高速バスの車内で遊んだメガドライブの話

 どうもこんにちは。

 皆さん高速バスを利用したことはありますか?
自分はかつて就職活動をしていたころ頻繁に利用していたのですが、今回はその頃に乗ったある高速バスに関する昔話。

WILLER EXPRESSのとある高速バスで

 学生の頃の話ですが、当時の自分は都内での面接や説明会のためにしょっちゅう高速バスを利用していました。
旅行好きで元々バスに馴れていたのもあって、いろんな高速バスに乗っては時に快適に、時に悶絶を重ねていました。

 WILLER EXPRESSはその高速バスの中でも大手の一つです。高速を走っているとピンク色のバスを見かける事があると思いますが、あれです。
最近は3列シートで仕切りやカーテン、その他快適仕様が充実した豪華なバスを売りにしているようです。

 そんなWILLERが昔運行していたバスに「シアター付き」というものがありました(今は運行していないらしいです)。
これはシートの後ろ、普段なら折りたたみの簡易テーブルとかがついている所に小型のモニターが埋め込まれた、4列シートのバスでした。
そしてその売り文句が「映画、音楽、そしてゲームがプレイできる」というものだったのです。

 「バスの中でゲームができるってどういうこと…?」と、自分がそれに食いつかないわけがなく、ある日たまたま日時も空き状況もぴったりだったので予約。
そして当日。いざ乗ってみるとそこにあったのはモニター、イヤホンジャック、そして手のひらサイズの黄色いコントローラー…!
当時の自分、この時点でだいぶびっくり。

 運良く隣の乗客も爆睡していたので、早速モニターのメニューからゲームを立ち上げると…「ソニック&ナックルズ」に「ゲイングランド」、「クラックダウン」…
…ん? これってまさかメガドライブ!?

 そう、その中身はメガドライブの作品がオムニバスで収録されたものだったのです。
収録された数やラインナップはうろ覚えですが、上記のタイトルは間違いなく入っていました。セガから発売された作品をまとめていたのかもしれません。
当時の自分はそれまでメガドライブに触れる機会があまりなかったので、貴重な機会だと言わんばかりに2~3時間ほど遊んでました。

後から気づいた「ある違い」

 いかんせん実機で遊んだ作品がほとんど無かったので、遊ぶ分には違和感なく遊べていました。操作性やグラフィックには特に大きな問題は無かったのです。

 その時プレイした中で、「アローフラッシュ」という作品が結構気に入っていました。
セガが1990年に発売した、横スクロールのシューティングです。
ゲーム内容としては難易度が若干高めで可もなく不可もなく…という感じなのですが、音楽がカッコいい、FM音源のギュィィン!とした感じ全開で良い。それだけで今でも気に入っています。

 バスに乗った後日、せっかく音楽がカッコいい作品を見つけたのでYouTubeで探してみるかと思い検索。案の定ヒットしたので早速流してみたのですが…その時「ある違和感」を感じたのです。

音がなんか違う。

 主旋律が高速バスで聞いた時と何か違う、音色が違う、なんならキーも違う気がする。というか動画(オリジナル)の方が厚みがあってもっとカッコいい。
この違いに気づいた時は恐ろしかった。あの車載メガドラ、グラフィックは問題なくてもサウンドの再現度が低かったのです。

 特定の音が鳴らなかったのかただの故障かは定かではありませんが、とにかく一部の音が正しく再現されていなかった。これはアローフラッシュに限らず他の収録作品もでした。

 そうなるとあの車載メガドラはそもそも正式にライセンスを得て組み込んでいたのか…今思うとそれすらも怪しく感じてきます。
アングラなゲーム話をかじっている方ならご存知かもしれませんが、何十本もの作品を不正にコピーして1本にまとめたソフトがあの頃のハードには結構あります。
もしかするとその類だった可能性もありますし、仮にきちんとライセンスを得ていたとしたらなんであんな再現度だったのかえらい疑問ですが、真相は謎のまま…


 メガドライブに思い入れのある方は世界中にいらっしゃると思いますが、高速バスの車載ユニットで遊んだことがあり、かつオリジナルとの違いに気づいてしまった人がどれぐらいいるかは定かではありません。
幸か不幸か自分はその一人だったため、メガドライブと聞くと今でもたまにこの車載メガドラの存在を思い出してしまうのでした。

 折角なので、最後は上で紹介したアローフラッシュの動画を。
これぞメガドラサウンドと言わんばかりの音使い、必聴です(趣旨が変わってる)。

 それではまた。

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