杏沙子「こっちがいい」歌詞解釈
深夜にこんばんわに。我らがStairwaysの大先輩杏沙子さんの新曲「こっちがいい」を私の言葉で噛み砕きます。すごく素敵な歌です。
ポップなメロディーとかわいい歌詞が中高生から大人気の杏沙子さん。「こっちがいい」ではタイトルにもある通り、「選択」をキーワードに女の子の恋愛観が歌われています。
誰にでもわかる簡単な言葉並びの中に、恋愛と人生の両方において大切な法則を見つけてみましょう。一緒に。
※「テクスト論」っていうやり方で読むって言っけど、めちゃくちゃ自由に考えてしまいました。
○理由の要らない「こっち」
「あたしについてこられてる?」からは、パワフルで、彼氏を良い意味で振り回すような女の子が想像できますね。ねえねえって呼び掛けが入ることで、思ったことがぽんぽん口から溢れるような印象も受けます。
寝食と並べるくらい、彼女にとって好きというのは説明不要の現象。運命論者に近いのかしら。そういえば高校生の時、友達が言ってた「"そのひとだから"が好きな理由の最適解」って言ってたけど、それにも近いかな。
ここで出てきたキーワード「直感」そして「正解」。ピースはお互いのことなので「ピースがはまる」は二人の間がしっくりはまる、二人の納得のいく形に上手く収まる、ということ。そのために必要なのが直感ってこと。そしていまわかっていることを整理すると
①「好きになったから好き」=「直感」 ②「直感を磨く」→「ピースがはまる」=「正解」となる。
サビです。「繋ぐ手はいつも左」が印象的なココ。なんらかの成り行きで右手を繋いだとき、「なんか違うね」とか言って「やっぱこっちがいい」とかなるんだろうな。知らんけど。「眠るときは君の右」もあるあるなのでしょうか。「左」と「右」で対になっているように見せかけて、いつも「君」の右を選んでいる、ということもわかります。
ここで歌われている「こっち」とは、Bメロでも言われているように「直感」で選ぶ選択のことですね。それが「2人が2人でいられる」ための鍵ということなんだって。ふむ
③「繋ぐ手はいつも左」「眠るときは君の右」=「直感」の選択(二人とも納得の選択)=「ピースがはまる」=「正解」=「2人が2人でいられる方」
ちなみにこの曲全体を通して「こっち」の具体的な描写があるのは「繋ぐ手はいつも左」「眠るときは君の右」の2つのみで、前者は中学生くらいでも共感できるし、後者はもう少し大人になった人がキュンとくるイメージ。抽象的な言葉の中に具体的な言葉があると曲全体にグッとしまりが出て魅力的になるよね。うまい。
〇理由のある「こっち」
2番Aメロです。喧嘩の頻度は人によると思うんですけど、1~2か月に1回くらいとして3~4回したとして、この「しばらく」は半年ちょいくらいかなと踏んでいます。
この「喧嘩」はお互いの「譲れないところ」つまり、なにかしらの違いから生まれるということですね。でもでも、喧嘩を生む違いのことも、ここでは「いいじゃんね」って認めている。うーんよく考えたら、違いを認めているというよりは「私は私」という主張をぶつけ合って違いをあぶりだしていくこと自体を良しとしているという方が正解に近いかもしれない。
「会いたい人に会えばいい」は結構寛容なイメージ。でも「着たい服を着る」と並べられると、たしかに同じ『選択』なんだなと思わされますね。そしてここでいう選択は、1番の例に比べて理由の見つかるものということがわかります。『理由のある選択』『こだわり』といってもいいかもしれない、これも「君を作っている」大切な要素なのだね。だから喧嘩をしてでも知りたいんだって。
この「答え合わせ」って、けっこうエネルギー使うことだと私は思っています。自分と違う相手の言動や、よくわからない言動に対して「なんで?」「私はこういう理由であなたと違うんだけど」と言うのは精神的に疲れる行為なので、「そういう人なんだな」とか『何考えてるのかわからない』(←これは答え合わせをサボっていることの言い方表現だということが今よくわかりますね)って向き合うことから逃げてしまいがち。結局そういうのが原因で別れるのにな!これを積極的にできるのはすごいことだと思います。恋愛以外の対人関係でも同じことが言えますね。
