、人間であれどうぶつあれ、印象に残る度合いが高いのです。ある編集デザインの実験でこんなのがあります。 風景写真、人物写真、静物写真、どうぶつ写真など、様々な写真30枚を