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ファシリテーションの過剰と不足

逆U字型を描く「成果」のグラフ

ファシリテーションは、やり過ぎるか、やらな過ぎるかのどちらかになりやすいものです。だから難しいし、楽しくもあります。

もし仮に、ファシリテーションの「介入の度合い」を横軸にとり、その場から得られる「成果」を縦軸にとれば、そのかたちは逆U字型になります。

横軸を辿っていくとします。全く介入しないより少しは介入したほうがいい成果が出ますが、介入し過ぎれば成果は目減りしていき、過度の介入になると成果は0に近づいていきます。

ちなみにファシリテーションの成果とは、その場にいる全員が場を経て得たもの全ての総和です。

こういうグラフの頂点を狙うには、介入のバランス感覚やメリハリが必要です。介入すべきときに介入し、そうでないときには介入しない。


オンラインとオフラインのファシリテーション

この逆U字型のグラフは、オンラインとオフラインでは少し頂点の位置(つまり成果が最大化するときの介入の度合い)が変わります。つまり、ファシリテーションの場がどちらかによって、ファシリテーションの適切な介入の度合いが変わってくるということです。

オンラインの逆U字型グラフの頂点は、オフラインのそれに比べると右側に移動します。つまり、オフラインよりもオンラインのほうが多めの介入をしたほうが成果が出やすいということです。


ケアの不在と俯瞰的なファシリテーション

なぜこうなるのか。その理由の1つは、オンラインでは「ケア」が失われるからです。

例えば、先日2つのコミュニティで合同イベントをやったのですが、グループ分けのときにわたしのミスで片方のコミュニティメンバーしかいないグループが存在する状態になってしまうタイミングがありました。

リアルな場だったら、誰かがその状況に気が付いて「じゃあ交代しましょう」という感じで声をかけあうことができたはずです。

そういった他者への小さなケアの積み重ねでリアルな場はホールドされる感覚があります。でもオンラインだとそのケアが失われやすいし、そもそもケアすべき状況が参加者には見えないこともある。

このようなケアの不在はオンラインイベントを難しくしますが、だからこそ俯瞰的なファシリテーションが重要になってくるとも思います。

そんなわけで、オンラインはオフラインよりもケアが不在な分だけ、ファシリテーションの介入が多めに必要になるのです。

もちろん、過ぎたるは及ばざるが如しなので、適度なバランス感覚が必要なのはオンラインでもオフラインでも変わりません。

バランス感覚は経験で身につきます。今はオンラインを実験するの好機とも言えるので、STAY HOMEしながらオンラインでファシリテーションする経験を積んでおくといいかもしれませんね。

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