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2022年年末、パンデミック後の初海外はタイ(書いてお焚き上げ)

実は一年前の話だ。2022年12月末、3年ぶりのタイ旅行、コロナ直前2月にマレーシアに出て以来の海外旅の再開地点はタイ・バンコクにした。2019年年末のパンデミック直前に行ったタイで「同じところを辿ることで旅の記憶を取り戻してやり直す」的な気持ちもあった。コロナで中断していた俺の旅を取り戻せ、そして再生計画。いや、3年ぶりの海外旅行計画で行く前から気持ちが空回り・脳内が欲張りすぎて、どこに行っていいかわからなくなっていたのもあって、とりあえず考えずに回れる過去行ったルートを通ったっていうのが正しい。(正確には、パンデミック前最後の海外旅行は2020年2月末のマレーシア・ペナンですが)

コロナ禍で溜まりまくった旅欲が、事情で最後まで燃焼できなかったためここで「お焚き上げ」なので、長くなってしまった上にまとまりやオチは無いです。

チケットを抑えようにもコロナ前のように安くはない。なので溜め込んだマイルで航空券取ろうとしたら、仕事のせいで日程が決まらな過ぎて11月末にチケットをとった時に残っていたのは、12月半ばすぎの新千歳空港発バンコク行きだった。(前日まで福岡便もあったのだが迷っているうちに消えた。)

夜中は吹雪のようだった。

そのためタイ行きの前日夕方に羽田から札幌に移動し、初の北海道の地(というか空港)を踏み、空港内にある温泉に浸かって吹雪いている窓を見て大丈夫か不安になりつつ、翌朝の便で向かった。90%の乗客はタイ人や外国人と思われ、皆みやげのデカい袋を下げていた。ロイズのチョコレートあんだけ買ったら総額、、、と震えているのは不景気ジャパニーズだけなのだろう。この3年で大きく変わったことの一つだ。座席の周りも全部インバウンド観光客、お金持ちそうなタイの人たち。隣のタイ人夫婦は雪の写真を楽しそうにスマホで見返していた。
それにしても空路長いなあ、こんなに遠かったっけと思って気がついた。新千歳空港からだと羽田発よりそりゃ時間かかるわ。そりゃそうだ。

到着前に冬着をトイレで脱ぎ(思い出す行動パターン)、やっとスワンナプーム空港到着。久しぶりの感覚に、でも覚えているよスワンナプーム空港、この生ぬるいんだかきついんだかわからない空調と微妙なカビ臭さ、いい加減なゆるい感じ。指先から緩くなる感じするね。イミグレーションはネットで見ていたほど混雑はしていなかったが、荷物が出るのに1時間以上、SIMカード買って両替したりして、エアポートリンクとメトロ乗り継ぎで市内に着いた時にはもう暗くなっていた。

ギラギラキラキラ

1日目はチャイナタウンに泊まった。夜のギラギラ度は年々上がり続けてやまないバンコク ヤワラー、こぎれいになった部分もある、多少だが。でも路上のガラクタ露天が夜になると出てきたり、中国茶をコップで立ち飲みするお店とか、夜中ずっと外に立っているお姉さんとか(略)、変わらないものも多い。適当に屋台で食べて部屋のベランダでビール飲んで寝た。翌朝は早朝から市場の中でコーヒーを飲んだりご飯食べたりして、3年前に最後食べられなかったラートナーを食べて満足した。

朝日がスポットライトのように当たるチャイナタウン
老人の溜まり場でコーヒー休憩。

2023年にバンスー駅に長距離列車の拠点は移動すると聞いていたが、この2022年12月はファランポーン駅からはまだ列車は発着していた。とはいえめっきり人も少なかった。ここから夜行列車に乗るのもこの旅では考えていたのだが、海外旅行リハビリ、ということで見送るだけにした。

以前は人で溢れていたのに。そこにいるのはハト…

3年前もここから列車に乗った。今回も鈍行列車に揺られてアユタヤを過ぎ、またロッブリーへ。ロッブリーは遺跡が駅の前にある小さな町で、静かだが夜の屋台は活気あるし、街の感じが良くてもう一度行きたいなーと思っていたのだ。(ただし猿がいる、注意)

ロブリー駅
ロブリーで好きな道
ロブリーで好きな角の食堂
安宿。天井ファンが好き。
駅前はいきなり遺跡です
バイクもゆっくり進む


前回も泊まった安ホテルに泊まった。前も寂れていたがまた寂れていた。ファンが回る部屋とペラペラのシーツ、かけ布団はシーツ。硬いベッドにこれこれって思い出しながら。

食堂に入ったりぼんやりしたり街の外れまで歩いて行ったりして、翌朝は早くから起きて市場を歩いたり、3年前もいいっと思った朝日に照らされるフツーの街並みを歩いて、特に何をしたというわけではないが、気持ちは満たされていく感じはあった


街を歩きながら、見るもの匂うもの聞こえる音流れる空気が全部が久しぶりすぎるけれども、ああまたこれらの全てを感じられて嬉しい。懐かしいとかではなく、その場に身をおけて本当に嬉しい。それが全て。
この旅では何をしたかったというのではなく、こうやってダラダラぶらぶらしたかっただけなんですよ、異国のこの空気、匂い、光。としみじみ。

