見出し画像

純粋理性批判2

非常に難しい。
理解できたことはほんのわずかだった。

カントは時間と空間をアプリオリなものとして前提しているが、この前提がまず納得できていな。人間はうまれたときから時間と空間を認識しているのだろうか。成長過程において認識するのではなかろうか。
今回も書籍の半分程度を中山元による解説が占めている。
これがなければ、理解は難しい。この解説があっても、ほとんど理解できないのだから。
人間は、連続した時間を認識して生きている。過去と現在がつながっているものだと認識している。それがなければ、音楽は理解できない。今聴いた音が、次の瞬間には過去になる。その音を記憶したうえで、その次に来る音とのつながりを理解する。その繰り返しによって、人間は音楽を理解する。つまり、人間がなにかを理解するためには、過去・現在・未来という時間の流れを認識している必要がある。
カントが述べるところによると、三段論法は、個別の事象を説明するだけで、普遍的な物事を説明することができない。アリストテレスは人間である。人間は必ず死ぬ。だからアリストテレスは死ぬ。のように。アリストテレスについて語ることはできても、人間全体について語ることはできない。
また、たとえば、庭を眺めていて、そこにケヤキがあることを認識するためには、木という概念をしらなければ、目の前には緑の塊があるだけで、地面とケヤキを区別することもできない。など。
要するに、人間がなにかを認識する際に、人間の中でなにが起きているのか、ということを分析していくのが、本書なのだろう。
難解であるとはいえ、こういう思考の流れに触れることで、頭を使う。自分なりに理解しようとする。カントはなにを考えているのかとか、この理論は果たして正しいのだろうかとか、そういう風に考えることで、読者も成長していく。それが哲学の面白さだ。

サポートいただくと、よりよいクリエイティブにつながります!