犬の色素遺伝子;ダイリューション~希釈とは?

ダイリューションルーカスは『希釈』の遺伝子座だそうです。犬の毛色はデジタル機器の画面を通すといろんな理由で皆が同じに見えているかいないかわかりにくいという点を常に考慮して、できるだけポピュラーなモデルさんを冒頭で紹介し合うとよろしいようです。

特に身体が大きくて毛が短い犬はとても分かりやすいです。ドーベルマンを思い浮かべてみてください。ダイリューションとは要はブラック&タンに対するブルー&タン、チョコレート&タンに対するイザベラ&タンなのです。

グレートデンではブラック(タキシード含む)に対するブルー。ブルーマールではありません。ファラオハウンドもモデルさんにもってこいですが、国内では個体数が少なすぎるので実際に目で見たことのある人がいなさそうです。

※毛色や遺伝性疾患や性質の遺伝に関する話題は、最終的にはブリーディングのくくりに含まれます。ですが我が国では『犬のブリーダー』といえば子犬を生ませて売る人と認識されてしまっていますし、遺伝(医学的な話題)、遺伝病(治療や手術が獣医の仕事)、繁殖のアドバイザーを街の獣医さんに委ねるのが最善だと漠然と思い込まれてしまっています。

無理無理。

dilution 顕性D おそらくなにもしない

潜性d  ホモ接合時にユーメラニンを希釈する

※もう1つ以上対立遺伝子が存在するかもしれないとわたしは考えています。d某、色素についてはdと同様の働きをして、やりすぎてユーメラニンを狂わせて脱毛症にしてしまいます。カラーミュータントアロペシア・ブルードーベルマンシンドローム・あるいは色素変調性脱毛症です。

ダイリューションルーカスはユーメラニンを希釈(濃縮めんつゆに対する水がdの役割)しますがフェオメラニンには作用しません。つまり2021年現在まだまだ個体数が多く今後も乱雑に組み合わされてペットショップに陳列されるブルーフォーンのチワワやチワワ系雑種なんかが、いつまでも遺伝性脱毛症と戦わなくてはならない訳です。

街の動物病院は商売繁盛、ブリーダーと自称する犬の生産業者もプロを名乗っちゃうペットショップのお兄ちゃんたちも、皆が潤うんですよ。このカラクリ、あなたはわかりますか?ふふふ。

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