遺跡の横を列車が通る。猿に注意

翌日はアユタヤへ移動。列車が1時間半遅れだったが本を読みながら待った。アユタヤは最後に来てから20年近く経っている。渡し船があったな、その手前のゲストハウス止まったよな、コンクリの水溜があってそこから手桶シャワーだったよな、なんて思ったがどのホテルか思い出せなかった。暑いけど歩いてゲストハウスまで行った。日傘最強。

インターネットない時代に僻地の鉄道を追いかける姿にひたすら感服する。
タイの駅はかわいい。
このベンチがタイ国鉄ならでは。アユタヤ駅

アユタヤは2泊した。クンオップウンセン、ソムタムなどやっぱり現地で食べると美味い、朝ごはんのカオマンガイが美味かったのでカオモックガイも追加した。夜市で何を食べようか迷いすぎて3周した。行けなかった海外旅を取り戻すので食べる量が増えてしょうがない。でも中年なので限界が早い。

また列車に乗ってバンコクに戻る途中、バンスー中央駅はだいぶ出来上がっていた。次はここから出ることになるならドンムアン空港の方が便利ではという現実的な妄想もした。ファランポーン駅の2階の寂れたカフェで猫と戯れ、鉄道博物館(観客が他に誰もいない)を覗いて見学した。

駅の2階でコーヒーを飲んでいたらネコが見ていた
近寄ったらスルッと逃げられた


朝も昼も目的なくぶらぶらチャイナタウン。ピーナッツパンケーキを買い、新嘉坡という名前の店で甘味を食べ、昼間からチムチュム鍋を決め、電気屋街を覗き、裏道をぶらぶらして過ごした。
夕暮れのチャオプラヤー川を中国寺の駐車場の奥のスペースからぼんやり眺めた。おしゃれカフェが川沿いにできたりして、この迷路のような下町もオサレ観光地になった様子だった。元々下町がいい感じの地域だったが、自動車修理工場が並ぶ奥に突如現るオサレカフェはずっと人でいっぱいだった。夜は爆値上がりした元安宿で寝ていたら、花火が打ち上がった。

チャイナタウン周辺を回って満足したあとは、カオサン北の昔からあるゲストハウスに移動。時間が完全に止まっているゲストハウス、暗いし扇風機しかなく、共同トイレも一つであれこれ不便だったが、そもそも旅って不便だったよな、という当たり前の事実を思い出すことになった。別に不便を楽しんだわけではないが、旅は許容範囲を広くすると思い出した。

広い部屋で夜は暗い。そして静か。


カオサンあたりの古いカフェすやら市場をひたすら散歩した。夕方には白い砦の公園でエアロビクス踊ってチャオプラヤーエクスプレスを眺めた。コロナの間を辞めずに残った懐かしいホテルや食堂など、再会できて嬉しかった。また近いうちに。

この3年の間に変わったこと。タイは「当たり前」に「洗練」が加速されていたという印象だった。
国内の旅行者だって快適に泊まりたいのは当たり前で、ここ10年スマホ登場以後の新しいホテルの快適度は上がっていたが、さらに加速していると思った。もはやボロい安宿には物好きの中年以上しか行かない。
そして映えるもので楽しいことはSNSに上がる。インスタで切り取られるカフェや名所はどこも同じような世界に見えがちだ。特に2020から2022年の間はみんなが切り取られた世界だけを見ていたから、余計似たような世界の量産化が進んだのではと思うことがあった。
カフェの作りもビルの作りも高速道路から見える郊外ショッピングセンターも世界の見た目はどんどん均質になっていくが、それでも画像に切り取られない空気や街の音に触れたくて旅をしたいんだな。。。

ということで、結局何してたかって「ぶらぶらして帰ってきました。」だったけど、3年近くの怨念みたいなものはゆるやかに解毒された思う。しかし、あれこれしたい、行きたい、って思いながらも結局欲が突っ走っただけで、体は思うほど動かず。欲が残った。これは消化される日は来るのだろうか?
旅と旅の時間が開いたことでの感覚の鈍さと鋭さとが混在した変な感覚もあった。

最後は、自分は運が悪いと感じざるを得ない事が起き、いいことと悪いことは表裏、次にやって来るのはどちらか。禍福は糾える縄の如し。でも最後に食べた、なんてことはない屋台のヌードルがしみじみ美味かった。

2022年12月

駄文でも書いて吐き出すことで、不完全燃焼だったこの旅を、自分の中でこの久しぶりの海外旅をお焚き上げせねばと思いながら1年経ってしまった。
結局その後、海外にはまだ行っていません。
コロナもあったが不景気と円安が過ぎてのおかげで再び隔絶感が出てしまった。2024年は行きたいと思ってるけど。お休みは計画的に!


12月年末にタイに行くこと多いのだが、夜はなんだか薄寒く感じることがあった。寝袋持って行った方がいいなって思いました。歳だから?いやシーツしかない安宿泊まりをやめればいいの?笑

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