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マンガ『死がふたりを分かつまで』

『スプリガン』と同じく、たかしげ宙原作、作画はDOBLE-Sだ。こちらも時代の変化で色あせない。といってもまだ連載完了して5年しか経っていないけど。

盲目の剣士といえば、座頭市始め、画期的な設定ではないのだけど。剣の求道者が現代でどう生きて行くのか、傭兵として『ジーザス』(キャラクター名でもあり、作品名でもある)と絡めることによって面白みがグッと増している。

何よりこのマンガはSFアクションなのだ。スプリガンの世界とは繋がらないが、面白さは負けていない。

主人公がとにかく格好良い、名前が土方護というのも素晴らしい。彼が使うのはもちろん剣なのだけれど、日本刀ではなく科学技術が駆使された仕込み杖なのだ。サングラスを掛けているのも、視力がないのを隠すためではなく、超音波で位置測定機能を持たせて視えるために掛けている。

サングラス越しに見る世界も作画の素晴らしさで、説得力があり戦闘シーンに色々なバリエーションをもたらしている。とにかく、主人公が映えるアクションシーンの数々はたまらない。

タイトルがすると恋愛話なのだが、渋い主人公の相手は超能力を持った美少女だ。能力を発揮するシーンとして宝くじ売り場で、スクラッチくじの当たりを買ってみせる。このシーンはヒロインの可愛さと能力の凄さを、同時に見せていて好きなシーンの1つだ。

物語としてはオリジナルキャラクターに、『ジーザス』が加わって日本を、飛び出すスケールの話になる。

それでも話としては破綻せず、タイトルどおりの結末に持って行くのは流石だ。

長い物語の推進量としては、主人公達の圧倒的なアクションシーンとキャラクターの掘り下げによるものだ。原作者と作画者の幸福な出会いの恩恵を、読書が受けられてありがたい話だ。

連載時は実は存在したいを知らなくて、たまたまTSUTAYAでレンタルしたのだけれど。一気読みできて良かった、本当に幸せな出会いだった。


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