歴史や昔話で「今」がはじめて見える
小さな子どもは、母親に対して、それは凄まじい愛情を持っている。
赤ちゃんの命は全面的に母親の存在にかかっているのだから、そうでなければ生きられないからだろう。
私は、その子供の愛情がとても怖かった時期があった。「おかあさん、すごいねえ」と言われても「そんなことないよ」とすぐ返し、「おかあさん、だいすきだよ」と言われると、たじろいでしまう‥
高校生の時、太宰治の「黄桃」を読んで、私は主人公の心理に何の抵抗もなかった。そして、それがとても怖かった。私も、こんな結末になるのかな