舞台 「浪漫活劇譚 艶漢」 感想
新型コロナの影響で観劇の予定がなくなったので、DMM配信で 「浪漫活劇譚 艶漢」を観劇しました。
艶漢はこれまで4回舞台化されていて、今回見たのは2016年に上演された シリーズ1作目です。
浪漫活劇譚 艶漢https://www.dmm.com/digital/cinema/-/detail/=/cid=5303clie00001/
あらすじ(DMM商品紹介より)
漫画雑誌「Wings」で好評連載中、尚月地先生原作の漫画「艶漢」の舞台化!「艶漢」とは?ノーフン(フンドシをはいていないってこと!)がちで柳腰の美少年で傘職人の吉原詩郎(女ったらしの助平)と、熱血正義感の巡査殿・山田光路郎(筋肉質で無類の猫好き)、そして詩郎の兄貴分で無敵な色気を放つ吉原安里の物語を軸にした、エログロナンセンスな昭和郷愁的アンダーグラウンド事件簿。廃墟のようなバラックが建ち並ぶ不思議な街・幻灯町を舞台に、ミステリーありメロドラマありギャグありの波瀾万丈なストーリーが独特の演出で展開する。
感想
上質なエロス×ミステリーでとても面白かったです。吉原詩郎、吉原安里兄弟の耽美で退廃的なエロスにドキドキしました。そしてミステリーとしても最後まで犯人が分からずワクワクしました。犯人の犯行動機がなかなかにナンセンスでグロテスクでしたね。面白かったので2作目以降を見るか、原作を読むか、どちらから手を付けるか迷います。
印象に残ったキャラ&キャストについて書いてみます。
1吉原詩郎 役/櫻井圭登さん
舞台刀剣乱舞で肥前忠弘役を演じられている方です。今回艶漢を見ようと思ったきっかけは、刀剣乱舞で櫻井さんの過去作品に興味を持ったからでした。櫻井さんの印象としては、とにかく腕の使い方がきれいだと感じました。冒頭で仕込み傘から剣を抜いた時の動きや、猫女を抱きしめる腕、短刀を投げる腕などなど。白くて細くて、でも筋肉がきれいについた腕が時に激しく、時にやさしく動くのが素敵です。舞台の冒頭で詩郎が山田光路郎と出会い、世話を焼いたり焼かれたり、二人一緒に殺されかけたりします。そんな中、ミステリアスで何を考えているかわからない詩郎が山田光路郎へ向ける確かな友情、そして友情の中に潜む一抹の寂しさに胸を打たれました。光路郎も詩郎を信頼のおける友人だと思っているけれど、詩郎の寂しさに気づくことはないのでしょう。きっと詩郎はそれでもよいと思っているのだと感じました。
2吉原安里 役/三上俊さん
人狼TLPTの新撰組編でお見かけしたことのあるかたです。舞台に出てきた瞬間から最後までとにかくエロティックでした。金髪、丸メガネ、牡丹の打掛、黒と金の戦闘服と耽美属性山盛りです。あの戦闘服なんという名前でしょうか。とにかく動くこと動くこと。セクシーな戦闘服で舞台を縦横無尽に駆け回り、敵をバッタバッタと倒したり、詩郎と殺しあったりしていました。詩郎を見つめる冷徹な表情にゾクゾクしました。
3山田光路郎 役/末原拓馬さん
熱血警官の光路郎さん。ごく普通の熱意溢れる警察官です。本当にごく普通の人です。光路郎さんがごく普通の人である分、詩郎や安里の得体の知れなさが際立ちますね。詩郎に助けられたことをきっかけに何くれと詩郎の世話を焼きます。コメの炊き方から教えてくれます。詩郎を友人だとはっきり言える人。詩郎からみたら最初はわけのわからない人だったでしょう。末原さんの「普通の人」のお芝居が好きです。
上質なエロス×ミステリーに魅力的なキャラクターが活躍する濃密な2時間でした。コロナで沈んでいた心が少し浮上しました。次は艶漢2作目を見ることにします。
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