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進捗報告:「0」からこのドメインで生きていく。

ちょっと遠くに来たので、ここ最近を書き溜めようかと。
ダラダラと書きます。少し長くなります。


J-SpeakLab の振り返り

少し前ですが10月でBatch02のクラスが終了した。
コース開始時は10名程度のクラスでスタートをして、レベル差やバックグラウンドも様々な学習者が参加してくれた。

できたこと:丁寧なコンテンツ(教材の解像度の話)

ビジネスワーカー向けに実践ベースのカリキュラムを提供するのは、それなりに課題に溢れている。

領域ごとに必要な日本語表現や専門用語も異なる中で、カリキュラム構成を考えなければならない。授業の中で扱える内容も限られている。

用意するドキュメントやワーク資料は、学習者の仕事を調べながら把握して、その業務フローを教師ができるだけ解像度高くイメージすること。
そして、ある程度の入れ替えでそのまま実践で使えそうなものを用意する。

レベル差もあるので、難易度別に毎回3業界ずつのワーク資料の用意と事前のインプットドキュメント。
課題では自分の仕事ベースの資料へのリメイク、FBなど。

実務解像度が高い丁寧なコンテンツをきちんと用意することで教室活動の質はかなり上がった。

できたこと:小さな成功体験

上記の話の続きになるが、丁寧なコンテンツを用意することで、レベル差を心配していた何人かの生徒も、同じ教室活動の時間中で、きちんと小さな成功体験も積ませることができたかなと。

話したことが伝われば、きちんと嬉しいし、嬉しかったらまたしっかり準備してきてくれる。

特にスピーキングのワークに関しては、序盤かなりうまくいった感触はあった。 レベルに応じて、高い人は自分でアレンジして実践を体験できる。

できたこと:デプスインタビュー

フェーズごとにデプスインタビューを回しながらきちんと声を拾っておく。
こんなにもユーザーの顔がそばで見れて、こんな距離で声が聞ける。
こんなありがたことはない。

レベル別(A,B,C)、目的別(全6種)、属性別(学生、社会人)にグルーピングしながらそれぞれのグループごとにさらにフェーズで階層を分けて、各種ペインの仮説を立て1人2時間程度時間をもらった。

サービスの良し悪しではない。学習に関することも交えながらどんな人生を歩んできて、どんなことに喜怒哀楽を感じ、どんなのマインドセットで、どんな心境の変化があって、そのきっかけなんだったのかなど。

  • 課題や痛みを感じるポイントが存在すること

  • 課題に対する痛みの強さと頻度について

  • 課題は解決されるべきであるとは信じているか

  • 置かれている環境で課題解決ができない制約の有無

  • 課題やペインに対する代替案の有無とその不満

これらを彼らの歩みの中でつまみながら、たくさん話をもらえた。

できなかったこと:メンバーの離脱

私たちにとっても「この人がコース完走して、レベルを引き上げられればかなり自信になる。」とベンチマークとしていた生徒がいた。

レベル差的にはかなり本人にとってもこのコースに参加することはチャレンジなことだった。 120%サポートするから、食らいついてほしい。その約束通り、誰よりも真剣に取り組んでくれたが、結果途中離脱することになってしまった。

ある授業中に「あっ、心の糸が切れそう。」と感じとった時には一歩遅かった。 その人は、最後まで「申し訳ない。」と言っていた。

コミュニティ学習の中で、「申し訳なさ」が「一生懸命取り組む責任感」でいてくれるラインを完全に見誤ってしまったと。

あの時のあの表情がずっと忘れられない。
もしかしたらこれ以上折れないための勇気ある離脱だったかもしれないし。 もしかしたら対応次第で乗り越えられてたかもしれない。

最後に面談した時には、前向きな言葉をくれた。
いつかまたレベルが追いついたら参加したいと。

できたことも。できなかったことも。整理しながら次に進む。

振り返り:学習はモダンでなくてはいけない

どんな日本語教育を目指していこうか。
と日々問いを繰り返すわけだが、ある学習者がこんなを話してくれた。

「扱うコンテンツも学習方法もモダンで、 ダイナミックな設計であってほしい」

ゲーミフィケーション豊富な学習ツールは、私たちにとってはノイズである。また、社会や情報など日々状況が変わっている。それらに合わせたコンテンツを扱って欲しい。

ビジネスワーカー向けの日本語教育では特に求められることなんだなと。私(達)が提供するもの、届けたいものはそういうコンテンツでありたいなと。より目指すもののイメージが深くなった気がします。



