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ブロークバック・マウンテン

渋くていい映画だった。
ジェイク・ギレンホール、ヒース・レジャー、ミシェル・ウイリアムズというメンツだけで期待して観た。

カウボーイというマッチョな価値観が支配する世界で、愛し合う男たち。
どんなに奇妙で歪んでいようとも、愛し合う人たちにとっては、それが愛なのであって、どうにもならない。周囲がなにを言おうと止められないのだ。
本作は、20年にもわたる愛の中で、時が流れ、ふたりをとりまく環境が変化していく様子を丁寧に描いている。環境は変化して、愛も揺らぐことがあれども、互いを結びつける絆の深さは変わらない。ふたりとも結婚しているが、妻とは当然うまくいかなくなる。
ヒース・レジャーの妻を演じているのが、ミシェル・ウイリアムズで、幸せを壊され、それでも耐えに耐えて、ついに号泣するシーンは、彼女の十八番であり、小生のハートをがっしり掴むのだった。

ヒース・レジャーは「ダークナイト」のジョーカー役ではじめて知った。本作では、おとなしいイケメン役。目の動きだけで演技できる俳優だった。亡くなったのは残念だが、世界中の多くの普通の人々は、若くして亡くなろうが、なにも残せない人もたくさんいるわけで、そういう意味では、ヒース・レジャーは素晴らしい演技を、作品を、残すことができたのだから、恵まれていたのかもしれない。

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