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「知ってるつもり?!」より ヨゼフ・ゲッベルス(1897〜1945)

30年くらい前の番組。放送開始から最後まで、ずっと見てたわけじゃないし、知らない回はたくさんあるけど、ビデオ録画したものを少し持っている。見るのにとてもエネルギーがいる、辛い内容も多く、たまにしか見返さないけど、忘れたくない内容がたくさんある。

前にnoteで記事にした「浮谷東次郎」

ヒトラーは、多くが知るナチスの指導者だけど、その影のようなゲッベルスは、そこまで知られていない。

ヨゼフ・ゲッベルスは、ドイツの平凡な家庭に生まれるが、小児麻痺で右足が不自由になる。
他の子供達と走り回って遊んだりはできないが、とても成績優秀で自己顕示欲の強い生徒だった。
人の観察眼に優れ、他人の弱点をつくのが上手く、「ウレックス(こすい、ずる賢い奴)と子供達から仇名で呼ばれ、それを自分で気に入ってサインなどに使っていたらしい。

青年期、軍人に志願するが、足のことで兵役不適格になり、ショックを受ける。
ユダヤ人のハイネの詩を愛読して、小説を書くようになる。軍人として英雄になった友人のエピソードをを自分として書いたものを出版社に出したりするが、出版不可で小説家になれない挫折を経験して、出版の世界をユダヤ人が力を持って占めているせいだと考えるようになる。

20代後半、ヒトラーとの出会い、意気投合。ヒトラーは画家を目指して挫折し、ユダヤ人に恨みを持つようになり、ユダヤ人排斥を主張していた。

1933年、ヒトラーは政権の座につき、ゲッベルスは宣伝大臣になる。
ゲッベルスの演説は、人を惹きつける非常にいい声だったと言われる。
思想の統制のため、梵書を行う。
ゲッベルスが焼いたユダヤ人の書物の中に、ハイネもあった。その中には、「書物を焼くものはやがて人間を焼くようになる」という言葉があった。

1936年、ベルリンでオリンピック開催(ナチオリンピック)
ゲッベルスは、原始的群衆本能(闇の不安、火の興奮)を巧みに利用して、オリンピックで火や旗を使い、ナチスの宣伝効果を大きく上げる。
聖火リレー、オリンピックのテレビ中継は、ゲッベルスの考案によって、世界で初めて行われ、現在にも受け継がれている。

「大衆は女である」として、ゲッベルスは安く大量にラジオを売り出し、普及させる。 
主婦が家のどこにラジオを置き、放送を聞く時間などを調査し、音を使いわかりやすく何度も繰り返すこと、単純な言葉のスローガンの反復で、大衆操作を大成功させる。

「事実をありのままに伝えてはいけない」(ゲッベルス)

現在も、ゲッベルスの考案した宣伝演出技術は、世界で多く使われている。
「それ自体は悪いことではなく、メディアはいい方にも使える」と番組にあった。

左からピーター・フランクルさん 伊藤かずえさん、立川志の輔さん

ピーター・フランクルさんは、ユダヤ人で、親族が実際にアウシュビッツでヒトラーに殺されている。
志の輔さんは、ゲッベルスのことを「強大な力を持つようになったヒトラーは、実は裏で俺が全部操ってるんだ、俺の方が上だ」っていう意識だったんじゃないかと仰っていた。

ゲッベルスは結婚して5人の子供を持つ。
しかし、多くの愛人を持ち、女優リダ・バーローヴァとの不倫関係は大きなスキャンダルになる。

ゲッベルスの家庭は、ナチスの模範的な理想家族としての宣伝効果が高かったため、ヒトラーがこのスキャンダルを許さず、リダにゲッベルスと別れなければ女優生命を絶つと脅し、ゲッベルスの離婚を許さなかった。

放送当時、80歳のバーローヴァのインタビューがあった。近い歴史なんだなあと、生々しい気持ちになった。

「ゲッベルスは恐ろしい人ではなく、本当に愛し合っていた」と語るバーローヴァ

1945年4月30日、ヒトラーは自殺する。
その翌日5月1日、ゲッベルスはヒトラーから首相に任命されているが、地下壕で5人の子供を毒殺。夫婦は、自分たちの死体を焼くよう部下に指示して、銃で自殺する(ゲッベルス48歳)。

「ユダヤ人が強制収容所で大量に殺された時、本当はドイツはもう勝てる状態ではなかった。ヒトラー、ゲッベルスがもっと早く自殺していれば」と語るピーターさん‥

この回は、戦争での実際の死体映像が多くあった放送。
ゲッベルス家族の死体写真もあり、伊藤かずえさんが「夢に見そう‥」と言っていた。

↓は、そのゲッベルスの焼死体の片手部分。 

でも‥ 銃で自殺してるんだよね?仰向けに横たわった死体が、なんで肘から手を曲げて空中に上げているんだろ?
これ、息があるうちに焼かれたんじゃないのかな??

     ‥と、今回初めて思った





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