シュルレアリスム展@板橋区立美術館
高島平と下赤塚の間にあるトーキョー23区果ての果てと言っていい、その先は多分埼玉県、交通手段は最寄駅から徒歩20数分という果て感が増す立地にある美術館、板橋区立美術館に行ってきた。
とはいえシェアサイクル使えばなんとでもなります。ハローサイクリングのポートも近くにあるのでバス待つよりは利便性高いのではと思います(晴れなら)。入り口には「遠路おつかれさまです」って書いてあります。
シュルレアリスム。ついついついついシュールレアリズムと書いてしまうあたくしですが、若い頃はあるあるでマグリットやらダリが好きで、ヨーロッパへのバックパッカー旅行(数週間ユースホステルでパスタを自作する的な)で見に行ったりもして好きなジャンルです。夢か現か。世の中や人が持つ不安や欲を映し取ったような絵が、じんわり心に響いたのだろうか。
この展示は日本のシュルレアリスムを集めた展示で、確かに自分は日本のシュルレアリスムはあまり見たことないので足を運んでみた。中は撮影禁止。
『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本|板橋区立美術館
冒頭は先駆者の東郷青児、古賀春江から展示はスタート。これが1929年ごろ。そして10年で最盛期を迎え、戦争に入り弾圧されていく、短い期間に始まり、戦争で中断する。
1937年ごろから日本にもダリの影響が入ってきて、地平線に奇妙な形の物体、生物を配置した絵で時代の不安などを表現していく。しかし時代の流れで弾圧され、福沢一郎も1941年に拘束されてしまう。
1937年ごろの「写真のシュルレアリスム」が現代的で、今の目線で見ても超クール、カッコいいという印象をもった。戦争に突き進まなければアートシーンは断絶せず、進化を続けたんじゃないかと。。。これは芸術だけに限らないが。。。この後作家たちは戦争に駆り出され、戦死された作家もいたという。
杉全美帆子さんの解説パネルがわかりやすく楽しいので事前に見ておくのおすすめ。
https://x.com/itabashi_art_m/status/1765985801702084825?s=46&t=YtqxdAlYA2WKQcJHq8kqHQ
展覧会じゃないと見られない小さな絵も見られて良かった。
特に、藤田鶴夫のインクと紙の「生活の恐怖」「生活の叫び」、引き込まれる緻密なペン画。
この絵はシンプルだが覗き込んで長くとどまる人も多く共感できた。
美術館の裏手には東京大仏があります。
なぜかビルマ文字の絵馬が目立った。大きな派手な仏が多いミャンマーからすると、日本の寺は地味すぎるし小さい仏しかいないし近くに寄れないから、故郷にある仏像サイズに近いこの大仏を拝みたくなる気持ちはあるかも…などと想像してみました。
この後、JR板橋方面で友達と会って花見をする予定だったので自転車を漕いで向かったが、案外遠くて走行距離9キロ弱。板橋区は想像よりも広く知らない高速道路の横をずっと並走した。でも空は広く、知らない道を行くのは楽しい。花見で板橋区民と「そこは行ったことがない奥板橋、それは埼玉」みたいな話をしました。
2024年3月末