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黄信号

 実は私は自転車を漕ぐのがけっこう遅い。高校生のとき、同じ電車で通っていた同級生が15分で学校まで着いていたのに、私は20分かかった。バスケ部の男の子は10分で駅まで行けた、という噂も聞いたのに……。中学の同級生には「ちんたら漕いでる人がいるなあと思ったらお前だった」とも言われた。
 高校1年生のときに、一番速くて、楽で、車が来なくて、同級生に会わないルートを開拓した。学校に行くというだけでだいぶ嫌なのに、ハアハア言うほど急がなければいけないなんて本当に無理だと思ったからだった。あとは通学のときくらい1人になりたかったのもある。結局速さを捨てることになってしまったけれど、楽だったしぼーっとできる時間があったのが今考えると良かったと思う。

 むかし、交通安全の標語コンクールでちょっとした賞をもらった。警察署かどこかで表彰してもらったような気がする……。一時停止をしよう、というような内容だった。そんな賞までもらっておいて事故を起こしたら最悪なので、それ以降はかなり慎重に一時停止をして左右を確認するようにしている。
 私が住んでいたのはそこそこな田舎で、近所の信号はほとんど押しボタン式だった。地域の人は押しボタンなんて押さないし、なんなら普通に横断歩道とかないところを斜めに渡っていく。その分、自分でしっかり左右を確認して車が来ていないのを確かめてから渡る。車社会なのもあり、道路では車が優先、歩行者が横断歩道で車に轢かれても自己責任なのでは? みたいに考えているところがみんなあったと思う。押しボタン式の信号だって、車が止まってくれたらお辞儀をするように小学生の頃から言われているし、交差点で曲がってくる車が待ってくれていたら小走りで渡る。
 そういう地域で育ったので、東京で歩行者用の信号が点滅していてものろのろ歩いている人に驚いたし、一時停止も無しで車道に飛び出せる命知らずな人には本当にヒヤヒヤした。自分が自転車に乗ったり道を歩いたりするときは、できる限り急がず交通ルールを守るようにしている。


 そんなわけで、多分人より交通ルールは守る方だという自負があります。3mくらいの横断歩道だって待つので偉い!

 少し前、布団に入ってもすぐには寝付けなくてオモコロのラジオを聞いていた時期があったんですが、音声放送で車の運転の話題が出ていてものすごく共感しました。自転車だってかなり神経質に漕いでるのに、車なんて怖すぎるよ……。


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