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季節を進ませる食材たち

ソラマメ。
どうにかならないのか、この廃棄率、って毎度思わずにはいられないソラマメ。抜け殻がたんまり山盛りすぎる。廃棄率ランキングがあれば、イイ線いくんではなかろうか。サヤの内側のフカフカ、とてもフカフカしてるのに、なにかのなにかにならないのかしら?といつも思うんだけど。
殻を捨てたら、ほんのちびっと、数えられるほどのソラマメしかなくて、「ひとふくろ買ったのに、これっぽっちかよ~」って毎年言ってる。
買うときに、大きな豆が一つでも多く入ってそうなのを、眼力で吟味するんだけど、まだまだ。この太さなら実が入ってるだろーって思うのに、スカだったりして。
眼力勝負に、いつか勝ちたいものである。

エンドウ豆。
これを買ったら夜は、豆ごはん。そう決めているから、慌しい。
さやから豆を外すときに思い出す童話がある。
幼きころ、よく読んでいた全集の中のエンドウ豆の兄弟の話。兄弟が順繰りサヤを飛び出して、異なる人生を歩んでいく。細かいことは忘れてしまったが、兄弟それぞれにそれぞれの生き方、それぞれの顛末を迎える。兄弟は似てるけど非で、枝分かれしていくものなんだな。
豆の髪の毛がピンと跳ね上がったような、ギリシャ文字のデルタ(δ)の上のところみたいな、引っ掛かり部分がとてもかわいらしくて、いつまでも見ていられるが、鮮度命!早々に切り上げて、そやつが取れないように、ボウルの中でそお~っと、ころころと洗う。
豆ごはんは、サヤのゆで汁?で炊くのが美味しくなるコツらしい。こだわりは、自分を縛るものでもある。サヤを洗うのがかなり面倒で、すこし億劫になる。面倒ならやめりゃあいいんだけど。欲深いから、それで美味しくなるならやらずにいられないんだよな。欲張るか手を放すか、誰も知らないけどわたしだけの分岐点がここにある。
バラバラのさやは、食べたあとのアサリのカラみたいになっちゃってるもんだから、個数も表面積?も増えて洗いにくいったらありゃしない。洗えてるのかよくわからないのもまた、苛立たせるのである。
今ふと思った。豆を外す前の完全体で洗ったら楽なのでは?次回やってみます。書くことで気づけたよ、気づきをありがとう、note。

イチゴ。
ジャム用巨大パックを見つけてしまったら、買うしかないでしょう、そうすると即日炊くしかないでしょう。で、また、せわしない。
ジャム用は過保護に扱われてないからどうしても傷みやすいんだよな。
ここでも、できてるジャムを買えばいいじゃん、とか、多少傷んでも次の日やれば、と思うかもしれない、家族は思っているだろう。またしても、わたしの中で小競り合いというか、せめぎあいがあって、やっぱりより美味しいものをよりよい状態で!って、どん欲の方の線を捨てきれないから、ブツブツ言いながら、座る間もなくやってしまうんだろうな。
ボウルにゴロンゴ、ゴロンゴとイチゴを投入。ヘタを取り、流水でさっと洗い、お鍋へ。砂糖をたっぷりかけて和えてしばし待つ。今年はホーローの新しいお鍋で炊くことにした。グレーと白とイチゴの赤の色の取り合わせがステキだった。
煮込みの作業は、前にも書いたことあるけど、グツグツブツブツ地獄絵図が、自分の中にたまったドロドロをも溶解して、飛ばしてくれる。その過程が本当にスッキリする。不思議。
仕上げのレモンがなくて、スダチで代用しようかと思ったけど、小夏があったので、そっちにする。ひと切れむぎゅっとしぼる。
「イチゴ、あんなに山盛りあったのに、できあがりはひと瓶にも満たないよぅ」ってソラマメの時と似たようなことを思って、シュンとする。
そして、生産者の苦労に思いを馳せ、市販のジャムが高くても、文句は言うまい、と心に誓う。作ってすぐは、いつも思う。

バジル。
ゴールデンウィーク期になると、あら、そろそろバジルじゃない?となるんですね。体が覚えてる。センサーがオートマチックに働く。
今年の苗はいい感じです。昨年は育ちが芳しくない上に、バッタに食われて大変でしたが、今年はいらっしゃらないようで、すくすくと茎を伸ばし、葉を広げておられます。ノンストレス、ストレスフリー、最高だ。パスタに、ピザに、香草焼きに、活躍を始めておられます。
先日、調理実習を思い出して、フレンチドレッシングを作ってみたんですが、バジルも刻んで入れてみた。イタリアの香りがして、フレンチなんだかイタリアンなんだか、わけわかんねぇ、多国籍だな、とひとりムフっとしました。

ワケアリのウメ。
今年もウメシロップを作りました。わたしの好みのウメはちょっと変わった品種なので、きれいなピンク色のシロップができます。
ワケアリとは。
実は、昨年のシーズン終わりに買って、冷凍していたものです。一晩冷凍して、漬ける予定だったのですが・・・一年経ってしまいました。
どうなんだろう?と思ったけれど、やってみたら特に変わり無いようだったので、まぁいっか、と強行突破しました。鮮度への執着より捨てることの罪悪感が勝ちました。
もう一ついつもと違うのは、ガラス瓶ではなく、新しいホーローのお鍋、まだ料理に使っていなかったので、やっちゃえ~と思って、お鍋で漬けてみました。取っ手もついてるし、ガラスの瓶より扱いが楽だし、最後にひと煮立ちさせるのに、お鍋だからそのまま火にかけられる〜こりゃいいかも、でした。

5月辺りの恒例行事、曲がりなりにもコンプリートしました。よし来い、さぁ来い夏!と思ったら、勇み足。梅雨を忘れていた。

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