会社を閉じました。という報告。

(ちょっと急な話になります。)
近い関係者には直接お伝えしたが、10月で会社を閉じることになった。
理由を一言で言うと上手くいかなかった。

開発していたVRプロダクトの開発側(私)のスキルと速度が鈍化していたことと、検証を回してから方向性も見えないままだった。

C向けのスクールは、ポツポツと口コミも出てきて”教育の質”というものに自信を持ち始めていたが、それでも生徒の集客には苦労していて、次のBatchは完全にコケてたこと。

最後の生命線だった、B向けでは仕込んでいた案件が立て続いて失注していたこと。

理想を掲げながら、目指すものをコツコツと進めている一方で、期待してたものが期待通りに進まないことも多く。
毎日「上手くいかない感」が自分たちに積もっていた。

ある朝、授業準備をしている時に相方から「心が折れた」と告げられ、それでも、まだ試したいアイデアもある。まだ戦える。という自分と、”この辛さから解放されたい”という言葉に共感してしまう自分がいる中で、最後は傷が浅いうちに一度撤退しましょうか。という二人の回答になった。


これは進捗だと前向きに。

それから挨拶回りと手続き的なことはしながら、
しばらくもぬけの殻になっていた。

これから何をしようかと。
とりあえず転職サイトに登録したり。
履歴書や職務経歴書、英文CV作ったり。
求人漁って、面談やってみたり。
気持ちの整理がつかないまま、こんな時間を過ごしていた。
( 転職活動は少し楽しかった。見えるものが随分変わった。)

誰とも顔を合わしたくない日が続くが、
こんな時に限って「最近どう」連絡がたくさん来る。

久しぶりに会った高校の友人も気づいたらスタートアップにいた。
これまでのこと。やりたかったこと。失敗したこと。
全部赤裸々に話すと
「失敗じゃなくて、これは進捗だね。」と。一言。

G's同期も外に連れ出して話を聞いてくれた。
いろんな話をしてくれたが、酔っていて詳しくは覚えていない。
その日の日記には、こんなことが書いてあった。

そうだ。作りたいものがあるうちは戦える。
これはただの進捗だ。と腹落ちして前向きになれた。


これからのこと

どんな形で、いつリベンジするか。
まだ細かいことは何も決まっていない。

現在は有難いことにいくつかお仕事をもらってる。
領域でいうとグローバルHRとリスキリング教育とプログラミング教育だ。

去年から手伝ってたグローバルHRの会社は、
当初の業務範囲を超えて色々関わらせてもらってる。
別企業のお手伝いもポツポツと始まってきた。

ライスワークとしての側面だけでなく、前後で自分の領域(日本語教育)とも関わりがあるのでのノンネイティブワーカー向けに一部アイデアを落とし込んだり、法人研修のあれこれを学ばさせてもらいながら、お手伝いできるという大変恵まれた環境だ。

一方で、自分の目指すものは追っていく。という自分との約束。
日本語教育領域でやりたいこと。作りたいものは手を動かしていく。
そして作るだけじゃなく、日本語教育の現場にも出ていきたい。

しばらくはこの両輪回しながら生きていく。

自分のミッションのこと

さて、また「0」からスタートをするわけだが、
会社で掲げていたMISSION「ノンネイティブワーカーが活躍できる世の中をつくる」は、私個人のミッションとして改めて掲げていく。

日本語という壁で仕事に苦労していた同僚。
上手く転職できずに帰国してしまった同僚。
泣きながらも日本の生活やキャリアのためにもがいてた生徒。
そんな人たちをまずは笑顔にしたい。という想いだ。

今、こそこそと手を動かしているプロダクトで、
もう一度回答を出して、世に問いてみよう。


おまけ : 衝動を枯渇させないために

現在、オランダから南下してスイスにいる。

アムステルダムで新宿西口待ち合わせのノリで友人に会って、
アウクスブルグで十数年ぶりに家族全員が揃った。現地集合、現地解散。
ツェルマットで延泊に延泊を重ねてマッターホルンの麓まで来た。

(GORNERGRAT ZERMATT, Switzerland_標高3089m )

物価がものすごく高い。すれ違う観光客で日本人は少なく、周囲からは中国語とベトナム語がよく聞こえてくる。

足元の悪い雪道なのにキックボートでみんなガンガン移動してる。現金はほぼ使わない。鉄道チケットもいろんなアプリが増えてた。空港でSIMカードの購入もいらない。随分便利になったなと。

衝動を枯渇させないために遠くに行かなければいけない。
年の初めに今年はできるだけ外に出ようと決めていた。

誰も自分のことを知らない土地に行って、
異なる言語で何か言葉を交わす。
とても何気ない小さな成功体験を自分も積み重ねること。

言語を話すっていいな。
一生このドメインにいるんだろうな。と内省した訪欧でした。

「0」からだけど。
もう一度このドメインで立ち上がろう。


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