④「君を作っている」要素=「2人それぞれの正解」 ⑤「2人それぞれの正解」の「答え合わせ」をする→「うまくピースがはまる」=「正解」(1番と共通)
1サビとは異なり、具体的な話はされていません。なんでもいいけど、「君を好きな君がいい」、つまり君らしい君、(ABメロから読むと)自分の選択を重ね、自らの手で自分を作っている君がいいということです。お母さんに毎日の洋服を選んでもらう人はダメなんだろうな。「俺は可能な限りお母さんに選んでもらった洋服を着ることをポリシーとしているのだ」という人なら議論の余地はありそうだけど。
「2人がもっと 2人でいられる」は、2人が一緒にいるときに限らず、それぞれが自分を好きでいられるということ。「君」だけじゃなく「わたし」もだね。
⑥「こっち」=「君を好きな君」を作る選択=「2人がもっと 2人でいられる方」
Cメロ。これはよく言うやつですね。2人の出会いは運命ではなく自分が選んだもの、みたいな。でも未来から見ればその選択は変えられない1択なのだからそれはやはり運命かな、みたいな。
でもここで歌われている「選択」は2種類あることが今までの言葉からわかっています。「直感」の選択と『理由のある』『こだわり』選択。おそらく2人が出会うまでにはどちらの種類の選択もあったでしょう。1秒で謝罪の言葉を選び、1週間かけてこの服を買うこと選び、選んで選んで選び続けた結果出会った。こういういい感じのフレーズを注目しやすいCメロに持ってくることでより運命的に響きますね。運命~♪
これからも「左手を繋いで」つまり「直感」で育んだ2人の「正解」をしっかりと抱いて、2人で未来を「選んでいこう」(未来を選ぶっていうと幅があるけど、「今日はどこに行こうか」「何を買おうか」って選択にはたいてい理由があるものなので『理由がある』選択にカウントしてよいでしょう)しっかり理由(こだわり)のある選択をしよう、ということなのです。
手を繋いで未来を選ぶって、視覚的にも想像がついていい描写ですね。君の右で眠るより左手を繋ぐをここに持ってきたのは、手を繋ぐ=心のつながりがあるということも示唆しているような気がします。
〇どっちでもいい
最後に大どんでん返しきたね!いままで散々「こっちがいい」を選んで「正解」を探そうって言ってたのに。
ここでいう「間違」いは、=「正解じゃな」い=「ピースがはま」らない、なので、2人が選択をした結果、しっくりこなかったり、うまくいかなかったりするということですね。
それでもいい。つまり正解を選んでも間違えを選んでもいい。つまりどっちでもいい。この2人なら「間違っても笑い飛ばせる」、これは「答え合わせ」できるとか、それをまた新たな糧にできるということでしょう。違いがあっても折れない術を持っているということが今までの描写からわかっています。
ただこれは条件付きですね。左手を繋いでいることと、2人がそれぞれ2人でいること。そして、大前提としてその2種類の選択を重ねて「出会えたこと」。
⑦「こっち(直感)」+「こっち(こだわり)」=「出会えたこと」 つまり「正解」+「正解」=「大正解」
大正解の2人が正解の「こっち」を選び続けていれば最強!多少の間違いなんてへのかっぱ!ということ。すげぇ!
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おわった~3時半になってしまった~へろーん、明日朝からバイトなのに~
最後に、自らがする選択の数が多ければ多いほど、アイデンティティが確立されやすい、と聞いたことがあります。日本人の給食文化と、アメリカのカフェテリア文化の違いからもなんだかアイデンティティの確立度の違いが見られそう。今日何を食べるか、何を学ぶか、だれと遊ぶか。直感でも、こだわりでも、自らの手で選択をして、自分を好きな「自分」を作り続けていこうねという隠れた杏沙子さんの生き方が表れている曲なのかもしれません。
あー楽しかった。読み返してみたらなんか薄い気もするけど私は納得してる。眠くないけど寝ますね~おやす
2020.2.10
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