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九 眠りの真実/アルカナ眠る君に噓はつけない

 仁はデスクに腰かけ、積まれた書類に目を通していた。悠真が入ってこようと顔を上げる気もないのか、淡々と捺印を続けている。
 悠真はソファの脇で立ったままだった。品良く髪を撫でつけ、カフスにまで気を遣う禁欲的な佇まいの義兄に、昨夜の淫猥な面影はない。それが強欲な獣に変わる姿を想像しただけで、目を合わせられないほどの羞恥を感じた。
 見てしまったのだ。義兄がセックスをしている姿を。あの射るような視線を思い出し、鼓動が強く打ち始めた。

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3,033字
某BL雑誌でA賞を取った作品です。 完結しています。全27章。凡そ75000字です。 18禁指定。少しハードなBLです。

義父の通夜で初めて義兄<仁>の存在を知る悠真。実父を憎む冷淡さがありながら禁欲的で支配性すら感じる魅力に悠真は不覚にも魅せられてしまう。目…

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