なつかしの「(旧)ドラムマニア」の話

 どうもこんにちは。

 自分は音楽ゲーム(以下音ゲー)が好きで、一時期のめり込んでいた作品もいくつかありました。今はプレイ頻度もだいぶ下がりましたが、それでもたまーに遊んだりしています。

 今回は自分が特に夢中になった「ドラムマニア」、それも旧バージョンを中心にしたお話です。

プレイヤーが「様になる」音ゲー

 ドラムマニアはその名の通り、打楽器のドラムをモチーフにした音楽シミュレーションゲームです。
初代は1999年に稼働、気がついたら20年以上の歴史になってました。

 恐らくいまほとんどのゲーセンで見かけるものは「7パッド+2ペダル」のバージョンでしょう。
違うバージョンもあるの? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はドラムマニアには大きく分けて2種類存在していました。
今のバージョンは2010年に登場した「XG」で採用されたもの。それ以前に用いられたのは「5パッド+1ペダル」という、今よりもコンパクトな構成でした。
(この記事では便宜上、このタイプを旧バージョンとします)

 基本ルールは他の音ゲーと大きな違いはなく、落ちてくるチップをタイミングよく捌くというものですが、ボタンではなくパッドをスティックで叩き、ペダルを足で踏むという、実際の演奏に近いスタイルが一番の特徴です。
なので上手くできた時の「様になる」感じは、コナミの音ゲーでも随一だと思っています。

 自分は旧バージョン時代に特にやり込んだ人ですが、始めたきっかけは熟練プレイヤーのまさに「様になっている」プレイでした。まるでドラマーとして演奏しているようなその背中は、本当にカッコよく見えたものです。

 叩くためのスティックとして一応備え付けのものはありましたが、ワイヤーと留め具がついているため重く、多くの人は自前のスティックを持っていました。
実際の演奏でも使えるようなスティックを持ってプレイするというのも、本格的な気分を味わうのに一役買っていたかもしれませんね。

多様だった楽曲のジャンル

 旧バージョン時代のドラムマニアは、楽曲のバリエーションがもの凄く豊富でした。

 ロック、ポップス、ジャズにフュージョン、ラテンにメタルに民族音楽…その幅広さは、自分の好きなジャンルが必ず見つけられると言っていいほど。
また、昨今のように実在するアーティストからの楽曲提供というのもなかったので、いわゆるカバー曲も多く収録されていました。
現在は一部を残すのみですが、昔はヒットしたJ-POPが割と入っていたのを憶えています。

 あと特徴的なのは、4分前後の長い尺を持つロングバージョンの楽曲があること。
一般的な楽曲の尺でまるまる楽しめてしまうという贅沢さも、他の音ゲーにはない魅力でした(もちろん、曲によっては相当な体力が求められますが)。
特にロングの曲でギターフリークスとセッションプレイをすると、まさにバンド気分。

 ではあんたは一体どんなのが好きだったんだというと、まあ色々好きです。せっかくなので羅列します。

・Jimmy Weckl
この人のジャズやフュージョンの曲はカッコいい、ほんとカッコいい。「WAZA」や「Herring roe」、「cockpit」とかが特に好きです。後にmaimaiにも何曲か提供していますが、こっちもカッコいいです。

・佐々木博史
超絶技巧プログレッシブの代表格とも呼べる人。一曲一曲にカリスマ性があり、今でも人を惹きつける曲ばかりです。「The Least 100sec」は他の音ゲーにも多く収録されたので、ご存じの方も多いかもしれません。

・Thomas Howard Lichtenstein
ギタドラの洋楽ポップスと言えば、自分は今でもこの人です。ロングバージョンの曲も多く、よく選んでプレイしていました。「DEPEND ON ME」や「Next Step」がお気に入りです。

・Handsome JET Project
ノリのいいロックとパワフルな歌声が魅力的でしたね。特にTHE BLUE HEARTSのカバーは本人かと思うほどマッチしていて、実はこのカバーがきっかけでTHE BLUE HEARTSを聴くようになった程です。
オリジナルだとみずしな孝之氏とコラボした「わすれもの」がPV込みでめっちゃ好きです(笑)

・TAG
DDRで有名な方ですがギタドラでも楽曲が多く、よく選んでいました。
「El Dorado」や「Chronos」など、さわやかで疾走感のあるフレーズが自分のツボです。ちなみにこの人だと「アルストロメリア」もすごく好きです。

 他にもコンポーザーで縛らずとも好きな楽曲はまだまだあります。
「DEPARTURE」、「Infinite」、「GET IT ALL」、「田んぼの田」…挙げるとキリがないのでこの辺にしておきますが、それだけ自分が気に入っていた作品だった、ということです。

XGを経てGITADORAへ

 さて最初に少し書きましたが、ドラムマニアは2010年の「XG」で現在のバージョンへ大幅リニューアル。さらに2013年から現在の「GITADORA」という名称となり、今に至ります。

 XG以降からパッドとペダルが追加されたという話は先ほどもしましたが、実は地味に大きな変化点がもう一つありました。
それは「スネアドラムの位置が現実に近い配置になった」という点です。

 スネアは今のバージョンで左から3番目にあるパッドのこと。
旧バージョンでも一番低い位置にあるパッドですが、現行では位置がさらに下げられ、角度もより水平に設置されるようになりました。
これは実際のドラムセットにより近い配置で、そういう意味ではより本格的になったとも言えます。

 …ですが、XGが稼働し始めた頃、自分はこの位置に馴染むことができませんでした。
どう頑張ってもうまく叩けず、うまく他のパッドへ移行できない。少しの変化でも、体感ではまるで別物のような感覚でした。
もともとやり込んでいたとはいえ、腕前は大したことのないプレイヤーです。さらに増えたパッドで頭がこんがらがり、もう翻弄されるばかり…

 結局自分の環境の変化も相まって、それ以降プレイする機会は激減しました。現在は旧バージョンが置いてある都内の某ゲーセンで時々プレイしています。
現行のバージョンもたまーにやりますが、やはりパッドの配置が馴染みにくいのと、ロングバージョンを選ぶには電子マネーのPASERIが必要という仕様から、あまり積極的ではなかったりします。

 それでもたまに遊ぶのは、どこか忘れられないからかもしれません。

音楽の魅力を教えてくれた作品

 学生の頃にのめり込んだドラムマニアは、自分に大きな影響を与えました。
この作品を起点に他の音ゲーも数多く触れましたし、それまでさほど気にしなかった「音楽」に対して興味を持つきっかけになったのも、この作品があったからこそです。

 そこから自分が気に入ったジャンルの音楽を聴き漁り、(ドラムではないものの)ついには楽器を買って手に取り、本当に人前に立って演奏する所まで、音楽にのめり込みました。
そんな経験ができたのも、ドラムマニアで「音楽を演奏する楽しさ」を体験できたからだと思っています。

 ドラムマニアができても実際のドラムができるとは限りませんが、演奏する楽しさを伝えるものとしては、十二分の作品であることは間違いないです。

 今はEDMなどの電子的なミュージックが人気で、GITADORAではカバーが難しいジャンルが支持を得ている状況です。
そのため他の音ゲーと比べると勢いに劣る印象はありますが、個人的には細く長く続いてくれたら嬉しいかなと思っています。

 やり込んでいた頃の曲を聴くと、情熱のようなものが、今もふっと脈打ちますね。

 それではまた。

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