選挙のこと~政治、政局、選挙と呪いの言葉~
ちょっと呪いの言葉にあたって自家中毒気味なのです。
「それでは選挙に勝てない」
「万年野党でいいのか?」
…。ムカムカする心の症状が収まって来たのでゆっくりと考えてみました。
ちなみに、私は政治については考えたいと思いますが、政局、ことに選挙のために政治理念を曲げると言うのは最も嫌いです。
結論から言いましょう。
「それでは選挙に勝てない」
☞「それで選挙に落ちるなら最初から勝てない」
「万年野党でいいのか?」
☞「選挙のための政治で与党になるべきではない。
政治は誰のモノなのか?」
他にも「それじゃ甘い」とか「選挙に勝たないとやりたいこともやれない」とか色々呪いの言葉を延々と何時間も投げつけられてnoteに自分の考えを整理せざるを得なくなるほどの自家中毒で週末から月曜にかけてぐったりとしていたわけですが、それをきちんと回復させてくれる仲間って良いなと #関西立憲経済女子同友会 の皆には感謝しております。
政局や選挙のために理念を曲げるのは嫌いですが、曲げなければ勝てないと呪いの言葉を信じ込まされている人に、理念を持った戦略をきちんと提示したいと思います。
はじめに【関西立憲経済女子同友会について】
関西立憲経済女子同友会は関西の立憲パートナーズの有志の女性で構成されており、構成の中には中小零細企業の経営者も比率的に多く含まれています。経済と言うマクロ理論に対し、経営というミクロの理論はよく理解している人も多いのです。そして、代表幹事を務める私は大学で経済学と言うマクロ理論の基礎も理解しております。
マクロ理論からミクロ理論を理解することは難しいのかもしれませんが、ミクロ理論からマクロ理論を理解することは比較的容易です。それが表裏一体であると言うことも。
女性だから、ゆるくやっているようにみえるから…など、おそらく知ろうともせずに固定概念による決めつけで投げかけられた数々の呪いの言葉により、それも立憲民主党の党友であるという味方の顔をした人によって投げられた言葉によって自家中毒となっておりますが、その回復の過程の一環として自分たちがどのような理論をもって活動しているのかを原点に帰ってきちんと書いてみたいと思います。
ゆるくやっているように見えるのですが、実は確たるマーケティング理論の上に活動計画を立てているのです。その理論を説明します。
1.【ランチェスター戦略】
以前にこんなtwitterモーメントを作ったことがあります。
1年半前の投稿ですね。
まぁ、書かれているランチェスター戦略におけるクープマン目標値は変わることがないので、資料はこのまま使います。
1:1の地上戦が崩れたワーテルローの戦い以降の近代戦闘の戦略についての考察がランチェスター戦略であり、これを企業の営業戦略としてテレビなどのマスの広告戦略と営業などの地上戦に応用した理論です。
SNSなどのWEBメディアが出てきたこと、ウイズコロナの時代なこと、一時的なブーム後で立憲の支持率が落ち着いたことでこの状況は変化していますが、少なくとも消費者心理を理解する基礎として知っておくのは戦略を理解する助けになると思います。
ちなみに政治は理念を実現するための手段です。手段に呑み込まれてはいけないんですよ。だから、理念を実現するための手段を持てば良いわけであって、手段のために理念は曲げるべきではないのです。
さて、強者に対して同じ戦略を執れば弱者が負けるのは当たり前です。しかし、ベトナム戦争のように圧倒的な弱者がアメリカを退けて勝った実例もあります。弱者には弱者の戦い方があるのです。
もっと身近な例で言えば…私、iPhoneが日本に最初に入って来た時の元代理店ですよ。当時、圧倒的に売れる商品ではなかった。
「iPhoneいかがですか?」
と聞いたら、
「そんなおもちゃなんかいらん。ケータイで充分や!」
と100人聞いたら99人に言われた。でも、売ったから今、シェアが世界的に見てもおかしなぐらい日本で大きいでしょう?強者は最初から強者だったわけではないのです。最初から強者の戦略に乗りたいのであれば強者になってからお出で頂ければいい。私は弱者であっても理念を共有できる人と一緒に共に強者になるべく動きます。弱者の戦略で。
戦略の前にひとつだけ言っておきたいことがあります。前川喜平さんの講演会で、前川さんが引用した言葉です。
「理念なき現実論は後退に過ぎない。現実論とは理念を持ち、その理念を現実に即して応用していくことだ」
つまり、戦略のために戦略は必要ありません。理念が先ず前提です。
2.【クープマン目標値】
理念が先ず前提にあることを念頭に、現状の立憲民主党の立ち位置をクープマン指標で考えようと思います。現状の立憲民主党の支持率は平均して6~8%くらいだと思います。明らかな弱者ですが、それが何を意味するのか?
