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マンガ『ワールドトリガー』

少年ジャンプといえばバトルマンガだ。バトルマンガには、賢い系とおバカ系がある。

葦原大介の前作はノホホンとして味のあるマンガで、もっと続いて欲しかったなあと思っていた。ただ、次にこんな面白いマンガ描くのなら、良い決断ですと言うしかない。

賢い系バトルマンガは『HUNTER×HUNTER』を思い浮かべてもらうと良い。勝敗にも強くなるにも理屈があり、読者が納得できる。死んだ人間が理由もなく生き返らない。

冨樫先生が描いてくれないから、この作品が賢い系のトップになっていたら、この作詞も体調を崩してしまった。

週刊連載で賢い系バトルマンガを描く、というのは相当シンドイのだろう。復活してくれて良かった。

このマンガがとにかく賢いのは、訓練室とランキング制度だ。ボーダー隊員は訓練室で個人でもチームでもランキング戦に参加できる。これは客観的にキャラクターの強さでを測定できる、敵であるネーバーの強さは相対するボーダー隊員がどのくらいのランクで、どれだけ苦戦するかで測られる。

訓練室の戦闘は訓練実施者以外も見学ができ、解説が描かれる。チーム先生なんかは観戦席があり、解説者もいる。

作者が考えた世界観、ルールを自然な形で優しく説明してくれる。今の戦闘のどこが凄かったかの解説を丁寧にしてくれるのだ。だからといって、戦闘シーンがショボい訳ではない。解説なしでも充分に面白い、ただし解説があった方が更に楽しめる。

作者が考えた新しいスポーツ、またはゲームを、みんなで見ている感じになる。これは楽しいに決まっている。

そしてノホホンとして、味わい深いテイストは全く変わっていない。実際には世界として絶望的な要素が多いのだけど、キャラクター達はすんなりと状況を受け入れて毎日を楽しんでいるような気配すら伝わる。

ストーリーとしても大きな柱が立っていて、そこをきちんと登っている。そろそろ終盤なんだろう、訓練室を出ての本格的な実戦になるはずだ。

好きなキャラクターがきちんと生き残ってくれると良いのだけれど、ノホホンとは行かなそうだ。

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