市場存在シェアをやっと超えたところ、つまり、立憲民主党と聞いてもピンとこないけど例えば「枝野さんのところ」とか、「野党第一党」と言えば「あぁ」と思い出すくらいの認知度というところです。
・市場存在シェア
生活者において、助成想起が可能なレベルです。市場において、ようやく存在が許されるレベルとして位置づけられます。
はい。このままでは立憲民主党の看板背負っていても選挙で勝てるかと言えば絶対に勝てません。ましてや小手先で理念を曲げて政策を変えても全く意味もありません。
他党の政策を周知する前に、先ず、立憲民主党の存在、その理念と政策を知ってもらうことが先決の状態だと言うことを理解した方がいいと思います。
似非軍師様が色々案を出されていますが、全く世に知られていない商材を売ってシェアを26.10%以上まで押し上げた経験のある方は居ますか?居ればこの6.8%~19.30%の時に何をしなければならないのか必然的に知っているはずです。
営業です。
ランチェスター戦略の第一法則によれば弱者の戦い方は
戦闘力=武器効率(質)×兵力(量)
・接近戦
・一点集中
・陽動戦
以上となり、これはマスで広告を打っても結局は量的なところとは全く戦闘にならずToo Smallとなるだけでムダ金になります。消費税がどうこう言う話も支持率が限りなく0%に近い他政党の支持者を喜ばせるだけで、現在、内閣不支持の60%近い無党派層には全く響かないんですよ。
そもそも知らないから。立憲民主党なんて政党のことを。
先日も安ければ売れるって言うのはダメ営業の言い草だと言うのもエントリーしています。
今必要なのは今の立憲民主党を理解し、内閣不支持の60%の人ひとりひとりに向き合って、その課題が今の立憲民主党の理念と政策で解決できる人と出会うことです。
今の状況を相対的に正しく理解し、今やらなければならないこと、次にどんな状況が来るのかを予測して今やらなければならないことを粛々と遂行できる人であり、理念の実現というゴールを目指さず目前のことに付和雷同する人ではないのです。
3.【イノベーター理論】
では、今の状況の把握のためにもう一つ資料を。
エベレット・M・ロジャーズ「イノベーションの普及」
イノベーター理論とは、スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャースによって提唱された、新商品や新サービスの市場浸透に関する理論です。
ロジャースは、著書「イノベーションの普及」の中で、「イノベーション=新しい概念・モノ」がどのように伝搬していくか(普及していくか)について実証的な研究に基づき、共通するイノベーションの普及パターンを解説しています。
誰に対してアプローチするのかというターゲットの選択に必要な理論になってきます。現状、ランチェスター戦略におけるクープマン目標値で、立憲民主党は市場存在シェアから市場認知シェアを目標として営業戦略を執るべきステージにあります。
政治の世界はビジネスの世界と違い、これまでにない新商品ということはもうありません。全ての人が既に政治に関わっている状態、何か他の商品が既にある状態であるマーケットです。よって、この図におけるラガード層は強固な与党支持者層であり2.5%は与党支持者のイノベーターであるわけです。
今回のコロナ対応で内閣支持率が下がり、不支持率が上がりました。また与党支持率も下がりました。しかし、それが即立憲民主党の支持率に繋がるのかと言えばそれはあり得ません。与党にとってのレイトマジョリティ層が消極的支持から不支持に移行した状態なだけです。つまり、野党にとってはアーリーマジョリティ層が増えたということ。でも、それだけでは立憲支持には絶対にならないことを示す図を次に挙げます。
キャズム理論
イノベーターの次に動くのはアーリーアダプター層。そしてアーリーアダプター層とアーリーマジョリティ層の間には深い溝(キャズム)があるのです。
確かに今はチャンスではあります。が、今、アーリーアダプター層もきちんとアプローチできていない状態で不支持が多くなったからと新しいアーリーマジョリティ層にアプローチするのはターゲットが違っています。アーリーアダプターになる層にしっかりとアプローチし、そこを固めてからアーリーマジョリティ層にアプローチする2段階の戦略が必要となります。
最後に【もうやってるから…】
ここまでで400字詰め原稿用紙にして10枚の原稿になっています。既に我々関西立憲経済女子同友会はコロナ前に顔を会わせて話すクローズドミーティング6回と田中信一郎先生をお招きしたオープンセミナーを1回、そしてコロナ禍中でzoomでの週1回のミーティングを重ねて以上の理論は既に皆が共有しているところです。体系的に書いたのは初めてですが、既に皆で共有している知識です。
大きな理念についても党の方針をきちんと共有し、そして、実行部隊としての大きな戦略も共有できている状態で自分のなすべきことが分かって粛々と実行している状態の人たちなんですよ。
そこへ自分が何をしていいのか分からない状態のまま「このままじゃダメ」「甘い」と言う自分の不安を持ち込んで私たちを一生懸命否定しても意味がないんです。
先ず、私たちはどういう考えでどんなことをしているのか?とりあえず書いてみたので理解してからその前提でお話ししましょう。既に戦略は共有していて、戦術会議を毎週しているところですから。
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